ー奇談ー學校へ行こう7
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「ふー、寒いなぁ。毎日寒い」
摩耶「まぁ、そうだね」
神姫「いい加減に防寒でカバーできるようになりなさいよ。ガキじゃないんだから」
悠「心はいつでも中二病!」
神姫「病気なのね」
摩耶「うん、病気だね」
悠「うぉい!」
千世子「はーいじゅぎょーしますなのだ。前回の続きからなのだ。エリザベートはその後、「処女の生き血を肌に塗ると肌が若返る」という妄想に取り憑かれ、領地から大量の少女を集めさせて生き血を絞らせるようになったのだ。エリザベートは数人分の生き血を集めて血液風呂に入ったり、目のまえで少女の頸動脈を切って、シャワーのように吹きだす血を浴びて喜んでいたというのだ。もちろんこれらの行為にも、悪しき魔女であるドロテアやダルヴァリが関わっていたことはいうまでもないだろうなのだ。」
悠「ひどいわみんなして病気病気って」
雨「自分でいったんでしょうが」
悠「おれが煩わせるのは恋の病だけだぜ♪」
亘理『きゅん///』
神姫「死ねばいいのに」
悠「真顔で言われた!!」
千世子「余談ではあるけど、俗に「鋼鉄の処女(アイアンメイデン)」と呼ばれる、棺の中に内側に向けて棘が生えた拷問器具が、人間から効率よく生き血を採取するためにエリザベートが造らせたものだという、根拠不明の伝説も残されているのだ。」
摩耶「一回アイアンメイデンに入れられたらいいかもね。」
悠「いや、自分処女ではないんで」
摩耶「後ろは処女でしょ?」
悠「今後も掘られることはないと願いたい」
雨「アンタら引くわ……」
千世子「ドロテアとダルヴァリが生まれた東ヨーロッパでは、魔女という言葉に、フランスやイギリスなどの西ヨーロッパ諸国とは違う意味合いがあるのだ。東ヨーロッパでは、魔法を使う女性である「魔女」が、日本でいう鬼婆のような妖怪じみた存在だと考えられており、地域ごとに独特の名前で呼ばれているのだ。さらに東ヨーロッパでは、魔女はヨーロッパの代表的な怪物である人狼(ワーウルフ)や吸血鬼(ヴァンパイア)と混同される傾向があるのだ。」
悠「摩耶はときどきぶっこんでくるんからなぁ」
摩耶「えっ、なんのこと?」
悠「あら、この子、私だけのせいにする気満々ね!」
神姫「結局悠が悪いのよね」
千世子「エリザベートの凶行から100年あまりあとの18世紀中盤には、ハンガリーの西隣にある国オーストラリアで、エレオノラ・アマリーという貴族の女性が「魔女にして吸血鬼である」「狼の乳を飲んだ」と疑いをかけられているのだ。」
悠「いくらなんでも全部が全部おれが悪いわけじゃないよ」
摩耶「九分九厘だよね」
悠「一厘だけかい!」
千世子「エレオノーラは貴族の中でも最高位である公爵家に嫁いだが、跡継ぎが生まれないことに苦しんでいたのだ。そこで彼女は「狼の乳を飲むと子宝を授かる」という迷信にすがり、、41歳でついに男の子を産むことができたのだ。だが当時のヨーロッパでは、狼は悪魔と関係の深い動物だと考えられており、その乳を飲むという行為は、悪魔と契約した魔女だと言われても仕方がなかったのだ。しかも41歳での出産は、現代でも母体の安全が危ぶまれるほどの高齢出産で、18世紀の常識ではまずありえないことだったなのだ。そのため民衆は、夫人は魔術で子を授かったと噂したのだ。」
亘理『けど、悠ちゃんて反省もしないよね。』
悠「するときはする滅多にしないけど」
神姫「私もそうね。っていうか、反省するようなことしたことがない」
悠「ひゅー。さっすが神姫様ぁ」
千世子「魔術によって子をなしたと噂されたエレオノーラは、待望の長男を親族に取りあげられ、失意の晩年を過ごす。その後、原因不明の病で60歳の生涯をとじたエレオノーラだが、彼女の受難はまだ終わらなかったのだ。原因不明の病に手を焼いた侍医団は、彼女の病気を「吸血病」だと診断していたのだ。」
神姫「今のは凄くイラっときた」
悠「褒めたのに」
雨「褒め方もいちいちウザいのよね」
摩耶「むしろ挑発?」
千世子「記録によれはエレオノーラの遺体は、死後に解剖されたのだ。これは解剖という名目で行われた「吸血鬼予防処理」だと考えられているのだ。東欧では吸血鬼と関わったものは死後吸血鬼になると考えられており、、遺体を破壊(心臓を杭で打つなど)しなければ墓から蘇ると考えられていたのだ。娘は狼とかかわったことで魔女の汚名を背負い、吸血鬼として滅ぼされた不幸な女性だったのだ。以上、ドロテア・ツェンテス&ダルヴァリのじゅぎょーだったのだ」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「ふー、寒いなぁ。毎日寒い」
摩耶「まぁ、そうだね」
神姫「いい加減に防寒でカバーできるようになりなさいよ。ガキじゃないんだから」
悠「心はいつでも中二病!」
神姫「病気なのね」
摩耶「うん、病気だね」
悠「うぉい!」
千世子「はーいじゅぎょーしますなのだ。前回の続きからなのだ。エリザベートはその後、「処女の生き血を肌に塗ると肌が若返る」という妄想に取り憑かれ、領地から大量の少女を集めさせて生き血を絞らせるようになったのだ。エリザベートは数人分の生き血を集めて血液風呂に入ったり、目のまえで少女の頸動脈を切って、シャワーのように吹きだす血を浴びて喜んでいたというのだ。もちろんこれらの行為にも、悪しき魔女であるドロテアやダルヴァリが関わっていたことはいうまでもないだろうなのだ。」
悠「ひどいわみんなして病気病気って」
雨「自分でいったんでしょうが」
悠「おれが煩わせるのは恋の病だけだぜ♪」
亘理『きゅん///』
神姫「死ねばいいのに」
悠「真顔で言われた!!」
千世子「余談ではあるけど、俗に「鋼鉄の処女(アイアンメイデン)」と呼ばれる、棺の中に内側に向けて棘が生えた拷問器具が、人間から効率よく生き血を採取するためにエリザベートが造らせたものだという、根拠不明の伝説も残されているのだ。」
摩耶「一回アイアンメイデンに入れられたらいいかもね。」
悠「いや、自分処女ではないんで」
摩耶「後ろは処女でしょ?」
悠「今後も掘られることはないと願いたい」
雨「アンタら引くわ……」
千世子「ドロテアとダルヴァリが生まれた東ヨーロッパでは、魔女という言葉に、フランスやイギリスなどの西ヨーロッパ諸国とは違う意味合いがあるのだ。東ヨーロッパでは、魔法を使う女性である「魔女」が、日本でいう鬼婆のような妖怪じみた存在だと考えられており、地域ごとに独特の名前で呼ばれているのだ。さらに東ヨーロッパでは、魔女はヨーロッパの代表的な怪物である人狼(ワーウルフ)や吸血鬼(ヴァンパイア)と混同される傾向があるのだ。」
悠「摩耶はときどきぶっこんでくるんからなぁ」
摩耶「えっ、なんのこと?」
悠「あら、この子、私だけのせいにする気満々ね!」
神姫「結局悠が悪いのよね」
千世子「エリザベートの凶行から100年あまりあとの18世紀中盤には、ハンガリーの西隣にある国オーストラリアで、エレオノラ・アマリーという貴族の女性が「魔女にして吸血鬼である」「狼の乳を飲んだ」と疑いをかけられているのだ。」
悠「いくらなんでも全部が全部おれが悪いわけじゃないよ」
摩耶「九分九厘だよね」
悠「一厘だけかい!」
千世子「エレオノーラは貴族の中でも最高位である公爵家に嫁いだが、跡継ぎが生まれないことに苦しんでいたのだ。そこで彼女は「狼の乳を飲むと子宝を授かる」という迷信にすがり、、41歳でついに男の子を産むことができたのだ。だが当時のヨーロッパでは、狼は悪魔と関係の深い動物だと考えられており、その乳を飲むという行為は、悪魔と契約した魔女だと言われても仕方がなかったのだ。しかも41歳での出産は、現代でも母体の安全が危ぶまれるほどの高齢出産で、18世紀の常識ではまずありえないことだったなのだ。そのため民衆は、夫人は魔術で子を授かったと噂したのだ。」
亘理『けど、悠ちゃんて反省もしないよね。』
悠「するときはする滅多にしないけど」
神姫「私もそうね。っていうか、反省するようなことしたことがない」
悠「ひゅー。さっすが神姫様ぁ」
千世子「魔術によって子をなしたと噂されたエレオノーラは、待望の長男を親族に取りあげられ、失意の晩年を過ごす。その後、原因不明の病で60歳の生涯をとじたエレオノーラだが、彼女の受難はまだ終わらなかったのだ。原因不明の病に手を焼いた侍医団は、彼女の病気を「吸血病」だと診断していたのだ。」
神姫「今のは凄くイラっときた」
悠「褒めたのに」
雨「褒め方もいちいちウザいのよね」
摩耶「むしろ挑発?」
千世子「記録によれはエレオノーラの遺体は、死後に解剖されたのだ。これは解剖という名目で行われた「吸血鬼予防処理」だと考えられているのだ。東欧では吸血鬼と関わったものは死後吸血鬼になると考えられており、、遺体を破壊(心臓を杭で打つなど)しなければ墓から蘇ると考えられていたのだ。娘は狼とかかわったことで魔女の汚名を背負い、吸血鬼として滅ぼされた不幸な女性だったのだ。以上、ドロテア・ツェンテス&ダルヴァリのじゅぎょーだったのだ」