ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あっ、マズ……。」

亘理『おっ、よっ、このっ……しゃぁぁっ!』

悠「あっぁぁー…」

摩耶「ついに亘理ちゃんが勝ち越したね」

悠「はぁ……どうして格ゲーだけは勝てなくなるんだ」

神姫「その位置が限界なんでしょ」

摩耶「ほら、かっこいいセリフいって、「自分で自分の限界を決めるな。」って」

悠「その辱め……わりと辛い」

千世子「かっこつけそこねたあんちんはおいといて、じゅぎょーなのだ。『演義』は、諸葛亮を当世一代の優秀な軍師として描こうとするあまり、諸葛亮にまるで魔法使いのような超常能力まで使わせているのだ。」

亘理『なになに、悠ちゃんそんなこといったことあるの?』

悠「知ってるか?おれってわりとナイーブって」

神姫「漂白剤とかで顔洗っても平気なタイプでしょ」

悠「荒れるどころか失明の可能性すらあるな」

摩耶「サードアイ覚醒…」

悠「開かん、開かん」

千世子「まず『正史』で周瑜が曹操を撃退した「赤壁の戦い」では、諸葛亮は周瑜の策略に必要な東南方向からの風を呼びよせるため七日七晩星に祈って望み通りの風を呼び寄せたのだ。そのあとは星の運行を見て同僚の龐統が戦死したのを知ったり、しまいには北伐の闘いで自分の寿命を延ばすために祈祷を行っているのだ。」

雨「おまえも祈祷してるから死なないのか?」

悠「延命の祈りをささげたことは無いな。」

摩耶「リバースドールとか装備してるんだよね」

神姫「じゃあ100回殺せば死ぬのね」

悠「1回こっきりなんで大事にしてください」

千世子「たしかに『演義』には諸葛亮以外にも、奇跡を起こす仙人や伝説的な名医など、諸葛亮以外にも人智を越えた存在が登場するのだが、この大規模な脚色には批判もあるのだ。日本に留学経験もある中国の小説家「魯迅」は『演義』は諸葛亮を尊敬するあまり化け物じみた存在にしてしまったと述べているのだ。」

悠「元気になぁーれー」

亘理『なにが!?』

悠「いや、おりの中の五斗米道が唸りをあげで……」

摩耶「そのポジションだとやっぱり漢女と関わりが出てくるよ」

悠「修羅の道か……。」

千世子「諸葛亮は政治の天才であるとともに発明の天才でもあったのだ。諸葛亮の発明として『正史』にも描かれているのは「木牛」と「流馬」という運送用の道具なのだ。これはリヤカーや一輪車のようなものだったと想像されているのだ。」

亘理『木牛』

悠「三角木馬」

雨「変態が」

神姫「レッドピラミッドシング」

悠「△様!?」

摩耶「悪夢だね。」

悠「あれはトラウマという怪物だからな…」

千世子「また、連発可能な弩、新兵器である槍、改良された鎧などを生み出したのだ。とくに武器の発明については、諸葛亮の発想力が優れていたのはもちろんだが、蜀の国には鉄を産出する鉱山が多く、鉄製の頑丈な部品もふんだんに仕えたことも大きいのだ。諸葛亮の改良した槍と鎧は、その後の時代でも軍隊に活用されていくのだ。」

悠「しかし、神姫から△様の名前を聞くとは思わなかった」

神姫「サイレントヒルの映画見たのよ。」

悠「あぁ、あれにも出てたな△様」

亘理『なに△様って』

悠「マネキンレイプしたり大鉈で斬殺したり槍で突きまくってきたり人を引き裂いたりするお方だ」

雨「ドのつく化け物だな」

悠「うん、あれは本物の化け物」

千世子「諸葛亮の発明は道具ばかりでは無いのだ。北伐の闘いで軍隊用の食料として栽培された諸葛蕪のほか、今でも食べられている饅頭も、人間の頭を生贄にする代わりに作った発明品だという逸話もあるのだ。以上、諸葛亮のじゅぎょーだったのだ。」
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