ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「うっ、おぉっ……ぅぅ…」

神姫「奇声で始まるのがお約束みたくなってない?」

摩耶「つぎは神姫さんやってみる?」

神姫「イヤよ。みっともない」

悠「みっともおぉぉ……なくってぇぇ…悪かったぁぁなんっ!」

亘理『悠ちゃん、もう少しジッとしてくれないと肩揉みにくい』

悠「気持ちいいんだけどこそばいんだよふっ?!」

摩耶「背中弱かったけ?」

悠「そんなことはないハズだが……こそばゆい」

【黄忠】
本名:黄・忠・漢升
生没年:?~220

千世子「じゅぎょーしますなのだ。三国志の武将たちの生涯を見ていると、おおよそ四十歳から五十歳ごろに病死の危機が訪れ、六十歳まで生きればかなりの長寿ということができるのだ。ところがここに六十間近にして最前線で一騎討ちを演じ、七十歳を越えても前線に立ち続けた伝説的な老将がいるのだ。老いてますます盛んな蜀の五虎大将、黄忠なのだ。」

神姫「それわかるかも私も首とか触られるとゾワッとするし」

悠「これは触ってという振りだな。よし、触ろう」

摩耶「餌に食いつく魚というか……」

雨「蜘蛛の巣に突っ込んでくる蛾みたいね」

悠「蝶って言えよ!」

雨「蝶に失礼よ!」


千世子「黄忠は蜀でいちばんの弓の名手で、薙刀を使った接近戦も得意としていたのだ。髪は白髪で真っ白であり、老人らしく頑固な性格なのだ。「年寄りには無理」とあなどると烈火の如く怒り、同僚たちが驚くほどの戦果をあげて帰ってくるのだ。」

悠「っで、触っていいの?」

神姫「格子に無理矢理押し付けて輪切りにしていいなら」

悠「おれはトマトじゃないよ!?」

摩耶「トマトよりも悲惨なスライスになるね!」

亘理『なんでそんなに嬉々してるの?!』

摩耶「あぁ、つい」

雨「前から思ってたけどコイツ危ないな……」

千世子「黄忠は荊州の劉表に仕え、荊州南部の長沙を守っていたのだ。すでに六十歳間近だった黄忠は関羽と互角の一騎打ちを戦う。戦闘中の紳士的なおこないを咎められて投獄されると、魏延の反乱に救われて劉備の配下となったのだ。」

神姫「じゃあ、フルーツの王様をぶつけさせて」

悠「フルーツの王様……それはドリアン!死ぬ!あんなのぶつけられたら死ぬ!」

摩耶「悠君の頭なら勝てるよだって頭蓋骨仕込んであるし」

亘理『そのあとタマネギが腐ったみたいな色した果肉が出てくるけどね』

悠「臭いのはいやっ!でも、深山屋サークルは好き!」

雨「なに?深山って」

摩耶「んー、とりあえずエロい、そしてニッチ狙いなサークル。もっとハッキリ言うとチンカ…」

雨「いわなくていい」

千世子「黄忠の勇猛果敢さは劉備軍でもトップクラスだったのだ。黄忠は劉備の益州攻めや漢中攻略戦で主力ととして活躍し、常に先陣をかけて真っ先に敵陣を攻め落としたのだ。特に益州攻めで降伏した劉ひょうの配下の老少「厳顔」とは名コンビで、ふたりで多くの武功をあげているのだ。漢中攻略戦では魏の名将「夏候淵」を討ち取り、この戦いで一番の功労者となったのだ。」

悠「紫苑さん桔梗さん祭さんの三人は全然守備範囲」

摩耶「歳とか種族より可愛いか美人かが優先されるもんね」

悠「そうそう種族なんて些細なこと」

亘理『だよね!種族間とか関係ないよね!愛には!!』

悠「あぁ、摩耶みてたら性別も関係ないんじゃないかと思ってくるし」

神姫「格子に押し付けるなら手伝うわよ?」

摩耶「実際になにかされたわけじゃないから、まだセーフかな」

雨「アウトなら力尽く輪切りする気なのね」

千世子「漢中王を名乗った劉備は、関羽に「前将軍」、黄忠に「後将軍」という同格の将軍居を贈るのだ。諸葛亮は、新参者の黄忠と同格では関羽が嫉妬すると止めたが、劉備は意見を変えなかったのだ。黄忠は劉備にとってそのくらい重要な武将だったのだ。以上、黄忠のじゅぎょーだったのだ。」
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