ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

摩耶「マレコガネってどこでとれる?」

悠「上位の天空山だな」

摩耶「採取ツアーないよね確か」

悠「おれはまだ出てないな。ガブラスの討伐か草集めのクエで、猫飯秘境探索発動で行くといい。運が良かったら太古のかまたりとか取れる」

千世子「かまたりさんなのだ?」

悠「そう、太古のかまたりさん」

摩耶「さびたかまたりさんも出る時あるね」

神姫「……ツッコミいれてやりなさいよ」

雨「何のボケか分かんないのよ」

【馬氏五常】
本名:馬・謖・幼常
生没年:182~222(馬良)/190~228(馬謖)

千世子「コホン、では、じゅぎょーするのだ。魏、呉、蜀の三国によって激しい争奪戦が繰り広げられた地域「荊州」は、人材の宝庫と呼ばれ、多くの知識人が集まった地域なのだ。この荊州に住む馬氏には、優秀な五兄弟がいたのだ。彼らは全員、字に「常」の文字があるため「馬氏五常」と呼ばれていたのだ。馬氏五常のなかでとくに有名なのが、四男の「馬良」と五男の「馬謖」なのだ。」

悠「塊りだろっていえば良かったのに」

雨「分かるか!」

摩耶「だよね」

亘理『っていうか、全然素材揃わない』

神姫「亘理もやりだしたの?」

千世子「馬良は眉毛に白髪が混じっているため「白眉」というあだ名があったのだ。五兄弟のなかで最も優秀なのは馬良だったため、人々は「馬氏の五常、白眉もっとも良し」と賞賛したのだ。このことから「白眉」という言葉は、集団の中で特に優れているものをあらわす故事として知られるようになったのだ。」

悠「おれが予備のを貸した」

亘理『貰った』

摩耶「弱冠ニュアンス違うね」

神姫「貰ったもん勝ちよね」

悠「あれ……あげたことになってしまった」

千世子「有名な赤壁の戦いのあと、劉備が荊州南部を支配すると、馬良は劉備の配下となったのだ。彼は同じく劉備に仕えていた「諸葛亮」と仲が良く、一説では義兄弟の契りを交わしていたとも言われているのだ。」

摩耶「まぁ、でもホントは最初からあげるつもりだったんでしよ?」

悠「そんなつもりは微塵もなかったが、おれの株が上がりそうだから、うんっていっとく」

雨「腐ってるわね」

悠「まだまだ新鮮ピッチピチじゃい!」

摩耶「ぴっちぴちやぞ」

悠「ぴっちぴちやぞ!」

神姫「むなしくない?」

悠「……」

千世子「馬良は呉の孫権への使いとなったり、異民族を服従させたりと活躍するのだ。しかし、劉備が呉を攻撃した「夷陵の戦い」で、馬良は戦死してしまったのだ。」

悠「……美人薄命というが賢人も薄明だよな」

摩耶「美人強靭って言葉がそろそろ出来てもいいと思うよね」

悠「神姫なんかぴったりだな」

神姫「グーでビンタしていい?」

悠「それは殴るって言うんですよ?」

亘理『あ、あたらしい……』

千世子「『演義』では、馬良は関羽の参謀として活躍し、関羽が魏と呉に包囲された時は劉備に援軍を求める使者となったため戦死をまぬがれるのだ。その後『正史』と違って夷陵の戦いを生き延び、諸葛亮の南蛮征伐を前に亡くなったのだ。」

摩耶「チョキで突く」

悠「目突き」

雨「平手で突く」

悠「手刀」

神姫「髪を引っ掴んで、足元に落とす」

悠「ただの拷問か単純に必殺だぞそれ」

亘理『シンプルイズベスト』

悠「愛してるってシンプルなひと言のが心にも来るしな」

神姫「キモ……」

悠「……」

千世子「馬氏五常の末っ子「馬謖」も、劉備に仕えた人物なのだ。その才能は兄の馬良にも負けておらず、とくに軍事戦略が得意だったのだ。諸葛亮は蜀の南方に住む異民族たちを討伐したとき、敵の首領を何度も捕まえては介抱して心を攻めるという戦法をとったのだこの戦い方を考えたのは諸葛亮ではなく馬謖なのだ。以上、馬氏五常のじゅぎょーだったのだ。」
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