ー奇談ー學校へ行こう

ー教室(1/18/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

花描「ピエロ君さ、家帰らないのか?」

悠「あー?夜中にゃ帰ってるだろ」

花描「そうだけどさ…まぁいいか」

神姫「なに、悠家に帰ってないの?」

悠「帰ってるっての。夜中なだけだ」

摩耶「あ、ちょこちゃん来たよ」

千世子「みんな集まってるなー。じゃあ早速じゅぎょーなのだ」

【ヴィーヴル】
生息地域:フランス
出典:フランスの民間伝承

悠「ベーグルか」

花描「そりゃ無理あるだろ」

千世子「ヴィーヴルはヨーロッパの大国フランスに伝わるドラゴンなのだ。この名前は、ラテン語で蛇の仲間「マムシ」を意味する単語「vipera」に由来するというのだ。」

摩耶「マムシかぁ。悠くん蛇好きだよね」

悠「爬虫類全般好きだぞ」

花描「カナコとスワコもか?」

悠「爬虫類扱いいいのか?」

千世子「ヴィーヴルの最大の特徴は、オスメスのメスしかいないドラゴンだということなのだ。その外見には伝承によって大きく2つの種類があり、片方は「翼のある蛇」もう片方は「豊満な胸の女性だが、下半身が蛇になっている」というものなのだ。一部には体が炎でできているという伝承もあるのだ」

摩耶「豊満な胸の女性だって」

悠「上半身だけでも色々できるよな」

神姫「喰われ」

悠「なぁ、それマジでいってないか?」

千世子「どの姿をしている伝承でも、ヴィーヴルの目もしくは額には、宝石がはめ込まれているのだ。宝石の種類はダイヤモンド、ガーネット、ルビーなど、赤もしくは透明の宝石なのだ。」

摩耶「悠くんの目は?」

悠「猫目石かにゃん」

神姫「猫っていいたいだけでしょ」

千世子「この宝石はヴィーヴルの目のかわりとして機能していて、宝石がなくなれば目が見えなくなってしまうのだ。ただし宝石を光らせることによって、暗闇の中でも飛び回ることができるという長所もあったのだ。」

花描「弱点と利点か」

千世子「ヴィーヴルの住む場所は、無人の城や修道院など、人目に付かない場所が多いのだ。またヨーロッパのドラゴンらしく、財宝を守っていることもあるようなのだ。」

摩耶「人目に付かない場所の理由は?」

千世子「ヴィーヴルは非常に恥ずかしがり屋なのだ。人間の男性の裸を嫌うのだ。」

摩耶「悠くん…」

花描「ピエロ君…」

悠「俺そんな脱ぎたがりじゃねぇよ!」

千世子「そのためヴィーヴルが襲うのは決まって服を着た人間だったのだ。川で泳いでいた男性がヴィーヴルに襲われたとき、男性が服を脱いでいたおかげでヴィーヴルが逃げていったという伝承もあるほどなのだ。効果はてきめんなのだ。」

摩耶「だってさ」

悠「だから脱がねぇよ。」

花描「女の子に頼まれたら」

悠「上からかな下からかな~」

神姫「変態」

千世子「じゃあ、今日はここまで続きは次回なのだ」
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