ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「寒い」

摩耶「はいはい、そうだねおじいちゃん」

悠「ふぇぇ、さーむーいのぉ」

亘理『おじいちゃんになった!』

神姫「志村けん?」

悠「とんでもねぇ、あたしゃ神様だよ」

摩耶「気済んだ?」

悠「うん、でも寒いの。あっためて」

神姫「灯油持ってきて」

悠「それはただの火あぶり」

千世子「はーい、魔女狩りはやめてじゅぎょーしますなのだ。オズの国の四方を統治する魔女たちのうち、北と西と東の魔女は、作中で名前が明かされていないのだ。彼女たちのなかには、南の魔女グリンダと同じように善良な魔女もいれば、主人公ドロシーに敵対する悪い魔女もいるのだ。」

悠「まったく、うかうかとあっためてとも言えない世の中だな」

摩耶「そのセリフいう人も少ないだろうけどね」

亘理『なんかヤラシー』

悠「そういうの好きなくせに」

亘理『ガジッ!』

千世子「東の国を統治する悪い魔女で、「マンチキン人」と呼ばれる人々を奴隷のようにこき使っていたのだ。銀色の魔法の靴をはいており、のちにドロシーたちはこの靴の力をかりて自分の国に帰ることになるのだ。」

悠「よし、分かった。おれが全面的に悪かったから頭を噛まないでくれ」

亘理『ガジガジ』

神姫「お腹壊すわよ」

摩耶「毒が……」

悠「誰が毒もちだ!」

千世子「主人公のドロシーとその飼い犬が、住んでいる家ごと竜巻で吹き飛ばされ、オズの屋敷へやってきたとき、はじめに到着したのが東の魔女の居る国だった。しかし、運が悪い事に、東の魔女は落下してきた家の下敷きになって死んでしまうのだ。そのため、四人の魔女のうち彼女だけは物語に直接かかわっていないのだ。」

亘理『ったく』

雨「アンタもよくあんなの噛めるわね」

悠「あんなのとかいわれた」

摩耶「美味しそうには見えないし」

悠「まぁ、おれも食べる方が好きだな色んな意味で」

千世子「ちなみに、他の三人の魔女の姿は初版の挿絵に描かれていたが、さし絵で描かれた彼女の姿は、自分を押しつぶした家から、二本の足が見えている姿のみなのだ。」

神姫「……」

悠「わー、生ごみを見る目だコレ」

神姫「廃棄物よ」

悠「どっちにしろヒデェ」

千世子「北の国を治めるよい魔女。小さな老婆で、つばから鈴の下がった白いとんがり帽子をかぶり、体にガウン、手には杖というポピュラーな魔女の姿をしているのだ。四人の魔女の中でも力が弱く、そのため悪い東の魔女を倒すことができなかったのだ。」

摩耶「食べ物として見られたいの?」

悠「愛おしく見られたい」

神姫「チッ」

雨「うっとおしくは見られ出してるわよ」

悠「どーん……」

千世子「彼女は東の国に流れ着いたドロシーの前にあらわれ(結果的にではあるが)東の魔女を倒したことにお礼をすると、ここがオズの国であることや、元の国へ帰るためにオズの魔法使いが住む、エメラルドの都へ行くべきことを伝える。また彼女には「北の魔女がキスしたものは、誰からも酷い事をされない」という能力があり、これによって、まだ小さいドロシーは悪い敵に襲われなくなっているのだ。」

摩耶「じゃあ、亘理ちゃんかな」

亘理『じっ……』

悠「……恨めしい?」

亘理『ガジッ!』

悠「なんで噛まれたのか分からん」

千世子「西の国を支配する老婆。ふたつの三つ網をリボンで結び、見えない左目に眼帯をしているが、右目は望遠鏡のように遠くを見ることができるのだ。西の国に住むウィンキー人を奴隷にしている悪い魔女なのだ。」

摩耶「なんで噛まれたのか分からないのが分からない。」

神姫「アホだからよ」

悠「えぇっ」

雨「鈍感って言うか病気ね」

亘理『うー、ガジガジ!』

悠「ちょ、マジ噛みになってますよ?!」

千世子「彼女は首から銀色の笛を下げていて、この笛を吹いて狼やカラス、昆虫の蜂を呼び寄せて、ドロシーたちを襲わせるのだ。また、宝石のついた黄金の帽子は、「羽の生えた空飛ぶ猿」を三回だけ呼びだして使役する力があるのだ。ただし彼女には、暗闇に弱く、水を浴びると溶けてしまうという弱点があるのだ。彼女はこの弱点をドロシーに突かれ、水をかけられてドロドロに溶けてしまったのだ。以上、グリンダとオズの魔法使いの魔女のじゅぎょーだったのだ。」
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