ー奇談ー學校へ行こう7
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「今日何度言ったか分からないけど、寒い」
亘理『確かに本当に寒いよね』
千世子「あったかいものが欲しくなるのだ」
冥「なら、ホットミルクでもいかがですかナ」
千世子「欲しいのだ!」
悠「おれもくれ」
神姫「悠がホットミルク」
悠「似合わないのは分かってるよ」
【マリンカ】
英字表記:Marinka
出身地:ポーランド
出典:ロシアの英雄物語「ブィリーナ」
千世子「ズズっ……はぁ、甘いのだぁ~。はい、じゅぎょーしますのだ。ロシアの英雄物語集「ブィリーナ」に登場する魔女マリンカは、復讐のために恋の魔術を使った魔女なのだ。彼女はキリスト教徒は違う異教を信仰し、ドラゴンの恋人を持っているのだ。作品中では、自分や他人を動物に変身させる魔法や、相手の心に強烈な恋心を燃え上がらせる魔法を使用しているのだ。」
摩耶「僕は似合うと思うよ」
悠「ホットミルクみたいなのをかけるのは得意だしな」
神姫「頭からかぶる?」
悠「牛乳は匂うんで勘弁してください」
摩耶「問題はそこ?」
亘理『ホットミルクをかける……』
雨「真顔になってるんじゃないわよ」
千世子「「ブィリーナ」に掲載された物語によれば、マリンカは「ブィリーナ」に登場する代表的英雄のひとりドブルイニャが、間違えて彼女の部屋に矢を打ちこんだことに腹を立てて、ドブルイニャに魔法で復讐することにしたのだ。」
悠「しかし、なんか懐かしいなホットミルクって」
亘理『昔よく呑んでたの?』
悠「ガキの頃な、おれは夜寝ないガキだった」
摩耶「今もだね。」
悠「それでおふくろがよく作ってくれたんだよ」
千世子「彼女は芝生のぬかるみについたドブルイニャの足跡を芝生ごと斬り出し、それを薪と一緒にストーブにくべて呪文を唱えたのだ。すると魔法は成功し、ドブルイニャは魔女マリンカへの狂おしいまでの恋心に襲われ、食事もとれなくなってしまったのだ。ドブルイニャはマリンカの屋敷に押し入って恋人のドラゴンを追い払うが、マリンカの魔法により黄金の角を持つ牛に変えられてしまったのだ。」
雨「けど、本当に眠くなるの?」
悠「身体が適度にあったまって腹もくれるからな。ガキには良く効くだろ」
摩耶「今では珈琲がぶ飲みだもんね」
悠「カフェインうめぇ、アルコールサイコー」
神姫「そうして身体が壊れていくのね」
千世子「その半年後、酔った勢いでドブルイニャへの仕打ちを自慢したマリンカは、善良な魔女や宮廷の有力者に脅され、「私と結婚するなら人間に戻してあげる」という条件でドブルイニャを人間に戻して保身をはかるが、それは甘い認識だったのだ。」
悠「怖いこというなよ」
摩耶「笑い話だね」
悠「いや、笑えないよ」
亘理『悠ちゃんて病気らしい病気してるの?』
悠「いやしてないな」
千世子「ドブルイニャは結婚すると、夫としての正当な権利を駆使したのだ。すなわちマリンカに対して「ドラゴンを愛した手を斬り落とし、ドラゴンに絡みついた足を斬り落とし、呪文を唱える口と鼻を斬り落とした」のであったのだ。」
摩耶「無駄に健康で羨ましい」
悠「地味に棘があった」
摩耶「毒はないから」
神姫「蜘蛛は毒もってるのいるわよね」
雨「ときどき私を標的にする理由は何?」
千世子「「ブィリーナ」の物語の舞台は、東欧とロシアの中間にあるキエフ公国(現在のウクライナ)であり、物語の内容や登場人物には、実在のモデルがあるのではないかと推測されているのだ。その人物とは、1605年に隣国ポーランドの軍を手引きしてキエフを奪い取った修道士オトレピエフの妻、マリナ・ムニシェクなのだ。ふたりはどちらも魔術を使ったとはして非難を浴びた経験があるほか、キリスト教の一派「正教」を信仰するキエフの人々にとって、ローマを総本山とするカトリック教会の信者であるポーランド人のマリナは、マリンカと同じ異教徒にほかならないのだ。以上、マリンカのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「今日何度言ったか分からないけど、寒い」
亘理『確かに本当に寒いよね』
千世子「あったかいものが欲しくなるのだ」
冥「なら、ホットミルクでもいかがですかナ」
千世子「欲しいのだ!」
悠「おれもくれ」
神姫「悠がホットミルク」
悠「似合わないのは分かってるよ」
【マリンカ】
英字表記:Marinka
出身地:ポーランド
出典:ロシアの英雄物語「ブィリーナ」
千世子「ズズっ……はぁ、甘いのだぁ~。はい、じゅぎょーしますのだ。ロシアの英雄物語集「ブィリーナ」に登場する魔女マリンカは、復讐のために恋の魔術を使った魔女なのだ。彼女はキリスト教徒は違う異教を信仰し、ドラゴンの恋人を持っているのだ。作品中では、自分や他人を動物に変身させる魔法や、相手の心に強烈な恋心を燃え上がらせる魔法を使用しているのだ。」
摩耶「僕は似合うと思うよ」
悠「ホットミルクみたいなのをかけるのは得意だしな」
神姫「頭からかぶる?」
悠「牛乳は匂うんで勘弁してください」
摩耶「問題はそこ?」
亘理『ホットミルクをかける……』
雨「真顔になってるんじゃないわよ」
千世子「「ブィリーナ」に掲載された物語によれば、マリンカは「ブィリーナ」に登場する代表的英雄のひとりドブルイニャが、間違えて彼女の部屋に矢を打ちこんだことに腹を立てて、ドブルイニャに魔法で復讐することにしたのだ。」
悠「しかし、なんか懐かしいなホットミルクって」
亘理『昔よく呑んでたの?』
悠「ガキの頃な、おれは夜寝ないガキだった」
摩耶「今もだね。」
悠「それでおふくろがよく作ってくれたんだよ」
千世子「彼女は芝生のぬかるみについたドブルイニャの足跡を芝生ごと斬り出し、それを薪と一緒にストーブにくべて呪文を唱えたのだ。すると魔法は成功し、ドブルイニャは魔女マリンカへの狂おしいまでの恋心に襲われ、食事もとれなくなってしまったのだ。ドブルイニャはマリンカの屋敷に押し入って恋人のドラゴンを追い払うが、マリンカの魔法により黄金の角を持つ牛に変えられてしまったのだ。」
雨「けど、本当に眠くなるの?」
悠「身体が適度にあったまって腹もくれるからな。ガキには良く効くだろ」
摩耶「今では珈琲がぶ飲みだもんね」
悠「カフェインうめぇ、アルコールサイコー」
神姫「そうして身体が壊れていくのね」
千世子「その半年後、酔った勢いでドブルイニャへの仕打ちを自慢したマリンカは、善良な魔女や宮廷の有力者に脅され、「私と結婚するなら人間に戻してあげる」という条件でドブルイニャを人間に戻して保身をはかるが、それは甘い認識だったのだ。」
悠「怖いこというなよ」
摩耶「笑い話だね」
悠「いや、笑えないよ」
亘理『悠ちゃんて病気らしい病気してるの?』
悠「いやしてないな」
千世子「ドブルイニャは結婚すると、夫としての正当な権利を駆使したのだ。すなわちマリンカに対して「ドラゴンを愛した手を斬り落とし、ドラゴンに絡みついた足を斬り落とし、呪文を唱える口と鼻を斬り落とした」のであったのだ。」
摩耶「無駄に健康で羨ましい」
悠「地味に棘があった」
摩耶「毒はないから」
神姫「蜘蛛は毒もってるのいるわよね」
雨「ときどき私を標的にする理由は何?」
千世子「「ブィリーナ」の物語の舞台は、東欧とロシアの中間にあるキエフ公国(現在のウクライナ)であり、物語の内容や登場人物には、実在のモデルがあるのではないかと推測されているのだ。その人物とは、1605年に隣国ポーランドの軍を手引きしてキエフを奪い取った修道士オトレピエフの妻、マリナ・ムニシェクなのだ。ふたりはどちらも魔術を使ったとはして非難を浴びた経験があるほか、キリスト教の一派「正教」を信仰するキエフの人々にとって、ローマを総本山とするカトリック教会の信者であるポーランド人のマリナは、マリンカと同じ異教徒にほかならないのだ。以上、マリンカのじゅぎょーだったのだ。」