ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「雨かぁ、いいな雨は」

雨「……」

悠「あぁ、降ってくる雨のことな」

雨「分かってるわよ!」

悠「お前のことも嫌いじゃないぞ」

雨「うっさい」

亘理『カプッ』

悠「なんで噛まれてる?」

摩耶「捕食」

悠「ひぇぇぇ……」

千世子「亘理ちゃんの定位置があんちんの頭になりつつあるのだ」

神姫「机おく?」

悠「中国雑技団か!!」

【ニュンペー】
英字表記:Nymphe
出身地:ギリシャ等
別名:ニンフ

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。ニュンペーとはギリシャ神話や伝承に登場する人間女性方の存在で、下級神、妖精、あるいは精霊とされることが多いのだ。日本ではニンフという英語読みの名前のほうが有名だなのだ。彼女たちは人間ではないが、魔力によって人間を惑わす女性であり、広い意味での魔女と言えるのだ。」

悠「そもそもどう設置するんだよ」

神姫「机というか板でいいのよ。悠の頭の上に置く。亘理が天井からぶら下がって使う」

なのは「トリックアートみたいですね!」

摩耶「なのはちゃんはときどきブッ込むね」

悠「抱きしめたい」

亘理『私が絞めてあげる』
ぎりぎり……

悠「く、首を絞めるな…!」

千世子「彼女たちは、後世「魔女の女神」と呼ばれるようになった女神ディアナ(ローマ神話の月の女神。ギリシャ神話だとアルテミス)の部下だとされる場合があり、この点もミュンペーたちの魔女的な部分なのだ。」

神姫「もっと密着して斜め上にあげないと頸動脈潰せないわよ」

悠「それは完全にブラックアウトするか死ぬパターンだから!!」

神姫「……」

悠「黙らないで!?」

フェイト「止めなくていいんですか?」

摩耶「あれはショートコントと思って見てたらいいんだよ」

千世子「ミュンペーは森、泉、海、山などの自然と直結する存在で、山のニュンペー、海のニュンペーなど多彩な種類が居るのだ。総じて若く美系であり、あまりの美しさに男神や人間の男性が魅了されることが少なくないのだ。特に水のミュンペーは危険な存在であり、多くの男性が水の中に誘い込まれて帰らぬ人となっているのだ。」

悠「コントで絞殺されてたまるか」

神姫「水の中じゃなく天井の中に誘い込まれちゃえば?」

悠「できるのか?」

亘理『私はすり抜けるけど、悠ちゃんはぶつかるね』

なのは「でも、きっとそのまま貫けますよ!」

悠「なのはってわりとゴリ押すこというよな」

千世子「ちなみにミュンペーという名前には「若い女」のほかに「花嫁」「乳母」などの意味があり、男性神の妻となって神を生み落としたり、幼い神の乳母の役目を果たすこともあるのだ。ニュンペーは、若く美しい悪女、理想の恋人、優しい母親という三つの側面を内包した存在なのだ。」

悠「おれの周りにはニュンペーだらけだな」

摩耶「どのタイプの?」

悠「若く美しい悪女」

神姫「醜い女が悪かったら気分悪いでしょ?」

悠「容赦ない一言だがその通りだな、峰不二子だから騙されてもいいドロンジョ様だから悪女で良い部分が多々ある」

揺光【呼んだかえ?】

悠「いや、本物の伝説の悪女様は結構です」

千世子「ニュンペーたちの多くは、自分と関連付けられた自然にまつわる特別な力を備えているのだ。例えば泉を守護するニュンペーは、水を呑んだものの病を癒したり、予知の力を与えることが出来るし、森のニュンペーは草木を操ったり旅人を森の中で迷わせることができるというのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」