ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

摩耶「日中はまだまだ暑かったね」

悠「秋らしくないよな」

神姫「店に並んでるものは秋らしさが増してきてるわよ。マツタケとか」

悠「おれのマツタケも秋らしいかな」

神姫「剥ぎ取りましょうか」

雨「目が笑ってないわよ……。」

悠「勘弁……してください。」

【徐庶】
本名:徐・庶・元直
生没年:?~?

千世子「はーい、じゅぎょーしまーすなのだ。中国には「儒教」という思想があり、子供は人生を賭けて親に尽くすことが美徳とされているのだ。儒教は三国時代当時、役人を集めるときの判断材料にも使われており、親不孝者はどんなに優秀でも高い地位につけなかったのだ。」

神姫「まぁ、そんな汚いの触りたくもないけど」

悠「綺麗だったら触ってくれると……?」

神姫「叩き潰す?要らないでしょ?」

悠「ぷるぷる…!」

亘理『悠ちゃん、そのうち本当に怒られるよ』

摩耶「怒らなくても本気でやるひとだけどね」

千世子「除庶は中国の親子関係を象徴したような物語から、多くの読者に愛された人物なのだ。除庶が劉備に仕えたのはせいぜい2~3年程度で、その後は死ぬまで魏に仕えているが、除庶の活躍や魏での働きなどを考え、蜀の武将としてじゅぎょーするのだ。」

摩耶「悠君、敬老の日はなにかした?」

悠「祖父母死んでるのに誰に何するんだよ」

神姫「墓参りとかあるでしょ」

悠「墓は危ない。親父とはち合わせる場合がある」

亘理『悠ちゃんは儒教ダメだね』

千世子「除庶はもともと「除福」という名前で、身分の低い家の生まれだったのだ。剣の使い手であり正義感にあふれた人物だったが、その正義感ゆえに友人の仇打ちを引き受けて、役人に掴まってしまうのだ。後日友人に助け出された除庶は、剣を捨てて「除庶」と名を改め、粗末な衣服と頭巾を身につけて、勉学に励むようになったのだ。」

悠「おれの儒教はおふくろに1000%注いでたつもりだよ」

神姫「コメンしにくい事いわないで」

悠「なんか……すまん」

摩耶「悠君、今こそ下ネタで挽回しよう!」

悠「よかったら、おれのキノコを味合わないか?」

神姫「火は通すわよ」

悠「玉がヒュンとした」

千世子「除庶は荊州をおとずれていた劉備に仕えることになるのだ。しかしその後、曹操が荊州に攻め込んだ時、除庶の母親が曹操軍に捕えられたのだ。母親想いの除庶は激しく動揺し、涙を流しながら劉備のもとを去り、曹操の元へいったのだ。」

亘理『悠ちゃんのキノコ…』

雨「ふざけてるわ」

亘理『そ、そだね!』

摩耶「大きさは…」

神姫「詳しい説明とか要らないから」

千世子「除庶と母親の話しは『演義』では悲劇的なものになっているのだ。除庶の母親は、主君を捨てて自分のところへ来た息子を怒り、自殺してしまったのだ。除庶は母親の墓の近くに小屋を建てて暮らし、曹操からの贈り物は一切受け取らなかったのだ。以上、除庶のじゅぎょーだったのだ。」

悠「うっし、お疲れ」

千世子「あんちん、あんちん、グラビモスいこうなのだ」

悠「あー、いいぞ。」

摩耶「じゃ、ボクも参戦する」

神姫「私は帰るわよ。お疲れ様」

悠「神姫はモンハン買わないのか?」

神姫「気が向いたら考えるわ」
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