ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

神姫「悠の半身は性欲が異常なの?」

悠「え、いきなりなんすか」

神姫「気になったのよね。悠はまだギリギリダイレクトにはセクハラしないけど、ゆうはダイレクトにするから」

雨「九頭竜にセクハラしてる時点でよっぽどだけどね」

神姫「は?」

雨「……なんでもないわ」

摩耶「女同士だからスキンシップ感覚なんだよきっと」

悠「ってか、なにしたアイツ?」

神姫「ズボンの隙間から下着を覗きつつ太股を撫でまわされたわ」

悠「ああ、おれもしてーわ」

ピッ!どごっ!ゴッ!ごォッン!

摩耶「あ、凄い一回で連打になってる」

神姫「今日は調子いいわ」

【孫権】
本名:孫・権・仲謀
生没年:182~252

千世子「はーい、暴れるのはその辺にしてじゅぎょーしまーすなのだ。三国志の物語は、一般的には曹操、劉備、孫権という3人の英雄が中国の覇権を争った物語なのだ。この三人のうち曹操と劉備は自分の手でゼロから国を作った自分だが、孫権だけは父や兄の作った基盤を引き継いだ、いわば「三代目」なのだ。だが「三代目」という言葉から感じられるひ弱さは孫権には無いのだ。むしろ孫権は、孫権と劉備の間をしたたかに立ちまわった切れ者と言えるのだ」

悠「べっ……久々に木くずの味をかみしめた」

亘理『生活してて木くずの味は知らないと思うけど』

悠「木材に叩きつけられても死にはしないけどアスファルトは死ぬだろ」

亘理『いや、意味がちょっと……』

悠「いいから、抜いてくれめり込みすぎて動けない」

千世子「孫堅の二男としてうまれた孫権は、角ばった顎に紫髯(赤いひげ)を生やし、口は大きく目はキラキラと輝いたのだ。背も高かったが胴長短足の体形だったというのだ。『演義』ではさらに、青い目をしていたと書かれているのだ。中国では「貴人の相」といって、特定の外見特徴を高貴さのあらわれだとみなす傾向があるのだ。孫権の外見はまさに貴人の相だったのだ。」

亘理『んんっしょ!』

悠「ぶはっ!前面が痛い。満遍なく痛い」

摩耶「まあアレだけ叩きつけられたらね」

神姫「次は背中いく?」

悠「全身を痛めたくないです」

千世子「また『正史』で引用された小説『捜神記』によれば、孫権の母親は、長男の孫策を産むときは月が、次男の孫権を産むときは太陽が、彼女の懐に入る夢を見たというのだ。孫権の成功は生前から約束されていたようなのだ。」

摩耶「まぁ、でも慣れてるよね」

悠「いやぁ、痛いのは慣れないよ。」

神姫「マゾだから気持ちいいんでしょ」

悠「マゾではありません」

亘理『た、叩こうか?』

悠「違うってんだろ!」

千世子「孫権の父の孫堅や兄の孫策と同様、明るい性格で度量が広く、大胆な決断力も備えていたのだ。また、みずから危険に飛び込んでいく性格は孫家の性分らしく、お目付役の張昭にきつく叱られているのだ。」

摩耶「鞭とかいるよね」

神姫「蜘蛛の糸をザイル並に絞ったら?」

雨「私の糸だと斬れる程度じゃ済まないけど」

悠「やめろよ。人間チャーシューでも作る気か」

亘理『縛られるのが好きなの?!』

悠「耳年増って言うかなんだこの誤解の連鎖」

千世子「父と兄と違ったのは、軍の指揮官としての才能があまりなかったことなのだ。孫権が直接呉軍を指揮した戦いでは負けの数が目立つのだ。しかしそのかわり、孫権は部下の意見をよく聞き、仕事に応じて最適の担当者を選び出すことが得意だったのだ。孫堅は人材「活用」の達人だったのだ。孫策は死の間際「他国の英雄と渡り合うなら自分が上手だが、優秀な人材を使って国を安定させるのは孫権の方が上」と言い残しているのだ。その言葉に従って孫権は部下を上手く使い、呉を大国に育て上げたのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ」
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