ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

亘理『ねっ、ねっ。』

悠「あー?」

亘理『今さらなこと聞いてもいい?』

悠「なんだよ。おれのスリーサイズか?」

摩耶「今さらでもないし」

神姫「これからもまず聞くこと無い事ね」

悠「二人してツッこむなよ……っで、なんだ?」

亘理『あ、んとね、大きくまとめて三国志って結局なに?』

悠「こりゃまた……ほんとにいまさらだな」

摩耶「まぁ、でも……知らない人に三国志の武将!っていきなり話しだされても分からないことないかな」

悠「ほむ……いや、ふむ。なら、悠先生が授業前に補習してやる」

神姫「いいの?やらせて」

千世子「まぁ、いいのだ。今千世子は狩り中なのだ」

摩耶「石化無効つけてるからメデューサ雑魚だね」

千世子「まったくなのだ」

悠「まず、三国志ってのは二世紀から三世紀末にかけての中国の歴史を題材にした作品の総称だ。この時代の中国には「魏」「呉」「蜀」という三つの王朝が存在して、三人の皇帝が同時に存在するっていう異常事態だったため、この時代は「三国時代」って呼ばれてる。」

亘理『ふむふむ』

美兎「要するに三国志は、「三国時代」の歴史を題材にした作品てわけ。っていうか、三国時代を題材にした作品は無数にあるんだけとどね。」

悠「そうそう、でもその中でもっとも重要なのが歴史書「三国志」と小説「三国志通俗演義」だ。」

亘理『ああ、演義とか正史とかいってたね』

悠「歴史書「三国志」は三国時代の各国の歴史を一冊にまとめた歴史書。さまざまな歴史書の中から、正確と思われる記述だけ集められてるから、歴史的事実にかなり近い内容だと考えられる。」

亘理『日本史の中国判ってことか』

神姫「そこまで広いのじゃなく極々狭い歴史だけどね」

美兎「日本史の戦国時代のみピックアップした感じなら正解よ」

悠「んで、小説『三国志通俗演義』は三国時代を題材にした歴史小説。信頼性の高い『正史』の基準を基本として書かれている一方、中国各地の民衆に語り継がれていた民間伝承なんかも取りいれてる「中国の庶民が信じる三国志」に最も近い作品だ。」

亘理『……つまり?』

神姫「好きな方を読めってことよ」

亘理『なるほど』

神姫「ただ、三国志の時代が始まる直前、中国は十三の州に別れてたの。中国の州の名前は三国志になんども出てくるし各州の位置は覚えておくといいかもね」

悠「ざっと説明したら中国北部の九州は魏。中国の大河「黄河」の流域で豊かな平原が広がってる」

千世子「中国南東部の三州が呉、蜀は益州だけになるのだ」

亘理『全然差が違うぢゃん』

悠「取ったり取られたりの繰り返しだからこれが確定だった訳じゃないぞ。三国志っていう形はこんな感じだったってことだ」

摩耶「そーそー、日本でいうと目指せ全国制覇!的なね」

悠「ビンボー神を連れてたり、鉄道買ったり」

摩耶「それは桃鉄……いや、ある意味あれも全国制覇目指してるのかな」

悠「血で血は洗わないが、金で金を洗う戦い」

亘理『それなんかイヤだね』

悠「お前も借金王にしてやろうか!」

神姫「焼討ち、焼討ち、焼討ち」

悠「の、信長じゃ!信長が居るぞ!」

千世子「火計大好きの陸遜かもしれないのだ」

神姫「……」

悠「あの、続きは無しですか?」

神姫「……そろそろ授業始めたら?補習も終わったんだし」
23/100ページ
スキ