ー奇談ー學校へ行こう
ー教室(1/10/夜)ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。
千世子「悠のあんちんは恋人とかいるのか?」
悠「突然なんだ」
千世子「学校で友達がいってたのだ。私のお兄ちゃんには美人の恋人がいるって」
悠「ふぅん。俺の恋人は右手…」
神姫の鋭い視線が悠を射抜いた。
悠は恐怖状態になった。
千世子「みぎ?」
摩耶「ちょこせんせ、授業しない?」
千世子「おー、そうだな。じゃあ、昨日の続きからなのだ。」
花描「リントヴルムの授業だったよな」
千世子「そうなのだ。さて、以前にじゅぎょーしたイギリスのファイアードレイクと同じように、リントヴルムもしばしば自然現象の「犯人」に仕立てあげられることがあったのだ。」
摩耶「例えば?」
千世子「流星や稲妻などは、リントヴルムが発する光だと解釈されていたのだ。また、リントヴルムはヨーロッパ各地で紋章のモチーフとして人気があったのだ。ドイツの南東にあるオーストラリア国のクラーゲンフルト市の紋章は、ワイヴァーンをモチーフにした紋章としては特に有名なのだ。」
悠「紋章としてのリントヴルムには「雄々しさ」や「猛々しさ」って意味があるぞ」
千世子「ドイツから海を挟んですぐ北にある北欧の国「スウェーデン」には、リントヴルムの伝承のなかでもっとも有名な物語が残されているのだ。その有名さは「リントヴルム」といえばこの話の主人公であるドラゴンを指すこともあるほどなのだ。」
花描「どういう話なんだ?」
千世子「この物語の主人公は、国王の息子として命を授かりながら、みにくいドラゴンの姿で生まれてしまった異形の王子なのだ。物語の発端となるのは王子の母親、つまり王妃になかなか子供が生まれないことだったのだ。」
摩耶「ふむふむ…」
悠「異種姦…」
神姫「あのさ、そろそろ本気で一回怒ろうか?」
悠「すいません」
千世子「あるとき王妃は、小人のように小さな女性から、子供をさずかる方法を教わったのだ。その方法とは庭の隅に咲いているバラの花を食べるという、ごく簡単な方法だったのだ。男の子が欲しいなら赤いバラ、女の子が欲しいなら白いバラを、どちらか片方だけ食べればいいというのだ」
摩耶「悠くんは、どっちが欲しい?」
悠「俺はどっちでもいいな。できるまで頑張っちゃうから」
神姫「悠、あとで少し付き合ってね」
悠「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
千世子「王妃は助言通りにバラの花を食べるのだが、花があまりに美味しかったので、いいつけを破って赤と白の両方のバラを食べてしまうのだ。すると王妃から生まれたのは、醜くて巨大な竜、リントヴルムだったのだ。はい、今日のじゅぎょーはここまでなのだ」
神姫「じゃ、悠ちょっと校舎裏まできて」
悠「マジ呼び出し…」
花描「頑張れ。」
摩耶「ドキドキイベントだね」
悠「ドキドキの意味が違う!」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。
千世子「悠のあんちんは恋人とかいるのか?」
悠「突然なんだ」
千世子「学校で友達がいってたのだ。私のお兄ちゃんには美人の恋人がいるって」
悠「ふぅん。俺の恋人は右手…」
神姫の鋭い視線が悠を射抜いた。
悠は恐怖状態になった。
千世子「みぎ?」
摩耶「ちょこせんせ、授業しない?」
千世子「おー、そうだな。じゃあ、昨日の続きからなのだ。」
花描「リントヴルムの授業だったよな」
千世子「そうなのだ。さて、以前にじゅぎょーしたイギリスのファイアードレイクと同じように、リントヴルムもしばしば自然現象の「犯人」に仕立てあげられることがあったのだ。」
摩耶「例えば?」
千世子「流星や稲妻などは、リントヴルムが発する光だと解釈されていたのだ。また、リントヴルムはヨーロッパ各地で紋章のモチーフとして人気があったのだ。ドイツの南東にあるオーストラリア国のクラーゲンフルト市の紋章は、ワイヴァーンをモチーフにした紋章としては特に有名なのだ。」
悠「紋章としてのリントヴルムには「雄々しさ」や「猛々しさ」って意味があるぞ」
千世子「ドイツから海を挟んですぐ北にある北欧の国「スウェーデン」には、リントヴルムの伝承のなかでもっとも有名な物語が残されているのだ。その有名さは「リントヴルム」といえばこの話の主人公であるドラゴンを指すこともあるほどなのだ。」
花描「どういう話なんだ?」
千世子「この物語の主人公は、国王の息子として命を授かりながら、みにくいドラゴンの姿で生まれてしまった異形の王子なのだ。物語の発端となるのは王子の母親、つまり王妃になかなか子供が生まれないことだったのだ。」
摩耶「ふむふむ…」
悠「異種姦…」
神姫「あのさ、そろそろ本気で一回怒ろうか?」
悠「すいません」
千世子「あるとき王妃は、小人のように小さな女性から、子供をさずかる方法を教わったのだ。その方法とは庭の隅に咲いているバラの花を食べるという、ごく簡単な方法だったのだ。男の子が欲しいなら赤いバラ、女の子が欲しいなら白いバラを、どちらか片方だけ食べればいいというのだ」
摩耶「悠くんは、どっちが欲しい?」
悠「俺はどっちでもいいな。できるまで頑張っちゃうから」
神姫「悠、あとで少し付き合ってね」
悠「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
千世子「王妃は助言通りにバラの花を食べるのだが、花があまりに美味しかったので、いいつけを破って赤と白の両方のバラを食べてしまうのだ。すると王妃から生まれたのは、醜くて巨大な竜、リントヴルムだったのだ。はい、今日のじゅぎょーはここまでなのだ」
神姫「じゃ、悠ちょっと校舎裏まできて」
悠「マジ呼び出し…」
花描「頑張れ。」
摩耶「ドキドキイベントだね」
悠「ドキドキの意味が違う!」