ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「いたたっ……」

摩耶「はい、ジッとしててねー。」

べしゃっ!
悠「ぷぎゃっ?!」

亘理『ジッとしてなくても、しててもガッツリ押さえつけてる……』

冥「まぁ、消毒液もガーゼもたっぷりあるから平気ナ」

悠「おれが平気じゃないよ!痛っ滲みるっ!!」

亘理『なんで、こんなに怪我してるの』

悠「窓から突き落とされた……いや、ぶっ飛ばされたかな」

神姫「自業自得よ。」

【イザベル・ガウディ】
英字表記:Isabel・Gowdie
出身地:マリシャ州オールダーン
別名:ジャネット

千世子「まぁ、あんちんは自動回復があるからおいといて、じゅぎょーしますなのだ。キリスト教の教えによれば、魔女は夜になると「サバト」という魔女の集会に出席し、神を冒涜する儀式を行った後、悪魔や他の魔女と無秩序な性交を行うというのだ。イギリス北部の国スコットランドの魔女であるイザベル・ガウディは、誰に強制されることもなく、自分は魔女だと告白し、悪魔との性行為を喜んで語った魔女として、魔女狩りの歴史に名を残しているのだ。」

悠「ちょっとしたおちゃめなのに」

神姫「私もちょっとした冗談よ」

悠「冗談で吹き飛ばされて窓から落とされるのか……」

摩耶「どうせセクハラしたんでしょ?」

亘理『悠ちゃん!』

悠「……してますん!」

千世子「イザベルが魔女として告発され1662年、イザベルは30歳の人妻であり赤毛の美人として近隣に知られていたのだ。イザベル自身が語ることによれば、彼女は15歳の時、ひとの姿でねずみ色の服を着た魔王と出会い、教会で魔王の洗礼を授けられ、ジャネットという魔女名を与えられたというのだ。」

雨「どっちよ」

悠「セクハラというか要望?」

神姫「はぁ?毛糸のパンツ穿いて欲しいとか卑猥な水着を着ろっていうのが要望?なんなの?馬鹿なの?死ぬの?」

悠「めっちゃ責められてる」

摩耶「謝罪に爪三枚くらい剥いだら?」

悠「え、そういうレベル?」

千世子「その後、イザベルは魔女としての腕前を磨きつつ、13人の魔女が集まるサバトに出席するようになったのだ。トウモロコシの豆や茎、いぐさなどに魔法をかけると、これらは馬や馬車になって、魔女をサバトの会場へ連れて行くのだ。魔王との性行為は、その男根に巨大な鱗があり、精液が氷のように冷たいため非常に苦痛だというが、イザベルはこれらの痛々しい告白を嬉々として話したというのだ。」

悠「おれも鱗は無いなー」

摩耶「真珠は?」

亘理『ブッ///』

悠「いれてねーよ、ついでになに鼻血出してんだよ…」

神姫「そういうこと口走るから私も手を出さざる得ないのよ」

悠「そんなぁ…」

千世子「イザベルによると、彼女が身につけていた魔女の妖術の数々は、彼女に洗礼を授けた魔王ではなく、妖精から学んだものが大半だというのだ。イザベルは自分やサバトの仲間がどんな魔法を使い、どのように村人に迷惑をかけたのかを、以下のように非常に具体的に、そして自主的に話しているのだ。」

・湿った絨毯に石を打ちつける→嵐が起きる

・ヒキガエルに農具の模型で畑を耕せさせる→その畑では作物が育たない

・子供の遺体を農家の肥料の山に混ぜる→その肥料をまいた畑の作物が全滅

・人形に針を刺す→村の子供に様々な魔法がかかる

・サバト出席時、ベッドに箒の柄をいれる→夫はイザベルの不在に気付かない

摩耶「悠君はほら、セクハラするのが唯一の生甲斐だから」

悠「そこまで落ちぶれてねーぞ」

神姫「呆れるばかりだわ」

悠「でもな神姫、これだけはいわせてくれ」

神姫「なによ」

悠「おれは神姫が毛糸のパンツ(ウサちゃんの刺繍いり)を穿いてるのを想像したら普通に抜けるレベルだ」

神姫「腕でも抜いてなさい」

ミヂヂヂ!
悠「痛だだだだっ?!まずいまずい!それまずい!本当に腕の付け根がミヂミヂいってるからっ!」

摩耶「あっははは!!」

亘理『摩耶君がお腹抱えて笑ってる…』

千世子「この他にもイザベルは、野うさぎや猫に変身したり、矢で傷つけた相手を致死性の病気にする「エルフの矢」と呼ばれる魔法などを使っていると言っているのだ。以上、イザベル・ガウディのじゅぎょーだったのだ。」
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