ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「なんでだろうか。最近部屋にコバエがよく飛んでるんだよ」

摩耶「ゴミ箱掃除してる?」

悠「そんなに自家発電してねーよ」

摩耶「うーん、そういう意味でいったんじゃないけど」

神姫「去勢したら?」

悠「勃たないのはちょっと…」

千世子「なんの話ししてるのだ?」

摩耶「悠君の部屋がイカ臭いって話し」

悠「してないよ?!」

【孫策】
本名:孫・策・伯符
生没年:175~200

千世子「孫堅の息子として後を継いだ孫策は、極めて短い期間しか活躍していないにも関わらず、絶大な人気を集める人物なのだ。孫策は孫堅に似て勇猛な武将であり、かなりの美男子で、人を惹きつける魅力を備えていたのだ。『演義』では「小覇王」という異名まで授かった孫策は「男が惚れる男」だったのだ。」

亘理『悠ちゃん……さすがに引くんだけど』

悠「だから違うっーの」

摩耶「あはは」

神姫「バカね」

悠「なんでコバエが居るって話しでこうなったのか……」

千世子「孫策が歴史の表舞台に出てくるのは、父である孫堅が戦死したときなのだ。このとき孫策は17歳。孫策は美男子でさまざまな人と交流し、人を使うのも巧みで将来を期待されていたが、さすがに17歳の若者に軍勢を預けることは出来ない。孫堅軍は袁術のものとなり、その指揮官にも孫策の叔父が選ばれたのだ。」

摩耶「窓開けっぱなしなんじゃない?」

悠「さすがに網戸はしてるよ」

亘理『完全に閉めれば良いのに』

悠「夜蒸し風呂になるだろ」

亘理『冷房が無理なら扇風機とかあるでしょ』

千世子「しかし、此処で諦めないのが孫策なのだ。孫策は19歳になると、それまで親交を結んでいた有能な人物を配下に加え、数百の兵士とともに袁術に謁見したのだ。袁術は孫堅の若武者ぶりを評価し、孫策に父の軍勢を与えたのだ。」

悠「閉め切った空間で扇風機って火に油の焼け石に水のゾンビにアレイズだぞ」

摩耶「最後のはただの即死」

神姫「せめて氷結吸収にブフダインでしょ」

悠「氷吸収にブリザドでないところがさすがだな」

千世子「孫策の次の目標は、領土を手に入れて袁術から独立することだったのだ。孫策が目を着けた中国東部、長江下流地域「江東」なのだ。江東は反乱勢力などが多い危険な場所だが、袁術など有力者の力が届かず、孫策のような新参者が支配するには最適だったのだ。孫策は連戦連勝で江東を制圧。のちに江東を中心に大帝国を築き上げる呉の基盤は、人材的にも地理的にも、間違いなく孫策が作ったものなのだ。」

亘理『例えがどんどん分からなくなる』

摩耶「悠君に幼女だよ」

悠「それにしか食指が働かんわけじゃないって」

神姫「発情期の犬ね」

悠「一年中発情する生き物は人間だけだべ」

神姫「下衆が」

千世子「美男子で人当たりが良く、頭脳明晰で戦いも強い。完全無欠な人物に見える孫策だが、そんな孫策にも父親から受け継いだ弱点があったのだ。孫策は自分の強さに自信があり過ぎて、自ら危険に飛び込んでいく、大胆すぎる性格だったのだ。」

悠「下衆といわれた」

摩耶「……ごめん、なんにも良い返しが思い浮かばなかった。」

亘理『フォロー無しだそうです』

摩耶「フォロー無しじゃなくてフォロー無理だよ」

悠「ひゅい!!」

千世子「孫策は曹操が本拠地を離れたことを知ると、曹操の本拠地を襲撃し、漢王朝の皇帝を奪う準備を進めていたのだ。そのころ孫策は、かつての仇に襲撃されて重傷を負うのだ。このとき孫策は護衛をつけておらず、不用心が仇となってしまったのだ。病状は好転せず、孫策は弟の孫権に呉の国を託して息絶えたのだ。時は西暦200年。歴史の表舞台に立ってからわずか7年で、孫策の覇道は終わりを告げたのだ。」

神姫「一応話は戻すけどコバエコナーズでも置いたら?頭の上に」

悠「おれがコバエを発生源みたくいうなよ?!」

亘理『蜘蛛飼うとか』

悠「蜘蛛……。」

雨「こっち見んな」

千世子「『演義』では、孫策の死はオカルト的に脚色されているのだ。孫策は、自分の領地で「于吉」という仙人が怪しげな術で支持を集めているのに腹を立て、于吉を殺害するのだ。孫策はそれ以降于吉の幻影に悩まされ、全身の傷口が裂けて死んだというのだ。以上、孫策のじゅぎょーなのだ」
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