ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「痛っっ……。指が痛い……」

摩耶「親指裂けてるね。触っていい?」

悠「そんなD4C(いともたやすく行われるえげつない行為)はやめて」

神姫「なにドジったの?」

悠「いや、朝いちからジョジョASBし続けてたら、気がつくとこうなってた。」

神姫「ああ、ドジじゃなく馬鹿だったのね」

千世子「あんちんはものの加減を知らないのだ」

悠「女の扱い加減は知ってるよ」

神姫「ふんっ」

悠「鼻で笑われた?!」

【劉備】
本名:劉・備・玄徳
生没年:163~223

千世子「今日からは蜀のじゅぎょーになるのだ。中国南西部の国「蜀」は、劉備という人物によって建てられたのだ。劉備は漢王朝の皇族の末裔を名乗り『演義』では主役を務めているのだ。劉備の人物像は『演義』と『正史』でかなり違うのだ。世間では『演義』の劉備についてじゅぎょーしていくのだ。」

悠「舐めときゃ治るかな」

亘理『動物みたいだ』

悠「うちに居る「ほわいとすねいく」こと白巳に舐めさしたらリアルに一日二日で治るんだが……絵的にまずいんだよな」

摩耶「練乳塗っとけば?」

悠「いやらしさが余計際立つよな」

千世子「劉備は中国最北東の「幽州」に生まれたのだ。劉備の居る名家だが、現在は単なる庶民であり、役人だった父も若くして亡くなり、母子家庭でわらじやむしろを織って生計を立てていたのだ。外見は耳たぶが肩にかかるほど伸び、両手は立ったまま膝まで届くというものだったのだ。」

神姫「私が治してあげようか?」

悠「え、舐めてくれるの?」

亘理『がぶっ!』

悠「何かに頭を齧られてる気がする。」

神姫「もっとちゃんとした治療よ。縫合って言う」

悠「待って、裁縫針と普通の糸で縫合って……」

千世子「幼いころから学問を学んでいたが、学問そのものにはあまり熱心がなく、名士や豪傑達との交流を好んだのだ。性格は寡黙かつ穏やかで、感情を表に出さなかったが、心に大志を抱いていたのだ。また、人を引き付ける不思議な魅力があり、劉備のもとには優秀な人物が数多く集まってくることになるのだ。」

神姫「一度やってみたいのよね。だめ?」

悠「麻酔なしにそんなことされたらおれ一生もののトラウマが出来るよ」

摩耶「あとどんなことしてみたい?」

神姫「……抜歯とか?」

悠「医者になってしてくれ」

千世子「劉備は関羽、張飛という二人の豪傑と意気投合し、死ぬときは一緒だに死のうという「桃園の誓い」を結んで義兄弟となったのだ。中国全土で「黄巾族」による反乱が起きると、劉備は黄巾族討伐の義勇軍を結成。戦乱の中国に飛び出していったのだ。劉備は傑出した武勇も際だった知謀も持っていなかったが、関羽や張飛をはじめ周囲の人々の助けで活躍し、戦いながら各地を放浪して多くの有力者と交流したのだ。そのなかには後の劉備の宿敵となる曹操も含まれていたのだ。」

神姫「いやよ。」

悠「あれ、このひと医者になるのは嫌なのに縫合と抜歯したいとか言い出してるよ?しかも麻酔なしに」

神姫「じゃあデコピンさせて」

摩耶「急に可愛らしくなったね。」

悠「もはや指の治療とは関係がなくなってるけどな」

神姫「最近凝ってるのよデコピンに」

亘理『デコピンならいいんじゃない?』

悠「やだよ。凝縮した空気圧ぶつけたりするんだろ」

千世子「そして旗揚げから24年後の208年、劉備ははじめて安定した領地を中国南部の荊州を手に入れたのだ。その後南西の山岳地帯「益州」も支配。魏の曹丕に皇位を奪われていた漢王朝皇帝のあとに継ぎ、漢の皇帝を名のったのだ。劉備によって建国された国の名前は「漢」だが、一般的には本拠地の地名から「蜀」「蜀漢」と呼ばれるのだ。劉備が皇帝であったのはわずか1年という短い期間だったのだ。」

神姫「しないわよ」

ピッ!ブシュッ!
悠「ギャッ!?」

亘理『爪先で……額裂いた?』

摩耶「刃物レベルの爪だね。あ、でもすごい形綺麗」

神姫「ふふっ、ありがと」

悠「待って待って!めちゃ痛い!!」
ダラダラ…

千世子「劉備は皇帝即位後に行った、中国南東の国「呉」との戦争に敗れ、遠方先で病死したのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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