ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「さてさて、もうすぐモンハン発売日だぜ」

摩耶「浮足立ってるね」

悠「飛べるかもしれない」

神姫「ラリってるの?」

悠「そっちの゛「飛ぶ」じゃないのよさっー!」

神姫「うざいテンションの高さね」

悠「マジすか?」

摩耶「僕はまだ許容範囲」

千世子「はいはい、じゅぎょーしますなのだ。一般的なイメージでは、諸葛亮は政治、軍事、外交のすべてに精通し、陣地を越えた知謀で軍を操る天才軍師として知られているのだ。ところが諸葛亮が「万能の天才」と見られているのは、実は後世の脚色によるところが大きいのだ。」

神姫「摩耶君は寛大ね。仕留めることを覚えた方がいいわよ」

悠「仕留めたらダメ」

摩耶「半殺し程度なら良いと」

神姫「3/4殺しなら」

亘理『ほぼ瀕死だ』

悠「あの、痛めつけるのは前提?」

千世子「『正史』には諸葛亮の人生について豊富な記述があるが、そこから導き出される諸葛良像はあくまで「政治の天才、外交の秀才」であって、軍隊を率いたり、戦場で作戦を考える能力はそれほど高くなかったようなのだ。」

雨「アンタもなんでわざわざ痛めつけられるような事いうのか……」

悠「いってないよ」

摩耶「マゾだから、かな」

悠「いってませんよ?」

神姫「キモイわね」

悠「おいおい、こう見えても夜な夜な枕濡らすんだぞ」

千世子「『演義』での諸葛亮は、劉備の軍師になってすぐに曹操軍と戦って、劉備より多数の曹操軍を伏兵で打ち破っているが、『正史』では諸葛亮が軍隊に関与したのはこれより17年後、劉備が死んだ後のことなのだ。」

亘理『泣いてるの?』

悠「いや、よだれ」

摩耶「快眠してるねぇ」

神姫「口にシリカゲル入れて寝たらいいんじゃない?」

悠「たらこじゃ済まない唇になるから」

千世子「つまり『演義』で軍師として大活躍した「赤壁の戦い」では、実は諸葛亮は序盤の外交以外でなにもしていないのだ。諸葛亮が直接軍を指揮することになったのは、主君の劉備や、軍略に優れた龐統、法正といった優秀な軍師が相次いで亡くなって蜀の人材が枯渇していたため、他の者が指揮を取るよりは良いと、やむえず出陣したものだと考えられるのだ。」

亘理『よだれってそんなに出る?』

悠「おれは唾液の分泌量が半端ないんだよ。だから、パンとかもやわらかいのよりフランスパンとか堅いものが合う」

亘理『そうなんだ!』

摩耶「今考えたんだよね。」

悠「うん」

亘理『……』

千世子「実際に軍を指揮すると、諸葛亮は指揮官としてもとても優秀だったが、作戦を決めるとき慎重になり過ぎる傾向にがあったのだ。しかしこれは諸葛亮の性格というよりも、魏より圧倒的に人口の少ない蜀が大敗すると、失った兵士を補充してもとの戦闘力に戻すことが難しいため、あえて損害の少なくなる戦法を取ったのかもしれないのだ。」

神姫「そこのクズのことはともかく唾液の分泌量が多い人がいるのは本当よ。ウチの父はマーボー豆腐とか食べてるとすぐにさらさらになっちゃうし。」

悠「おれもそれはある。」

亘理『悠ちゃんの言うことはあんまり信じない』

悠「少しでも信じてくれてるならそれでいいよ」

亘理『ボッ///』

摩耶「亘理ちゃんの純愛ロード」

雨「いったら悪いけどあれはただチョロイだけでしょ」

千世子「晩年、諸葛亮は蜀の総司令官として魏との対決「北伐」に向かうのだ。しかし慎重策を取る諸葛亮は守りを固め続ける魏の軍隊を打ち破ることが出来ず、6回目の北伐で寿命を迎えてしまったのだ。しかし、諸葛亮が無能だったのではないのだ。大国である魏を打ち破るには、蜀の国力はあまりに弱すぎたのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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