ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「にくまんの美味しい季節となりました。」

摩耶「だけど、なんであんまんしかないの?」

悠「あんまんが大量にあったから、かな」

亘理『あんまんも美味しいけどね、ほかほかしてて』

千世子「あちっ」

神姫「気をつけなさい。火傷するわよ」

悠「神姫が優しい」

神姫「私は常に優しいわよ」

べし!べちゃ!
悠「ぎゃあああっ!あんが熱い!」

摩耶「身体あったまるね」

悠「火傷だよ!!」

千世子「ふぅー……あったまったところでじゅぎょーしますなのだ。魔女にして食人鬼であるバーバ・ヤーガは、当然人間の敵であり、主人公を殺そうとする悪役として登場することが多いのだ。彼女はその身体能力で主人公をピンチに陥れるが、主人公の機転で、退散したり滅ぼされることがほとんどなのだ。」

悠「うぉぉ、あんここえぇ」

雨「食べ物で遊ぶなよお前ら」

神姫「遊んでるのは悠よ」

悠「ひとの手を押してきたのは神姫さんですけどね!!」

神姫「ぶつけられなかっただけありがたいと思いなさい」

摩耶「パイ投げならぬ、あんまんぶつけ」

千世子「「バーバ・ヤーガとザモールィシ」という物語に登場するバーバ・ヤーガは、ロシア民話の典型的なバーバヤーガ像を踏襲しているのだ。物語によれば、嫁を見つけるために40人の兄と一緒に旅に出た主人公ザモールィシの前にバーバヤーガが現れ、自分の宮殿に無断で入ってきた彼らに怒りをあらわしているのだ。バーバヤーガはいったん彼らをもてなし、41人の娘を花嫁として差し出すが、これは寝静まったところで全員の首を刎ねるという策略だったのだ。」

亘理『トマト投げるお祭りもあるもんね』

悠「だからって熱々のあんまんぶつけられたらダメージが半端ないぞ」

神姫「熱々に焼けた石のがいい?」

悠「それただの兵器だから」

摩耶「投げるだけでも効果抜群だよね」

雨「そもそもなんで投げようとするのよ」

悠「神姫に聞いてくれ」

神姫「刃物よりは良いでしょ」

悠「あらやだ怖い」

千世子「ところが、この策略を察していたザモールィシたちは、花嫁と衣装を交換して眠っていたため、バーバヤーガは主人公たちではなく、41人の娘の首を斬りおとしてしまうのだ。怒り狂ったバーバヤーガは、逃げ出したザモールィシたちを追跡するが、主人公たちがバーバヤーガの屋敷からら盗みだしてきた「海原に橋をかけるハンカチ」で逃げ切られるのだったのだ。」

亘理『ぶつけられると嫌なものって何かな』

悠「フン」

摩耶「ババコンガ?」

悠「たまに回避しそびれて直撃したときの殺意がもう……こやし玉投げ返してやる。」

神姫「エリア移動するだけで手間増えるじゃない」

悠「そういえばこの節はイビルジョーに半端なく齧られたな」

摩耶「余裕ブッこいでしゃがんでるからだよ」

悠「ギガロアの時は意地でも座る。」

千世子「この物語のバーバヤーガは地の果ての国にある白亜の宮殿に住んでおり、多くの召使を従えても居たことから、かなりの権力者だったと考えられるのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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