ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「死ぬ気でラージャン二頭倒したらシェンガオレンの素材が交換できるようになった」

摩耶「あの土偶装備?」

悠「大魔神装備だろ」

千世子「ようはがっちりしてるってことなのだ?」

悠「なかなかいい例えだ。だが、むっちりの方がエロいな」

神姫「性欲しかないの?」

悠「そんなこと……ないっての!」

摩耶「微妙に間があったね」

【袁紹】
本名:袁・紹・本初
生没年:?~202

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。董卓の死後、中国は絶対的な強者がいない群雄割拠の時代にはいったのだ。この時代、中国統一にもっとも近いと思われていたのは、曹操でも孫権でも劉備でもない、中国北東部「河北」で四州を支配していた漢王朝の名門、袁紹なのだ。」

悠「袁紹=ダメ成金の印象が強すぎる」

摩耶「名門、貴族、縦ロール?」

悠「ああ、しっかりと麗羽さんですね」

摩耶「でも、多分悠君には天敵だよ」

悠「なんで?」

摩耶「悠君、超絶激運とは相性悪いでしょ」

悠「……あー、どうだろ」

千世子「袁紹の生まれた家は、4代にわたって「三公」という最高位の官職を輩出した、名門中の名門の生まれなのだ。『正史』によると、袁紹の風貌は威厳に満ち、袁家の名に恥じないものだったようなのだ。10代の頃から皇帝の要る宮殿に勤め、20才の頃に地方の知事になるなど、出世のスピードも一流だったのだ。」

亘理『悠ちゃんにそんな弱点が?』

悠「弱点て……」

摩耶「悠君は王道からの裏奇襲の手段を得意としてるからね。純粋な運の良し悪しはイマイチなんだよ」

悠「いや、運の善し悪しだったら誰でも無理じゃね?」

神姫「何か起こる前にねじ伏せる」

悠「はい、ですね……。」

千世子「その後は漢王朝を我がものにする「宦官」を斬り、都を占拠する悪党「董卓」に対抗する諸侯連合の盟主とつとめるなど、歴史の表舞台で活躍を続けたのだ。」

悠「神姫は一切合切断罪だよな」

神姫「正しいと思うことをしてるだけよ」

悠「おぉぅ……」

神姫「……なに?」

悠「なんでもないっすよ?!」

千世子「袁紹は、教養や地位があるなら身分の低い相手にも敬意をもって接したので、多くの人に慕われたのだ。袁紹の人格は褒められる点が多いが、やや自己中心的なところが問題だったのだ。参謀の意見を聞かず、自分の思い込みや個人的な都合を優先したため、勢力拡大のチャンスをみすみす逃すことも多かったというのだ。」

神姫「自己中心的はダメよね」

悠「私を凝視されている理由がちょっと……わからない」

亘理『すこしは分かった方がいいよ?』

悠「はい?」

千世子「袁紹の支配地域は、中国を東西に横切る大河のひとつ「黄河」の北東一帯である「河北」で、南には天下を争うライバル曹操がいたのだ。袁紹と曹操は不良仲間だったという逸話もあるほどで、何かと比較されることが多いのだ。」

摩耶「まぁ、自己中というか自由奔放だしね」

悠「自由愛」

神姫「自由の意味をはき違えてる奴は死ねばいい」

悠「まさかの死ね発言?!」

千世子「まず家柄は圧倒的に袁紹の方が上なのだ。袁紹は名門に生まれ、かたや曹操は、「宦官」という忌み嫌われていた役人の孫なのだ。家柄の違いは軍勢にもあらわれ、名声と資金で集めた袁紹の軍は曹操の何倍もの規模だったのだ。また、支配する土地の豊かさも袁紹の方が圧倒的に上で、多くの食料を蓄え、長期間闘い続けることが可能だったのだ。」

摩耶「よくある、よくある」

悠「っか、おれは履き違えてないからセーフだしな」

神姫「ちっ」

亘理『悠ちゃん、謝った方がいいよ』

悠「誠に申し訳ないです」

千世子「しかし統率力や戦略、人望など、指導者としての能力は明らかに曹操のほうが上だったのだ。この違いは袁紹と曹操の決戦「官渡の戦い」に大きな影響を与えるのだ。袁紹は兵力的に圧倒的に有利だったが、部下の内部抗争に振り回されて優秀な軍師を投獄してしまうのだ。しかも見栄を張って短期決戦に打って出たために、自分の方が食料を多く持っているという優位性を捨てることになってしまったのだ。結局袁紹は曹操の策にはまって大敗。ショックのあまり病死してしまったのだ。」
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