ー奇談ー學校へ行こう

ー教室(1/15/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

花描「ピエロくんさ、家で晩飯食わないのか?」

悠「いや、帰ったら食うよ」

花描「他の人らと顔会わせてろよ…」

悠「しゃーねーべ。俺の帰り基本深夜だし。」

摩耶「そうなる前に帰ったらいんじゃない?」

悠「俺は俺で色々忙しいのよ」

神姫「暇人でしょ」

悠「なんだと!」

千世子「はーい、じゅぎょーかいしなのだ。昨日のつづきなのだ。ケツァルコアトルはアステカの神々のなかで、例外的なまでの慈悲深さをもつ神だったのだ。アステカでは神々のために人間を生け贄に捧げる」のがごく当然の習慣だったのだけど、ケツァルコアトルは人間の生け贄をいっさい受け取らなかったというのだ。かわりに捧げ物として受けとるのは、蛇や鳥、蝶や翡翠といった美しいものだったのだ。」

摩耶「悠くんなら女の子のみでオッケーだよね。」

悠「可愛いor美人がつかないとダメだぜ」

神姫「死ねばいいのに」

悠「いま、ダイレクトに死ねっていったよな」

千世子「アステカの絵画では、ケツァルコアトルと一緒に緑色の鳥が描かれていることがあるのだ。この鳥は「ケツァール」といい、メキシコ南部から運河で有名な国「パナマ」までのあいだに広がる森林地帯に生息している美しい鳥なのだ。」

悠「ちなみにメキシコは南にあるグアテマラの国は、ケツァールが国鳥で、国旗にもケツァールが描かれてる。金の名前もケツァルだしな」

千世子「ケツァールはケツァルコアトルの使いだと考えられてて、王や神官など一部の権力者以外は、この羽根を飾りとして身に付けることが許されなかったらしいのだ」

悠「崇や氷室さんは大丈夫だな」

摩耶「悠くんは頭に羽とかはつてもいいんじゃない?」

悠「なんだそりゃ」

花描「道化(ピエロ)だろ」

悠「……」

千世子「ケツァルコアトルを信仰していたアステカ帝国は、12~16世紀ごろに栄えた国なのだ。だけど、ケツァルコアトルの由来はもっと古く、アステカ帝国より昔、7~12世紀ごろに栄えた「トルテカ帝国」でも主神として信仰された神だというのだ。ケツァルコアトルはトルテカの人々にさまざまな技術を教え、文化を高めたと伝えられるのだ。」

悠「プレデターみたいだな」

摩耶「それだと人間は最終的にエイリアンのエサとフェイスハガーの苗床だよね」

千世子「ケツァルコアトルはトルテカやアステカだけでなく、近隣のさまざまな場所で信仰されたされたのだ。現在ケツァルコアトルは、学芸、農耕、風など多くのものを守護する神としてしられているけど、これはケツァルコアトルの信仰が各地に広まり、それぞれの民族がケツァルコアトルに「自分達に都合のいい属性」を与えた結果、その守護する領域があまりに多様になってしまったせいだと考えられといるのだ。」

悠「神様は面倒だな。竜で神で姫である神姫様はどうよ?」

神姫「バカね。私は存在するだけで信仰されるに決まってるでしょ。」

悠「さよか…」

千世子「じゃ、つづきはまた次回なのだ。」
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