ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「そういえばさ、ボクシングじゃダメなのか?」

神姫「なにが?」

悠「いや、プロレスよりボクシングstyleのがあってる気がするんよ」

神姫「別にstyle自体はなんでもいいのよ……ただ、確実に落とせればそれで、ね。」

悠「あ、なんか背筋が冷えたぞ」

摩耶「残暑も吹き飛ぶね」

【諸葛瑾】
本名:諸葛・瑾・子瑜
生没年:174~241

千世子「じゅぎょーしまーすなのだ。三国志の登場人物で「諸葛」といえば、ほとんどの人が蜀の名軍師、諸葛亮を連想するのは間違いないのだ。しかし、蜀以外にも名軍師に誉れ高い「諸葛」がいるのだ。呉国の諸葛瑾、諸葛亮の実の兄なのだ。」

亘理『でも、ここ二日くらいは涼しくない?』

悠「雨降りまくったからな」

摩耶「このぶり返しで暑さがラストスパートかけてこないといいけどね」

悠「倍返しだ!」

神姫「返されたいの?」

悠「まって、なにもしてないよね。」

千世子「諸葛瑾は威風堂々とした外見の持ち主で、顔は縦長だったのだ。諸葛瑾は乱戦を避けて孫権の本拠地「江東」に移り住むと、孫権に仕えたのだ。」

神姫「理由って……いる?」

悠「息を吸うように殴られ出したらただのDVだべ」

神姫「悠と家族になった記憶はないけど」

悠「そうだなただのヴァイオレンスか」

神姫「……」

ゴッ!
悠「ぴぎゅっ!」

千世子「諸葛瑾は政治、軍事、外交とさまざまな仕事をこなしたが、その才覚は偉大な弟諸葛亮にはわずかにおよばないのだ。しかし弟よりも優れていた部分がひとつあったのだ。人柄なのだ。諸葛瑾は温厚かつ気配りのできる人物で、他者の誇りを傷つけたり、立場を超えて大言壮語することがなかったのだ。主君の孫権に意見するときも、張昭のように直接言うのではなく、遠回しな言い方で意図を理解させたのだ。」

悠「うぅ、もう少し遠まわしなやり方をして欲しい」

神姫「誰かに代替わりで殴らせろと?」

悠「殴ること前提をやめて」

摩耶「蹴り?」

悠「違う、違う。そういう意味じゃない」

千世子「また、公私混同をしなかったのも諸葛瑾の評価を高めたのだ。曹操軍と対決するために呉にやってきた諸葛亮を、孫権が引き留めて配下にしようとしたとき、諸葛瑾は「自分が孫権様を裏切らないように、弟も劉備を裏切らないでしょう」といって、肉親の情よりも忠誠心を重視することを強調しているのだ。交渉のため蜀へ行ったときも、諸葛亮とは仕事以外の話しをしなかったのだ。諸葛亮の肉親である諸葛瑾が蜀と内通しているのではないか、という意見は呉の中にもあったが、孫権は諸葛瑾を信頼しきっていたので、この意見をまったく相手にしなかったというのだ。」

亘理『悠ちゃんのマゾ疑惑が強まっていく』

悠「あのな股間みてみろ勃ってないだろ」

亘理『え……み、見せるんスか?』

悠「まぁ、どうしても見たいんならやぶさかではないが……」
かちゃかちゃ……

神姫「ベルトを外したら……」

悠「露出はダメだよなもうん。」

千世子「諸葛瑾の息子「諸葛恪」は才能を高く評価されていたが、諸葛瑾は「家を滅ぼす子供だ」として嫌っていたのだ。諸葛恪は温厚で控えめな父と違って、他人の意見を無視し、相手を論争で言い負かすことを好む、自己顕示欲の強い人物だったのだ。」

摩耶「まぁ、見馴れてるけどね」

亘理『そんな深い関係か!男の娘がいいんかっ!』

悠「首を絞めるな首を!意味が分からんし」

摩耶「お風呂でって意味だけどね」

千世子「孫権がロバの額に「諸葛子喩」と書いて諸葛瑾の長い顔をからかったことがあったのだ。このとき弱冠6歳の諸葛恪はロバの額に二文字加えて「諸葛子喩之驢」としね父へのからかいをやめさせたのだ。これだけ聞くと父想いの息子の美談に見えるが、6歳の子供が主君の行いに横やりを入れるというのは褒められた行為ではないのだ。」

神姫「もう少しまともなこと言えないの?」

悠「まともに口説いたら一晩共にしてくれるの?」

神姫「口説けてそのきに出来るのならね」

悠「……無理だな」

亘理『あきらめ早いっ』

千世子「のちに呉の最高権力者となった諸葛恪は、部下の意見を聞かずに無謀な戦争をくりかえし、逆らう者を次々と殺したため反対派が台頭。反対派に皇帝も協力して、諸葛恪の一族は皆殺しになったのだ。諸葛瑾の心配は不幸にも的中したのだ。以上、諸葛瑾のじゅぎょーだったのだ。」
43/100ページ
スキ