ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「なんか……お腹すいた」

摩耶「ご飯食べて来なかったの?」

悠「ちょっとバタバタしてて忘れてた」

神姫「煮干しならあるけど」

悠「なんでそんなものがあるのか聞いていいか?」

神姫「出汁に使おうと思って買ってきたのよ。ここに来る途中」

亘理『かじる?』

悠「いや、煮干しは良いわ…」

冥「ふんふん、ふんふん……ハッ?!」

神姫「……猫は釣れたわ」

悠「……食ってれば顔舐めてもらえてたかな」

亘理『頭齧ってあげよう』

悠「ひぎゃー!?」

【諸葛亮】
本名:諸葛亮孔明
生没年:181~234

千世子「はーい、あんちんを捕食するのはそこまでにしてじゅぎょーしますなのだ。主君のために策を練り、武力ではなく知恵で王朝に責献する。「軍師」。この言葉を諸葛亮のおかげで知った人も多いのではないだろうかなのだ。諸葛亮は「伏龍」という異名で知られ、劉備の軍師として弱小の蜀を支え続けた人物なのだ。中国でも日本でも非常に有名な人物であり、字である「孔明」の名前でも広く知られているのだ。」

悠「マジ噛みはやめよう。ゾンビにでも襲われてる気分になるから」

摩耶「あまがみなら良いと」

悠「それはなんかやらしいから許可」

神姫「次は頭皮破くくらいの威力で噛むといいわよ」

悠「本気ホラー」

亘理『うーん……』

悠「悩まないでください」

千世子「諸葛亮は木製の四輪車に乗って戦場を移動する姿から大柄なイメージはないが『正史』の記述によるとその身長は蜀の名将趙雲と同じ八尺(約184センチ)であり、かなり立派な体格だったようなのだ。『演義』では白い烏扇をもっている事が多く、これは諸葛亮のトレードマークになっているのだ。」

悠「扇ならおれも装備してる」

摩耶「鉄扇だけどね」

雨「どこに?」

悠「重いから家に置いてある」

神姫「それは装備してるとは言わない。」

千世子「当初は自給自足の生活をしながら学問にはげむという隠者のような生活を送っていたが、荊州に移り住んできた劉備一行から三度も訪問を受け、その熱意に打たれて劉備の軍師として働き始めるのだ。『演義』では経緯がドラマチックに脚色され、有名な『三願の礼』の故事となって人々に知られているのだ。」

亘理『武器や防具は装備しないと効果がないぞっていわれるでしょ』

悠「最初の村で必ず居る奴だな知っとるちゅうねん」

摩耶「チュートリアルでまとめられてるパターンもあるよね」

悠「頼むからスキップさせてくれっていう項目があるのも意味不明だよな」

神姫「そういう説明がないとごねるのが居るからでしょ」

千世子「劉備に三願の礼を受けた諸葛亮は、劉備が天下にはばたくための策略として「天下三分の計」を提示したのだ。これは現在北を曹操、東南を孫権が支配している中国大陸で両者を拮抗するため、中国南西を支配して拮抗しようという策なのだ。」

摩耶「うちにも諸葛亮的軍師が居たらいいのにね」

悠「それが居たとして崇と氷室さんに喧嘩売るって言うならおれは逃げるぜ?」

亘理『後ろ向きに全力だね』

悠「おれは逃げも隠れもするし嘘もつくが……」

神姫「長いからもういいわよ」

悠「(´・ω・`)」

神姫「気持ち悪い」

パァン!
悠「ぐぇっ?!」

千世子「これまで生き延びることでせいいっぱいで、明確な目標なく戦っていた劉備一行に、はじめて天下を取る策を与えたのが諸葛亮なのだ。この時代が「三国時代」と呼ばれ、『三国志』という作品が生まれたのは諸葛亮という天才のおかげだったのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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