ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「それじゃ、千世子がじゅぎょーしますのだ」

亘理『やっぱりこっちのがいいや』

悠「おれが教師じゃ不服か?」

亘理『うーん……微妙』

悠「微妙って……」

神姫「あら、私は合ってると思うわよ」

悠「え、マジで?」

神姫「反面教師としてね」

悠「ちくしょー、このオチは読めてたはずなのに!!」

【徐晃】
本名:徐・晃・公明
生没年:?~227

千世子「三国志最強の武将は誰だろうかなのだ。最強の武力を持つ呂布か、現在でも神として崇拝されている関羽か……しかし武将と言うものが兵士を率いて戦いに勝つための存在と考えれば、最強武将の候補にこの徐晃を入れないわけにはいかないのだ。徐晃は曹操に42年間仕えたが『正史』には「徐晃が戦いに敗れた」とする記述がひとつもないのだ。まさに、不敗の将軍、それが徐晃なのだ。」

亘理『負けなしってすごいね』

神姫「ま、曹操軍が負けたってことでいえば負けのカウントもあると思うけどね」

悠「個人の武では負けなしってことだろ」

摩耶「武の頂を目指してるのは伊達じゃないね」

千世子「徐晃は曹操の部下になる前、楊奉(ようほう)という人物に仕えており、この時からすでに何度も手柄を立てる活躍ぶりを見せているのだ。その後、楊奉が曹操に敗北し、徐晃は強さを見込まれて曹操の配下と配下となったのだ。」

亘理『なんか曹操って引き抜き多いね』

悠「曹操は三国一の人材マニアだといっただろうが!だから崇が曹操っぽいといっとんだよ!」

亘理『そりゃ知らないし』

摩耶「まぁ、確かにそだね。この前、寅君と風雷コンビが欲しいっていってたし」

悠「それは初耳だ?!」

千世子「将軍として徐晃は慎重で、必ず勝てる状況でなければ戦わず、万が一負けたときの作戦を常に用意していたのだ。スパイを積極的に活用して情報を分析したため勝敗の予測は正確で、これが不敗の原動力となったことは疑う余地がないのだ。一方必要だと考えれば大胆に行動することもできるのだ。逃げる敵を追うときは、兵士に食事を取る暇すら与えずに追撃を行ったというのだ。厳しく鍛えられた徐晃の兵士は規律正しく、安全で気が緩みがちな陣地の中でも列を乱すことがなかったのだ。」

神姫「王道なやり口だけど卑怯よね」

悠「勝つ勝負しかしないのはいいことだろ。勝率100%。」

摩耶「負けそうになったら電源切ったりするんだよね」

悠「ああいうのは性質悪いよな」

神姫「とかぃってやってる口でしょ」

悠「おれは基本的にはオフラインプレイだもん。オンライン系は禅と稲葉に狩られるし」

摩耶「超個人PKだね」

千世子「徐晃は謙虚な性格で、功を誇ることがなかったため内部に敵が少なかったのだ。国への忠義を第一に考え、敵でありながら親交をむすんだ蜀の将軍関羽とも、陣を挟んで談笑したのち、私情を捨てて勝負を挑んでいるのだ。徐晃はこの戦いで関羽を打ち破り、さらに名声を高めることになったのだ。」

亘理『結局誰が最強なのさ?』

悠「おれが惇ちゃん好きだから惇ちゃん」

摩耶「なんて無茶苦茶な押し付け」

悠「だが……あえて言うなら貂蝉」

神姫「……最強の美女ってこと?」

悠「それもあるが……恋姫の場合は貂蝉がバケモノだから」

摩耶「現れるよ?」

悠「ひぃぃ」

千世子「『演義』での徐晃は、大斧の使い手として描写されている以外あまり『正史』と変わらず、優秀な武将として描かれているのだ。『正史』と『演義』で大きく異なるのは『正史』の徐晃は病死したのに対し『演義』では戦死することなのだ。『演義』の読まれた15世紀以降の中国では、三国のうち蜀を正当とし、魏は悪者扱いされていたのだ。作者の羅漢中は、魏の名将に悲惨な死を与えることで、読者の受けを狙ったと考えられるのだ。以上、徐晃のじゅぎょーだったのだ。」
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