ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

義鷹「……」

悠「どした?」

義鷹「いや、暇だなぁと」

摩耶「牛とかの首の肉だけ抉ったりする?」

亘理『きゃりゅーしゅみれーと!』

悠「キャトルミューティレーション」

神姫「キャトル(牛)ってついているけど、実際にこの類の事件として騒がれたのは「馬」での変死体からなのよね」

義鷹「っーか、やらねぇからなそんな無意味なこと」

【魏延】
本名:魏・延・文長
生没年:?~234

千世子「都市伝説は置いといて、じゅぎょーするのだ。魏延は一隊長として劉備に仕えながら数々の戦功を立てた武闘派の忠臣なのだ。しかし、最後は謀反人として処刑された悲運の武将でもあったのだ。」

亘理『あれって都市伝説なの?』

悠「宇宙人は都市伝説枠だ」

摩耶「宇宙といってるのに都市という謎の矛盾」

悠「まぁ、そんな細かい矛盾は至るところにあるしな」

神姫「っで、するの?」

義鷹「やらねぇってんだろ」

千世子「劉璋が支配する益州を劉備が攻略したとき、魏延はたびたび戦功をあげて歴史の表舞台に立ったのだ。その後劉備が益州の北、漢中を手に入れると、劉備と諸葛亮は大方の予想に反して新参者の魏延を漢中の守備役に任命したのだ。」

悠「義鷹なら頭から尾まで美味しくいただくだろ」

義鷹「まぁそうだな」

悠「……うわぁ」

義鷹「聞いといて引くなッ!!」

摩耶「牛一頭も魚と同じ感覚だね!」

神姫「スナック感覚の方がしっくりじゃない?」

千世子「漢中のように重要な土地を守るのは劉備軍の双璧である張飛だと予測されていたくらいだから、魏延への信頼と期待が深かったのがよく分かるのだ。『演義』では、益州攻略に先立つ荊州攻めで登場し、黄忠とともに劉備に降伏したのだ。その後は多くの戦争に参戦し、名わき役のような位置を与えられているのだ。」

悠「加工さえすればうちのゆえだって牛一頭くらい食えるぜ」

摩耶「しなくても食べれそうだけどね」

悠「……あり得そうだからやめてくれ。まえフライドチキンを骨ごと食ったんだから」

亘理『ワイルドだね?!』

悠「ワイルドで済ませないどな」

神姫「後になにも残らなくていいじゃない」

悠「よくねーよ!」

千世子「魏延は有能な武将だが、誇り高い自信家だったのだ。魏を攻撃する北伐の戦いで積極策を却下したときは、臆病な諸葛亮のせいで実力を発揮できない、と危うい発言をしているのだ。このような気性が激しすぎる魏延を多くのひとが敬遠していたが、同様に勝気な天才「揚儀」だけは真っ向から対立したのだ。両者の才能を評価していた諸葛亮は心を痛め、不安は現実となってしまうのだ。」

亘理『そもそも骨って食べれるの?』

摩耶「カルシウム」

神姫「何の骨かにもよるけどね」

悠「まぁ、あれだな。骨は加工して武具にするものであって食うものじゃない」

雨「それも偏ってる」

悠「あとは骨の一部だけでこの世によみがえらせて緑の赤ちゃんが生まれて、最終的にメイドインヘブン」

亘理『意味が分からない』

摩耶「時は加速するんだね」

千世子「五丈原で病死したとき、蜀の軍は諸葛亮の遺言で撤退したのだ。しかしこの命令は揚儀が出したため、魏延は「大嫌いな揚儀からの命令」に反発したのだ。戦闘継続を望む魏延は撤退路の橋を破壊するという実力行使をしてしまったのだ。反逆者と認定された魏延は、馬超の甥である馬岱に殺されたのだ。以上、魏延のじゅぎょーだったのだ。」
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