ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ぐぅぅぅぅぅぅ……」

亘理『すっごい音』

神姫「それより私は机に顔面突っ伏して眠れてるコイツが凄いと思うわ」

摩耶「よく鼻痛くないよね」

千世子「千世子的には手が直立不動状態でぴーんっとしてるのが気になるのだ」

摩耶「キョンシーになりかけてるのかな」

悠「霊幻道師、好きだったわぁ」

亘理『わっ!』

神姫「起きてたのね」

悠「ひとの頭の周りでしゃべられてたら誰だって起きるっての」

摩耶「起きないときは蹴飛ばしても起きないのに」

千世子「でも、なんで突っ伏したままなのだ?」

悠「起きあがるタイミングをなくしたか?」

摩耶「いつでもいいと思うよ」

亘理『私がひきあげてあげようか?』

悠「別に起きあがれないってわけじゃぁぁぁ!?」

神姫「こうすれば嫌でも起きるでしょ」

グィッ!
悠「いでででで抜ける!髪引っ張らないで!」

摩耶「プロレスでこういうシーンあるよね」

悠「でぇい、離せ!」

千世子「あんちん平気?」

悠「平気じゃねーよ……痛っっ。」

亘理『神姫さん……無茶するわ』

神姫「そう?」

悠「そんなにおれが好きなのか?」

神姫「……」

ガッ!ゴンッ!
悠「ぷぎゃっ!!」

摩耶「ひきあげて叩きつける。王道だね」

亘理『いやいやいや、いますっごい音したよ!悠ちゃん動かないし!』

悠「……」
ダラッー……

摩耶「血染めの机」

雨「あら、学校の七不思議みたい」

千世子「ちょっとレトロ感があるのだ」

悠「誰かひとりくらい心配しろ!」

亘理『ティッシュティッシュ!悠ちゃん、鼻血凄い出てる!』

悠「ったく……ぶじゅー!!」

神姫「いつも思うけどその鼻血の止め方はどうなの」

悠「止まるのを待つより、出しきる方が早い。っか、叩きつけた人間が言うことかそれ」

神姫「そうさせたのは……悠よ」

悠「ひ、ひぇぇ」

亘理『笑顔って……怖いね』

摩耶「狂気と笑顔は紙一重」

悠「普通に笑ってくれ」

神姫「私だって楽しければ笑うわよ」

悠「おれと居たら楽しいだろ」

神姫「……」

悠「どうしよう、絶対零度の氷柱をぶつけられ気分になるような眼で見られた」

摩耶「ボケてボケて」

悠「ムッシュムラムラ!!」

神姫「……」

千世子「ねーちん、机を振り上げちゃだめなのだ!」

亘理『神姫さん!いや、九頭竜さん落ちついて!冷静に!!』

悠「ひぃぃ」

摩耶「みんな楽しそうだね」

雨「煽っといてちゃっかり避難してるところがアンタらしいわね」

摩耶「雨ちゃんこそ逃げ足速いよ」
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