ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ハロウィンなんで子供にはお菓子をあげよう。自分が子供だと思うやつらは来い」

摩耶「どういう呼び出しなんだろうね」

悠「ということでまずはぴよこ」

千世子「千世子は子供じゃないのだ!」

悠「じゃあ、要らないんだな」

千世子「……貰うのだ」

悠「聞こえんなぁ!!」

千世子「お菓子欲しいです!くださいなのだ!」

悠「素直な娘は好きだぞ」

神姫「ただの餌付けよね」

摩耶「光源氏計画かも」

悠「まぁ、あとはめんどくさいから皆に配っていくが」

千世子「千世子だけ辱められたのだ!?」

摩耶「どんまいだね」

千世子「もういいのだ。じゅぎょーするのだ。北欧に伝わる魔術のなかで、セイズ魔術に並んでよく知られているのが、ガルドル、ガンド、ルーン、の三種類なのだ。」

亘理『悠ちゃん、意地悪良くないよ』

悠「ちょっとしたおちゃめご心だ。」

なのは「私たちももらっていいんですか?」

悠「もちろん。今度遊びにも行こうか」

フェイト「あっね楽しそうですね」

摩耶「上手いこと事を進めるってああいうことを言うんだよ」

亘理『私とは遊んでくれないのに……』

千世子「ガルドルとは、呪文を歌にのせて唱えることで効果を発揮する術で、前置きの歌詞のあとに術者が命じると、命じた効果が発揮されるのだ。ドイツ中部、メルゼブルグの教会から発見された、腕や足の脱臼を治す呪文と縄抜けの呪文が有名なのだ。」

悠「お前ともいっぱい遊んでるだろ」

亘理『どーこーがぁー』

悠「なんて迫力……」

神姫「ゲームは随分と相手してもらってるじゃない」

亘理『そ、それは……』

悠「神姫ナイスフォロー」

神姫「これ以上はしないわよ。お菓子の分だけよ」

悠「そして手厳しい」

千世子「ルーン魔術は、魔法の力がある文字「ルーン」を物体に刻み込むことで効果を発揮する魔術で、神話によれば北欧の最高神オーディンが開発したものなのだ。ガント魔術は、霊魂を幽体離脱させて自由に動かしたり、狼を操ることができるのだ。また、指先から魔力を打ちだして、指差した相手を病気にする「ガント撃ち」という能力があり、この効果は「ラップ人の一撃」などの別名で恐れられたのだ。」

雨「しかし、顔に似合わず菓子なんてよく作るわね」

悠「ストレス解消になるぞ」

摩耶「ということはこのお菓子には悠君のストレスが込められてると……」

悠「お菓子には愛しかこもってないはずだ」

神姫「一気に食べたくなくなったわね」

悠「おれの愛は病原菌じゃねーぞ!」

亘理『サクサクサクサク』

摩耶「そして亘理ちゃんはガッツリ食べ始めたけどね」

悠「そりゃ美味いからだろ」

亘理『美味しいけど……美味しいけど!』

悠「なんで怒ってるんだ?」

神姫「さぁね。自分で考えなさいよ」

千世子「北欧神話を生みだした北欧の社会は、男性の価値の判断基準が「戦いで活躍すること」であり、力強く勇敢なことが求められるのだ。その半面、北欧では、男性が魔術に手を染めることを「恥ずかしいこと」だと考えるのだ。そのため魔術は女が扱う者だという固定観念があり、魔術師の男性は「男女」だとか「色情狂」という、当時の北欧においては最大の屈辱をうけることになったのだ。以上、グルヴェイグのじゅぎょーだったのだ。」
91/100ページ
スキ