ー奇談ー學校へ行こう7

ー壱階:休憩所ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で今日は授業ではなく談話が始まっていた。

千世子「あけおめなのだ!」

亘理『あれー!チヨちゃん、来てくれたのー!』

千世子「もちろんなのだ。新年のご挨拶は大事なのだ。」

亘理『やーん、うれしー!』

千世子「ちなみに千世子だけじゃないのだ。」

悠「意外だな。摩耶はともかく、神姫まで来てるだなんて」

神姫「あら、私は悠の数百倍は礼儀に重んじてると自負してるわよ。」

摩耶「スペシャルいい笑顔だね」

悠「畜生……なにひとつ反論できない」

千世子「それはそれであんちん情けないのだ」

冥「あらあら、皆さんおそろいなのナ。あけましておめでとうございますなのナ」

「「「あけましておめでとうございます(なのだ)」」」

冥「よかったらお雑煮でもいかがですなのナ?」

悠「おー、美兎の餅と管理人ちゃんのお味噌汁の組み合わせとは最強だな。もらおう」

摩耶「じゃあ、僕も」

千世子「千世子もなのだ。」

神姫「私はいいわ。もうお餅は飽きたし」

冥「じゃあ、珈琲でもいれますのナ」

神姫「そうしてもらうわ」

亘理『悠ちゃんたち忙しくないの?』

悠「おれはヒマ人」

摩耶「僕もそんなにどこかにいくタイプじゃないし」

神姫「私は気が向いたからよ」

悠「さっきは礼儀に重んじるって言ってたのに……」

神姫「なに?」

悠「あー、お雑煮たのしみだなぁ」

千世子「あんん、何か痛々しいのだ」

悠「痛々しいとはなんだ、痛々しいとは」

摩耶「じゃあ情けない」

神姫「無節操」

亘理『えーと、えーと……ニブチン!』

悠「待てゐ!なんかおれの凶弾会になってんぞ!」

摩耶「えっ、違うの?」

悠「正月早々やめてくれ。」

冥「お待たせしましたのナ」

悠「わーい」

摩耶「切り替え早い」

亘理『そこが悠ちゃんのいいところだよね』

神姫「悪いところの間違いでしょ」

悠「あーあー聞こえない聞こえない」

神姫「そうだ、これ貰いものだけど良かったら食べちゃって」

冥「ありがとうなのナ。えーとタルトなのナ」

神姫「えぇ、お茶菓子くらいにはなるでしょ」

冥「大助かりなのナ」

悠「あー、だったらおれも何か持ってきたら良かったな蜜柑とか蜜柑とか蜜柑とか」

亘理『ミカントリプル?!』

悠「箱で大量に送られてきてなさすがにちょっと困ってるんだ」

摩耶「ゆえちゃんがたべるんじゃない?」

悠「さすがに飽きたって言われたよ」

神姫「おせちが続くと飽きるようなものね」

悠「ちょっと違うけどな。あれは好きで一度に十個くらい食ってたし……」

摩耶「風邪はひかないだろうね」

千世子「ビタミンが凄そうなのだ」
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