ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「三国志の授業はおもしろいな」

千世子「それだと他のじゅぎょーがつまらないみたいに聞こえるのだ」

悠「へへっ」

千世子「あ、笑ってごまかしたのだ!」

摩耶「鋭くなってきてるねー」

悠「まぁ、ぴよこは賢いからな」

千世子「ふふーんなのだっ♪」

悠「調子に乗りやすい所と一部舌足らずなところを除いたら褒めてやれるのに」

千世子「チョーシノリじゃないのだっ!それはあんちんなのだ。」

悠「おれはむしろ堅実に引きぎわをわきまえてるぞ」

摩耶「都合が悪くなると逃げ出すって意味ね、コレ」

雨「クズね」

悠「安心しろ。おれのクズなんて可愛いもんだ。上には上がいる」

雨「なんのランクつけてんのよ。」

神姫「……」

悠「なんだ、帰るのか?」

神姫「……授業が終わったんだから帰るでしょ。それとも落ちのない無駄話に混ざって行けと?」

亘理『て、手厳しい』

悠「そだよ。授業の後のダラダラトークこそが一番の楽しみだろ」

千世子「千世子としてはすげぇ複雑なのだ」

摩耶「悪気は無いんだよ。ただ無意識に人を傷つけてるだけ」

雨「なお性質が悪いじゃない」

摩耶「悠君の空気が読めないレベルは業界でも有名じゃない。巷では殿堂入りしてるよ」

悠「てきとういうなよ。そもそも空気は吸うものだし、なにより事あるごとに空気、空気というのは悪習だぞ」

神姫「悪習でもそれを無視するのは違うでしょ」

悠「無視してない。ただ、なぜかおれの発言は受け入れられにくいだけだ」

亘理『つまり……?』

摩耶「空気が読めない」

悠「そうだ!」

摩耶「……」

神姫「……」

雨「……」

亘理「……」

千世子「……」

悠「……ん?いやいや、違う違うそうじゃない!」

神姫「自分でも自覚してるんならもはや確信犯ね」

摩耶「まぁ、わかってたけどね」

悠「とうにん置いてガンガン話を進めるな。」

摩耶「では、弁解をどうぞ」

悠「空気は吸うもの。読むものではない」

神姫「さっきも聞いた」

悠「……」

千世子「あんちん、頑張れなのだ!」

悠「……あえて、ひとが言えないことをいって場を和ましてるんだよ」

亘理『わぁ、苦しい』

悠「やかましゃい!」

後楽「男は締めるときだけ締めりゃあいいんだぜ」

悠「どっから現れた」

後楽「ここにゃ、無料の大風呂ができただろ。毎日来てんだよ」

悠「お前だけは使用料はらえ!」

後楽「えー」

悠「えー、ぢゃねぇよ!」

後楽「ちっ、わかったっての、ほらいくらだよ」

摩耶「黒革に龍の掘り絵がある財布なんてカッコいいですね~。」

亘理『あれ、悠ちゃんの財布とお揃い?』

悠「っか、おれの財布だろそれ!」

後楽「兄ちゃんの財布はおじさんの財布だろ。なにいってんだ」

悠「なにいってんだはおれのセリフぢゃい!」
17/100ページ
スキ