ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あぢぃ……みんなアイス買ってきたぞ」

亘理『ちょーだぃ~』

摩耶「僕も~」

悠「おー、適当に取れ~」

神姫「全員溶けてるわね」

千世子「今日はいじょーに暑いのだぁ」

神姫「白衣脱ぎなさい」

千世子「……プイッ」

神姫「目逸らすな」

悠「神姫は厳しいよな。ほら、アイス食えアイス」

千世子「食べるのだ~」

神姫「暑い格好して暑いって言うから改善策を提示したまでよ。悠でいえば髪を切れ」

悠「あーあー、聞こえなーい」

千世子「ちゅぴっ……んっ、じゅぎょーしますなのだ。前回の続きからで、司馬懿は蜀軍の撤退待ちを狙っていたのだが魏の武将たちは、蜀の軍隊を戦場で倒して功績を上げたいと思っているのだ。」

神姫「いい度胸ね。」

悠「ああ、痛い、ピノ食べる刺し棒で突かないで」

亘理『あ、ハート形。はい、悠ちゃん、あーん』

悠「チョコなんぞ食えるかっ!」

摩耶「つまり表面のチョココーティングを舐めぬぐって食わせろと」

亘理『マニアックス///?!』

悠「せんでええ、せんでええ」

千世子「そこで諸葛亮は、陣地から出て来ない魏の軍団を戦場に引きづり出すために、魏の武将が守りばかりの司馬懿を批判するように仕向けたのだ。しかし、司馬懿は皇帝の威を借りてこのピンチを脱するのだ。司馬懿は魏の皇帝に「攻めるべきか守るべきか」と書状を送り、皇帝が『攻めてはならない』という書状を返すように誘導したのだ。皇帝の言葉に逆らえない魏の武将たちは司馬懿批判を辞めたのだ。やがて戦場で諸葛亮が病死したため蜀軍は撤退、戦いは魏の完全勝利に終わったのだ。」

摩耶「でも、今日の暑さは酷だね」

悠「三十九度越えってたしな」

神姫「暦の上では秋なのにね」

悠「そんなのは誇大広告もいいところだ」

亘理『熱中症で倒れてる人、多々いるだろうね』

千世子「『演義』ではこの出来事の直前に、諸葛亮が司馬懿へ女ものの衣装を送るという逸話が加えられているのだ。これは「女のように意気地がない」という中傷であり、司馬懿は内心烈火のごとく怒ったのだが、表面上は全く平然として、逆にその女ものの服を着て見せたという。精神的にも司馬懿の粘り勝ちといったところなのだ。」

摩耶「無双だと諸葛亮と姜維にボコボコだもんね」

悠「あと月英な」

神姫「アレだけみると負けキャラよね」

悠「軍師っていうと諸葛亮が目立ちすぎるからな」

千世子「諸葛亮の率いる蜀を退けた司馬懿の権力は、さらに強いものになっていったのだ。二代目の魏の皇帝「曹叡」は若くして病死してしまったため、そのあとをまだ若い曹芳が継ぐことになったのだ。すると曹芳を補佐する司馬懿と、曹芳の親族である曹爽のあいだで権力争いが起こるのだ。立場的に劣勢だった司馬懿は、高齢のため頭が呆けてしまった演義をして曹爽を油断させると、タイミングを見計らってクーデターを起こし、曹爽一派を殺害。完全に魏の実権を握ったのだ。以上、司馬懿のじゅぎょーだったのだ。はぁー……あちゅぃ…」

亘理『あぁ、チヨちゃんが…』

悠「頭から水ぶっかけてやるか」

神姫「いいんじゃない?」

摩耶「バケツに水汲んでくるね」

亘理『なんでみんなぶっかけることに全面肯定なのさ?!』
29/100ページ
スキ