ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ヤバい……」

亘理『今度は何にやられたの?』

悠「寒さ」

亘理『は?』

悠「寒い…これはヤバい。」

摩耶「ついに悠君の寒さ耐性のペラッペラの壁が割れたんだ」

悠「長袖着てきたらよかった」

神姫「あの冷たい風の中を半袖で過ごしてる時点でズレてるのよ」

悠「高町なのはさん、高町なのはさん。至急ここに来てください」

なのは「は、はい?」

悠「抱っこさせて」

亘理『ガブリッ!』

悠「ほ、本噛みだと……!?」

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。」

亘理「ガジガジっ!」

悠「あ、めっちゃ痛い……」

千世子「ギリシャ神話やローマ神話においては、ニュンペーは善でも悪でもない精霊の種族だったのだが、ヨーロッパをキリスト教が席巻するようになると、ニュンペー達は人間を殺したり食べてしまう危険な悪魔とされるようになったのだ。」

なのは「あ、あの……悠さんは何がしたかったんですか?」

摩耶「なのはちゃんをだっこしてぺろぺろと……」

亘理『がりりっ』

悠「ちょっとまって骨に到達するから!頭食いちぎろうとしないで!マジで怖い!!」

摩耶「っというのは冗談で、子供って体温高いから暖を取りたかったのが事実かな」

神姫「中々の馬鹿ね」

千世子「ニュンペーはさまざまな自然と対応した存在であり、住む場所によって何種類かに分かれているのだ。ニュンペーが住む場所に応じた呼び名は以下の通りなのだ。」

川・ポタミッズ:比較的大きな川に住むミュンペー

流水、小川・ナーイアス:泉や噴水のニュンペーもナーイアスと呼ばれる。

湖、草原、山・オレイアス:月の女神アルテミスの従者

森・ドリュアス、メリアデス:ドリュアスは樫の木、メリアデスはトネリコの木のニュンペー

海・ネーレーイオス、オケアニデス:前者は海神ネーレーイスの、後者は海神オケアノスの娘。

谷・ネパイアー:山などの谷底に住むニュンペー

亘理『あったまった?』

悠「頭だけ嫌な暖まり方してる。むしろこの熱は痛みの熱……」

雨「アホね」

悠「同じくらい寒耐性低いくせに…」

雨「だからって抱きついて暖をとる真似なんかしない」

千世子「神話のニュンペーには個人名をもって登場する者も多いのだ。アイグレー、エリュティア、ヘスペリアー、英雄ヘラクレスが黄金のリンゴを探す使命を与えられる物語で、100の頭を持つ蛇「ラドン」とともに黄金のリンゴを世話している3人のニュンペー。「黄金の娘たち」と呼ばれるのだ。」

悠「わかった。じゃあ、フェイトちゃんでお願いします」

フェイト「私ですか?!」

神姫「もう動脈狙って噛みつきなさい。出血してる間はあったかいだろうし」

亘理『あー……』

悠「悪かったですごめんなさい勘弁してください。」

千世子「タプネー、太陽神アポロンに求婚された川のニュンペーなのだ。愛の神エロス「誰も愛せなくなる鉛の矢」を打ちこまれいたためアポロンを拒絶し、あきらめきれないアポロンからの逃避行の末、人の姿を捨てて月桂樹に変わってしまったのだ。」

摩耶「ちなみに僕は体温が低いから外された系」

悠「ブラックモードのときは熱いけどな普通に触れられた部分に焼鏝当てられたような熱痛みが走る」

神姫「全身打たれたらあったくなるわね」

悠「違う熱持ってるだけそれ」

千世子「エコー、歌と踊りが得意な森のニュンペー。山羊の下半身を持つ牧神パンの求婚を断ったことで逆恨みされ、パンがけしかけた羊飼いたちに八つ裂きにされたのだ。だが、同時に彼女の歌もバラバラに散らばり、パンが笛を吹くたび歌が山彦となって響き、パンをいらだたせたというのだ。以上、ニュンペーのじゅぎょーだったのだ。」
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