ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「はぁー、寒いのだ」

神姫「寒いなら寒いなりの恰好をしなさい。マフラー巻くなり、手袋つけるなり」

悠「毛糸のパンツはくなり」

神姫「……」

悠「……」

神姫「間違いではないわね」

悠「よっしゃ!セーフ!」

神姫「私も穿いてるし」

悠「マジすか?!」

神姫「嘘よ」

ゴッ!
悠「みぎゅっ!!」

千世子「あんちんのお腹につま先が深々と刺さっていたのだ」

神姫「痴漢には容赦しないことよ」

悠「痴漢して、ねぇ……」

千世子「えーと、じゅぎょーしますなのだ。キリスト教徒やイスラム教徒の伝承では、シバ女王は異教の信者だが、最終的に神の教えを受け入れる美女として、比較的好意的に描かれているのだ。キリスト教の伝説では魔術めいた予言の力を発揮し、将来、イエスキリストがはりつけになる木を見抜いて、それに礼拝するという場面が描かれているのだ。さらに彼女は、世界の終わりにイエスキリストとともに最後の審判に現れ、罪人たちを裁く大役を担うともいわれるのだ。」

悠「内臓が……痛い」

摩耶「ってゆーか、悠君が痛いよね」

悠「いやだって、神姫が毛糸のうさぎちゃんパンツとかはいてたらビックリするじゃん」

神姫「なんで兎が足されてるのよ」

悠「くまちゃん?」

神姫「右と左どっちを打たれたい?」

悠「打たれない方向でオナシャス」

パンッ!

千世子「イスラムの伝承では、シバの女王とソロモン王の出会いが、他の宗教と違った筋書きで紹介されているのだ。それによればシバの女王は精霊「ジン」の血を引いており、その噂に興味を持ったソロモン王が彼女を呼び付けて、その知恵を試しているのだ。試す側と試される側が逆になっているのだ。」

亘理『悠ちゃんも……成長しないね』

悠「痛み耐えて……」

摩耶「感動した」

神姫「小泉か」

悠「国士無双!」

摩耶「無駄ツモが無いね」

千世子「この他にも数多くの「シバの女王の物語」が作られ、語り継がれているのだ。美しい異国の女王は良きにつけ悪しきにつけ高い人気を誇っているのだ。」

悠「神姫もそれっぽいよな」

神姫「私のどこが悪しきなの?んん?」

ペチペチ
悠「すいません、カッターナイフの刃で人の頬を叩く人を良しきとは言い難いです」

神姫「縦に突く方が良かった?」

悠「穴開く穴開く」

千世子「大きくて豊かな領土を持つシバの王国は、旧約聖書では「地の果て」にあるといい、新約聖書には「南の女王」という表現があるのだ。この国が実在したかどうかはっきりとわからないが、もし実在した場合、イスラエルよりも遠く南の地、アラビア半島南端のイエメン地方か、その海の向かい側、アフリカ大陸東端のエチオピア地方に存在したと考えられているのだ。」

亘理『毛糸のぱんつそんなに好きなの?』

悠「一番好きなのはシマパンだけど。ぱんつは好きだよ。ぱんつは正義、スク水も正義、つまりジャスティス!」

摩耶「らしいよ」

亘理『シマパンか……。』

神姫「縞模様に痣でも作ってあげましょうか?」

悠「いや、おれ自身が縞をつけたいわけじゃないですから」

千世子「シバ王国がエチオピアにあったとする説では、女王の名前はマケダといい、ソロモン王を尋ねて改宗しソロモン王との間に子供をもうけたとされているのだ。のちにその息子もイスラエルを訪れたが、なんとこのとき、神がユダヤ人に与えた契約の箱「聖堰(アーク)」を盗み出し、エチオピアに持って帰ってしまったというのだ。この節を主張する人々は、聖堰とともに神もエチオピアに移ったので、エチオピアこそ正統な神の王国であり、キリスト教の教えを受け継いでいると考えられているのだ。以上、シバの女王のじゅぎょーだったのだ」
7/100ページ
スキ