ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「不思議なくらい暑いな」

千世子「なにも不思議じゃないと思うけど暑いのだ」

神姫「予報でも晴れマークばっかりだわ」

悠「焦げ付く暑さ、滴る汗!」

神姫「汚い」

悠「汚い言われた?!」

摩耶「どんまい」

千世子「はーい、じゅぎょーしますよなのだ。典韋が戦死したあと、かわって曹操のボディガードとなったのが許褚なのだ。身長は約180センチ、腰まわりは約120センチと、まるで相撲取りのような体格で、顔立ちも凛々しい武者だったのだ。」

悠「無双の許褚さんとはちょっと違うな」

摩耶「怪力っていうのはまさにだけどね」

悠「ハンマーっぽいから武器は好きだけどな」

摩耶「ハンマー厨乙」

千世子「彼もまた怪力の持ち主であり、ソフトボール大の石を投げつけて敵軍を撃退したり、牛の尻尾を片手でつかんで百歩ほどひきずったと言う逸話もあるのだ。『演義』では生前の典韋と一騎打ちで互角に戦うという強さを見せており、典韋の後継者として申し分ない武将と言えるのだ。」

悠「ゴッドイーター2でもスピアよりハンマーが好きだ」

摩耶「ハンマーというバスター」

悠「あ、2だとハンマーっていう新カテゴリーになってるぞ」

摩耶「そうなんだ。僕はショート一択だけど」

悠「とにかく切り刻むんだな」

千世子「許褚の性格はきわめて真面目で落ち着いており、寡黙であったというのだ。ひたすら曹操を尊敬する、忠臣のかがみのような武将だったのだ。」

神姫「でも、ハンマーってメインとしては扱われにくいわよね」

悠「主人公は基本剣だもんな。ハンマー使うって言ったらドワーフ的なのだし」

摩耶「ドラクラでもドワーフでハンマーでしょ?」

悠「いま、インフェルノでレベル上げつつ依頼こなしてる」

千世子「曹操が暗殺されそうになっていることを「なんとなく」動物的な勘で察知して救ったり、反乱を起こした馬超との戦いで馬超をひと睨みで恐怖させるなど、許褚の武勇伝は数知れないのだ。」

亘理『何となくすげぇ』

悠「おれも何となくで生きてる」

神姫「それでなんとなく死ぬのね」

悠「やめてよ怖いこというの?!」

摩耶「後楽さんもなんとなく生きてる系だよね」

悠「……よし、なんとなく生きるのは止めよう」

千世子「戦いとなれば虎のように強い許褚だが、戦場を離れるとぼーっとしていたので、「虎痴」というあだ名で呼ばれていたのだ。このあだ名は曹操軍だけでなく他国にも知れ渡っていたのだ。」

亘理『そうだよ、しっかりと目標持って生きてかないと』

悠「とりあえず……のんびり生きたい程度で」

神姫「クズが」

悠「クズは酷くないですか?」

摩耶「まぁでも、悠君にはぴったりかもね。色んな意味で」

悠「なんか引っかかるわぁ」

千世子「曹操が馬超と会見したとき、馬超は曹操を暗殺するつもりだったが、名高い「虎痴」のことを警戒していたのだ。そのため馬超は曹操の横に屈強な武者が立っているのを見て「虎候という方がいるそうだが、何処にいるのか」と聞いたというのだ。つまり馬超は「虎痴」が許褚の本名だと勘違いして、その姓である「虎」に「候」をつけて敬意を表したのだ。これは別に馬超がうかつだったわけではなく、多くの人々が「虎痴」が許褚の本名だと思っていたのだ。猛将「虎痴」の名前はそれほど広く知れ渡っていたのだ。以上、典韋と許褚のじゅぎょーだったのだ。」
22/100ページ
スキ