ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

摩耶「そういえばちょこちゃんはクリスマス欲しいものってあるの?」

千世子「んーと……」

悠「等身大人体模型」

千世子「いらないのだ」

神姫「ホルマリン?」

千世子「いらないのだ」

亘理『わかった!アルコールランプ!』

千世子「全然違うのだ!なんで理科室にありそうなもの縛りなのだ!」

「「『なんとなく(よ)』」」

【マクベスの3人の魔女】
英字表記:ThreewitchesofMacbeth
別名:運命の姉妹たち
出典:歌劇「マクベス」(シェイクスピア作1606年)

千世子「まったく、失礼しちゃうなのだ。もう、じゅぎょーしますなのだ。後世の人々「ルネッサンス時代」と呼ばれた、16~17世紀に活躍したイギリスの劇作家シェイクスピアは、代表作を選ぶのも難しいほど多くの名作を残した天才作家なのだ。彼の作品には魔法的な要素がとりあげられたものも多く、特に「マクベス」という作品に登場した3人の魔女は、黒いローブを着て大釜で薬を煮込む邪悪な老婆という、後世の作品に登場する典型的な魔女像を定着させた作品として、広く世間に知られているのだ。」

悠「違ったか……あっ、音楽室に飾るペーとペンの絵とかかな」

神姫「モナリザとか」

亘理『えーと、えーと二宮金次郎の像!』

摩耶「学校の怪談ぽいものはここにいっぱいあるしいらないんじゃない?」

悠「盲点だった」

雨「いや、根本から間違ってる」

千世子「この作品に登場する3人の魔女は、ギリシャ神話の魔女の女神ヘカテに仕えているのだ。「マクベス」を題材にした絵画などでは、やせて筋くれだった手足を持つ老婆として描かれ、不気味な予言や、霊魂を呼び出す魔術によって主人公の運命に介入し、その心を野望と恐怖に染める存在なのだ。」

悠「じゃあ、女の子だしやっぱり百合キュア……もとい、プリキュア」

摩耶「それ、悠君が欲しいものじゃない?」

悠「おれは薄い本で」

神姫「薄くなりたいって?」

悠「プレスはいやぁ!」

千世子「「マクベス」という題名は、主人公の名前なのだ。本作の主人公であるマクベスとは、イギリスの北部を占める国スコットランドで11世紀ごろに活躍した人物で、いとこのスコットランド王を暗殺して王位につき、王位継承権を持つ王族や、自分の権力を認めない反対勢力を次々と殺して恨みを買い、最後は自ら殺した王の息子の軍勢に打ち取られたという人物なのだ。シェイクスピアの「マクベス」は、このマクベス王の裏切りと破滅のてん末を娯楽物語として改変したものなのだ。」

悠「ときどきおれのことを「ゆっくり」的な扱いしてないか?」

神姫「なに、針で串刺しにされたりレンジでパーンってなりたいの」

悠「ゆっくり虐待読んだことあるなさては……」

神姫「にこっ」

悠「めちゃくちゃ素敵な笑顔なのに恐怖を感じる……」

千世子「物語のマクベスは、グラーミスという小さな領地を統治する貴族で、戦場で大きな手柄をあげて帰国する途中、荒野にさしかかったのだ。するとそこで三人の魔女が現れ、マクベスに呼び掛けるのだ。最初魔女たちは、マクベスを「グラーミスの殿様」と呼んでいたが、次に「コードアの殿様」、そして「スコットランドの王様」と呼びかけは順番に高い地位になっていくのだ。」

摩耶「ああいうのって読んでる時は笑えるけどなんか後々にドッと胸やけするよね」

悠「氏賀Y太作品的なな」

神姫「リョナ系が大好きなのね」

悠「大好きってほどでもないですから」

摩耶「悠君はときどきフォローできないくらい引くからね。」

亘理『悠ちゃん……』

悠「いやいや、ノーマルノーマルだからレベルがカンストしてるだけで」

千世子「この呼びかけは、繁華街で客に対して「社長さん」と呼ぶようなお世辞ではなく、魔女による予言だったのだ。突然の呼びかけにマクベスが茫然としていると、そこにマクベスが使えるスコットランド国王の使者が到着し、今回の戦争の手柄により、小領地グラーミスから、大領地コードアの領主に格上げされることを伝えるのだ。老婆の言葉がマクベスの将来を予言しているのだと理解した彼は、欲深い妻から猛烈な後押しを受けて国王を暗殺。王の息子たちは身の危険を感じて逃げ出し、マクベスはスコットランドの王として君臨することになったのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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