ー奇談ー學校へ行こう6
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
亘理『悠ちゃんと神姫さんに質問いい?』
悠「あー?」
神姫「なに?」
亘理『二人って噛み洗っあと大変そうだけどどうしてるの?』
神姫「すぐに乾かすわ。ドライヤートリプルで」
亘理『トリプル?!』
千世子「なんか凄いのだ」
神姫「普通に同居人にふたつ持たせて私がひとつ持ってるだけよ」
悠「あー、そっか、おれはまた指に三つ挟んでブローしてんのかと想像した」
神姫「ブロウをあげるわ」
ゴッ!
悠「ぷぎゅっ!?」
摩耶「鼻を捕えたね」
【袁術】
本名:袁・術・公路
生没年:?~199
千世子「え、えーとじゅぎょーしますなのだ。三国時代の有力者たちは、度重なる内部抗争により腐敗してしまっていた当時の王朝「漢王朝」を復活させることを大義名分としていたのだ。しかし袁術は彼らと違い、自ら国のトップである皇帝になろうとした野心家なのだ。」
悠「ぐぁっ……はぁ……ティッシュください……」
摩耶「はい。」
悠「あんがと……。」
ぶぴっーぶぴっー!
亘理『鼻血が出たら普通は栓するんじゃない?』
悠「出しきった方が止まるの早い」
千世子「袁術は袁紹と同じく名門「袁氏」の生まれなのだ。袁術と袁紹は従兄弟、もしくは異母兄弟と言われているが、二人の仲は悪かったのだ。二人は自分こそが名門袁氏のリーダーだと主張し、互いに争ったのだ。」
神姫「従兄弟同士で争うなんて不毛よね」
悠「あれ、殴られたうえそこでも責められる?」
神姫「兄姉で争ってる私がいえることでもないんだけどね」
悠「自分の事はちゃんというんだな」
神姫「ふふっ、不毛な部分が似てるなんて滑稽よね」
悠「ははっ、はー、そだな……。」
千世子「若い頃は遊んでばかりだった袁術だが、役人になると袁家の名を生かしてエリートコースを突き進むのだ。都で董卓が暴政を振るうと、袁術は都を脱出してその南西にある「南陽」を統治するのだ。南陽は大河「長江」に面する豊かな土地で、袁術は多くの軍勢を手に入れ、董卓死後の覇権争いで優位に立ったのだ。」
悠「ちなみにおれの場合はバスタオルである程度乾くまです巻きにしてる」
亘理『……へ?』
悠「頭洗った後の話しだよ」
亘理『……あぁ!殴られてからのことが衝撃的過ぎて忘れてたよ』
悠「おのりゃぁ……」
タリッ……
摩耶「まだ出てるよ」
悠「うぉっとと……」
ジュルル…
雨「鼻血を啜るな気持ち悪いっ!」
千世子「『正史』によれば、袁術は統治者にふさわしくない人物だったようなのだ。際限なく税をとり立て、自分ばかり贅沢をして民衆を苦しめたのだ。また戦争も下手で、袁術軍が重要な戦いに勝ったことはほとんどないのだ。数少ない美点をあげるなら、男気のある人物とは書かれているのだ。だが男気の具体例についての記述は見当たらないのだ。」
神姫「手応えが良かっただけあってなかなか血も止まらないわね」
悠「これ、鼻の血管が裂けてんのかも知れん」
神姫「まぁ♪」
悠「ちょっと今、喜ばなかったか?」
神姫「まさか」
摩耶「悠君、被害妄想はダメだよ」
悠「被害妄想……か?」
千世子「『演義』の袁術は、自己中心的で器の小さい人物であるのだ。都を牛耳る董卓を倒すために諸侯が連合を造った時、袁術は身分が低い関羽を馬鹿にしたのだ。また猛将孫堅が大活躍すると、食糧管理役の袁術は孫堅に手柄をたてさせないために、孫堅の軍隊に食料を送らず、味方の孫堅軍を崩壊させたのだ。以上、袁術のじゅぎょーだったのだ」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
亘理『悠ちゃんと神姫さんに質問いい?』
悠「あー?」
神姫「なに?」
亘理『二人って噛み洗っあと大変そうだけどどうしてるの?』
神姫「すぐに乾かすわ。ドライヤートリプルで」
亘理『トリプル?!』
千世子「なんか凄いのだ」
神姫「普通に同居人にふたつ持たせて私がひとつ持ってるだけよ」
悠「あー、そっか、おれはまた指に三つ挟んでブローしてんのかと想像した」
神姫「ブロウをあげるわ」
ゴッ!
悠「ぷぎゅっ!?」
摩耶「鼻を捕えたね」
【袁術】
本名:袁・術・公路
生没年:?~199
千世子「え、えーとじゅぎょーしますなのだ。三国時代の有力者たちは、度重なる内部抗争により腐敗してしまっていた当時の王朝「漢王朝」を復活させることを大義名分としていたのだ。しかし袁術は彼らと違い、自ら国のトップである皇帝になろうとした野心家なのだ。」
悠「ぐぁっ……はぁ……ティッシュください……」
摩耶「はい。」
悠「あんがと……。」
ぶぴっーぶぴっー!
亘理『鼻血が出たら普通は栓するんじゃない?』
悠「出しきった方が止まるの早い」
千世子「袁術は袁紹と同じく名門「袁氏」の生まれなのだ。袁術と袁紹は従兄弟、もしくは異母兄弟と言われているが、二人の仲は悪かったのだ。二人は自分こそが名門袁氏のリーダーだと主張し、互いに争ったのだ。」
神姫「従兄弟同士で争うなんて不毛よね」
悠「あれ、殴られたうえそこでも責められる?」
神姫「兄姉で争ってる私がいえることでもないんだけどね」
悠「自分の事はちゃんというんだな」
神姫「ふふっ、不毛な部分が似てるなんて滑稽よね」
悠「ははっ、はー、そだな……。」
千世子「若い頃は遊んでばかりだった袁術だが、役人になると袁家の名を生かしてエリートコースを突き進むのだ。都で董卓が暴政を振るうと、袁術は都を脱出してその南西にある「南陽」を統治するのだ。南陽は大河「長江」に面する豊かな土地で、袁術は多くの軍勢を手に入れ、董卓死後の覇権争いで優位に立ったのだ。」
悠「ちなみにおれの場合はバスタオルである程度乾くまです巻きにしてる」
亘理『……へ?』
悠「頭洗った後の話しだよ」
亘理『……あぁ!殴られてからのことが衝撃的過ぎて忘れてたよ』
悠「おのりゃぁ……」
タリッ……
摩耶「まだ出てるよ」
悠「うぉっとと……」
ジュルル…
雨「鼻血を啜るな気持ち悪いっ!」
千世子「『正史』によれば、袁術は統治者にふさわしくない人物だったようなのだ。際限なく税をとり立て、自分ばかり贅沢をして民衆を苦しめたのだ。また戦争も下手で、袁術軍が重要な戦いに勝ったことはほとんどないのだ。数少ない美点をあげるなら、男気のある人物とは書かれているのだ。だが男気の具体例についての記述は見当たらないのだ。」
神姫「手応えが良かっただけあってなかなか血も止まらないわね」
悠「これ、鼻の血管が裂けてんのかも知れん」
神姫「まぁ♪」
悠「ちょっと今、喜ばなかったか?」
神姫「まさか」
摩耶「悠君、被害妄想はダメだよ」
悠「被害妄想……か?」
千世子「『演義』の袁術は、自己中心的で器の小さい人物であるのだ。都を牛耳る董卓を倒すために諸侯が連合を造った時、袁術は身分が低い関羽を馬鹿にしたのだ。また猛将孫堅が大活躍すると、食糧管理役の袁術は孫堅に手柄をたてさせないために、孫堅の軍隊に食料を送らず、味方の孫堅軍を崩壊させたのだ。以上、袁術のじゅぎょーだったのだ」