ー奇談ー學校へ行こう7
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
千世子「うー、寒いのだ」
悠(女)「ゆき……ゆき……まどにまどにゆきが……」
摩耶「SAN値がマイナスってるね」
神姫「今がトドメのチャンスね」
悠(女)「優しくしろよ!」
摩耶「あっ、復活した」
【ヘンゼルとグレーテルの魔女】
英字表記:HanseluhdGretelsHexe
出身地:ドイツ
出典:グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」
千世子「それじゃ、じゅぎょーしますなのだ。グリム兄弟がドイツに伝わる民話を集めた「グリム童話」の一遍「ヘンゼルとグレーテル」は、親に捨てられた兄妹ヘンゼルとグレーテルが、お菓子でできた家に住む魔女に誘いこまれてしまう物語なのだ。」
悠(女)「あーしはお菓子の家より防寒性にすぐれたあったかい家がいい…」
神姫「閉め切った部屋で七輪炊くとか」
悠(女)「それ死ぬよね。一酸化炭素さんで死んじゃうよね」
摩耶「一酸化炭素を吸って酸素を吐き出せば」
悠(女)「あーしは二酸化炭素とマイナスイオンしかでません!」
千世子「この物語に登場する魔女は、年老いた老婆で、目は赤く視力が悪く、枯れ枝のような痩せた手をしているのだ。そしてたったひとりで森に住み、家畜を飼う小屋や大きなパン焼き釜、たくさんの宝石を持ち、自給自足の生活を送っているのだ。」
亘理『マイナスイオン出るんだ……』
神姫「出るわけ無いでしょ。」
悠(女)「でも、あーしと一緒に居ると癒されるっしょ?」
神姫「全然」
悠(女)「YES!即答!」
千世子「彼女が建てたお菓子の家は、壁を堅焼きケーキ、屋根をお菓子類、窓ガラスを透き通った砂糖で作ったもので、森の中で道に迷った子供をおびき寄せるために建てられたのだ。魔女はこの家に魅了されて来た子供を、優しい老婆のふりをして歓迎したあと、正体をあらわして監禁し、丸々と太らせて食べてしまうのだ。」
亘理『私はそんなに嫌じゃないよ』
悠(女)「それはあーしのことか?それとも片割れの事か?」
亘理『えーと……えへへ///』
悠(女)「そんな可愛く照れても誤魔化されんかんな!」
雨「お前は何様なのよ……」
千世子「キリスト教が深く広まった後のドイツでは、ひとの手の入っていない森は、獣が支配する危険な場所とみなされていたのだ。しかし何らかの理由で村から追われ、あるいは自ら逃げ出すなどして森に隠れ住む人々もいたのだ。」
摩耶「マイナスイオンは出ないかもしれないけど氣は出せるよ」
神姫「それなら私もできるわね」
悠(女)「もちろん」
亘理『で、でない……』
雨「出る方がおかしいから愕然としなくていいわよ」
千世子「物語の冒頭で、ヘンゼルとグレーテルを捨てることに反対した父親は「そんなことをしたら森の獣に八つ裂きにされてしまう」といい「森には恐ろしい魔女がいる」とはいっていないのだ。この魔女は世間的に忘れ去られた存在だったのだ。」
悠(女)「それにしてもまだまだ冷えていくって何の呪いなんだろうな。今年のラストを雪で飾ってくれなんて誰もいってないぞ」
摩耶「イルミネーションが栄えてカップルは大喜びかもね」
悠(女)「リア充は足の小指ぶつけて爪がモゲロ」
雨「妙に現実味があって痛々しいわ……」
神姫「ひとを呪わば穴二つって知らないのかしら」
悠(女)「あーしはカップルじゃないから関係ないの!」
千世子「このように深い森に住み、世間から忘れ去られた鬼婆は、ドイツ語で「Hexe」、英語では「Hag」と呼ばれるのだ。イギリスのハッグの正体は、人間で有る場合もあれば、老婆の姿の妖精、あるいは天候の精霊である場合もあるのだ。彼女たちは人間に病気と死を、世界に冬をもたらすものであり、人間にとっては天敵といってもいい存在なのだ。人間はいつでも自然の驚異を恐れているのだ。以上、ヘンゼルとグレーテルの魔女のじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
千世子「うー、寒いのだ」
悠(女)「ゆき……ゆき……まどにまどにゆきが……」
摩耶「SAN値がマイナスってるね」
神姫「今がトドメのチャンスね」
悠(女)「優しくしろよ!」
摩耶「あっ、復活した」
【ヘンゼルとグレーテルの魔女】
英字表記:HanseluhdGretelsHexe
出身地:ドイツ
出典:グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」
千世子「それじゃ、じゅぎょーしますなのだ。グリム兄弟がドイツに伝わる民話を集めた「グリム童話」の一遍「ヘンゼルとグレーテル」は、親に捨てられた兄妹ヘンゼルとグレーテルが、お菓子でできた家に住む魔女に誘いこまれてしまう物語なのだ。」
悠(女)「あーしはお菓子の家より防寒性にすぐれたあったかい家がいい…」
神姫「閉め切った部屋で七輪炊くとか」
悠(女)「それ死ぬよね。一酸化炭素さんで死んじゃうよね」
摩耶「一酸化炭素を吸って酸素を吐き出せば」
悠(女)「あーしは二酸化炭素とマイナスイオンしかでません!」
千世子「この物語に登場する魔女は、年老いた老婆で、目は赤く視力が悪く、枯れ枝のような痩せた手をしているのだ。そしてたったひとりで森に住み、家畜を飼う小屋や大きなパン焼き釜、たくさんの宝石を持ち、自給自足の生活を送っているのだ。」
亘理『マイナスイオン出るんだ……』
神姫「出るわけ無いでしょ。」
悠(女)「でも、あーしと一緒に居ると癒されるっしょ?」
神姫「全然」
悠(女)「YES!即答!」
千世子「彼女が建てたお菓子の家は、壁を堅焼きケーキ、屋根をお菓子類、窓ガラスを透き通った砂糖で作ったもので、森の中で道に迷った子供をおびき寄せるために建てられたのだ。魔女はこの家に魅了されて来た子供を、優しい老婆のふりをして歓迎したあと、正体をあらわして監禁し、丸々と太らせて食べてしまうのだ。」
亘理『私はそんなに嫌じゃないよ』
悠(女)「それはあーしのことか?それとも片割れの事か?」
亘理『えーと……えへへ///』
悠(女)「そんな可愛く照れても誤魔化されんかんな!」
雨「お前は何様なのよ……」
千世子「キリスト教が深く広まった後のドイツでは、ひとの手の入っていない森は、獣が支配する危険な場所とみなされていたのだ。しかし何らかの理由で村から追われ、あるいは自ら逃げ出すなどして森に隠れ住む人々もいたのだ。」
摩耶「マイナスイオンは出ないかもしれないけど氣は出せるよ」
神姫「それなら私もできるわね」
悠(女)「もちろん」
亘理『で、でない……』
雨「出る方がおかしいから愕然としなくていいわよ」
千世子「物語の冒頭で、ヘンゼルとグレーテルを捨てることに反対した父親は「そんなことをしたら森の獣に八つ裂きにされてしまう」といい「森には恐ろしい魔女がいる」とはいっていないのだ。この魔女は世間的に忘れ去られた存在だったのだ。」
悠(女)「それにしてもまだまだ冷えていくって何の呪いなんだろうな。今年のラストを雪で飾ってくれなんて誰もいってないぞ」
摩耶「イルミネーションが栄えてカップルは大喜びかもね」
悠(女)「リア充は足の小指ぶつけて爪がモゲロ」
雨「妙に現実味があって痛々しいわ……」
神姫「ひとを呪わば穴二つって知らないのかしら」
悠(女)「あーしはカップルじゃないから関係ないの!」
千世子「このように深い森に住み、世間から忘れ去られた鬼婆は、ドイツ語で「Hexe」、英語では「Hag」と呼ばれるのだ。イギリスのハッグの正体は、人間で有る場合もあれば、老婆の姿の妖精、あるいは天候の精霊である場合もあるのだ。彼女たちは人間に病気と死を、世界に冬をもたらすものであり、人間にとっては天敵といってもいい存在なのだ。人間はいつでも自然の驚異を恐れているのだ。以上、ヘンゼルとグレーテルの魔女のじゅぎょーだったのだ。」