ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「うーん」

悠「まだ悩んでたのか」

千世子「当然なのだ。」

悠「なんでもいいと思うけどな」

千世子「そういうのが一番困るのだ。あんちんはきっと将来お嫁さんに怒られるのだ!」

悠「将来じゃなくても現在進行形で真桜によく怒られてるけどな」

摩耶「どんな風に?」

悠「「何でもいいっていって食べてきたり、気分じゃないと文句をいったら叩きだすからななの」って」

亘理『文句っていうか……脅し?』

悠「前に一度ココイチでカレー食って帰って家でもカレーだって被ったいったらコーンフレーク出されたし」

摩耶「カレーぶっかけられてなくて良かったね」

悠「駒狸さんが止めてくれてなかったらその可能性も多々あった」

千世子「でも、それはあんちんが悪いのだ。食べたいものをいわないから」

悠「食えるものなら文句は言わないと誓ったから何でも大丈夫だよ」

摩耶「根本的な解決にはなってないよね」

神姫「甲斐甲斐しく尽くしてる真桜と駒狸の気がしれないわ」

千世子「まったくなのだ」

亘理『悠ちゃんはときどき女心をブチ壊すよね。粉々に』

悠「義鷹、どうおもう?」

義鷹「腹が減ったその都度作ってもらえばいいだけだろ。気にいらなきゃ外で食ってくればいい」

悠「これはどうなんだ?」

亘理「まぁ、義鷹だし」

千世子「美兎ちゃん的にはどうなのだ?」

美兎「まぁ、私も似たような生活してるし楽ではいいわよ」

亘理『愛だねぇ』

悠「あれが良くておれは悪いのか?」

摩耶「あはは。ただ、悠君の家の場合は献立を聞きたいっていうより。会話したいっていうのがメインなんじゃない?」

悠「どういう意味だ」

摩耶「んっ、例えばね。悠君、なんでもいいっていうのは無しで答えてね」

悠「あぁ」

摩耶「晩御飯何食べたい?」

悠「寒いから塩ちゃんこ」

摩耶「明日は?」

悠「水たき」

摩耶「次は?」

悠「好き焼きかな」

千世子「お鍋ものばっかりなのだ」

摩耶「ねっ、本人は飽きないかもしれなくても、他の人らはたまったもんじゃないでしょ」

悠「えー、鍋いいじゃん鍋」

摩耶「だから、ある意味、献立の内容より悠君と会話したいから聞くんじゃないかなーって」

悠「そんなことはないと思うけどな」

亘理『あり得るね』

千世子「あり得過ぎるのだ」

悠「えぇっ…」

神姫「ある意味、罪作りな話しよね。」

悠「へへっ」

神姫「ウザいわ」

悠「すんません」