ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「クトゥルーの授業も終わって次は何するんだ?」

千世子「なにがいいかなーなのだ」

摩耶「なんでもいいよー」

悠「保健体育とかどうよ」

神姫「そればっかりね。はい、王手飛車取り」

悠「当然王を逃がす」

神姫「そっちでいいのね?」

悠「こっちでないとダメなんだよ」

神姫「そっ、じゃあ飛車は貰うわね」

悠「うん。っで、桂馬」

神姫「あと、四手で詰ますわ」

悠「悪いな。」

神姫「なに?」

悠「おれは即詰みだ。王手」

神姫「…………………」

悠「……」

神姫「ダメ、ないわ。」

千世子「神姫ねーちんが負けたのだ」

悠「将棋だけなら一日の長がおれにはあるからな」

神姫「みたいね。全面的に私が攻めてると思ってたけど、思い返せば全部受けられてるわ」

悠「惚れるなよ」

神姫「……」
ビュッ!!ゴッゴッ!

悠「香車がささったあぁぁぁっ?!二個刺さったぁぁぁ!」

摩耶「将棋の駒って固いもんね」

悠「いってえぇぇぇ!!」

神姫「うるさい」

千世子「……神姫ねーちん照れてるのだ?」

神姫「んなわけ無いでしょ」

べちっ!
千世子「んきゃっ!」

悠「容赦ねーな……」

神姫「手加減してなかったら殴ってるわよ」

千世子「おでこいたいのだ……」

神姫「余計なことを言い過ぎたら痛い目合うってことよ。勉強になったでしょ」

千世子「なったのだ」

悠「いや、違うと思う」

摩耶「いい加減、突き立ってる駒とれば?」

悠「コレとったら流血しないかな」

摩耶「まぁ、してもいいんじゃない」

悠「それもそだな」

神姫「更に叩きこんであげようか?」

悠「負けたこと根に持ってるんだろ」

神姫「別に」

摩耶「じゃあ、もう一局いっとく?」

悠「いや、やめとく。普通に痛いし」

千世子「っで、なんのじゅぎょーしたらいいかななのだ」

悠「保健体育」

神姫「……」

悠「やだ、相手にもしてくれない」

摩耶「モンスターとかは結構やったよね」

千世子「やったのだ」

悠「じゃあ、次は人だろ」

千世子「英雄とかなのだ?」

神姫「戦国武将とか?」

悠「だったら三国志だろ。」

千世子「三国志……じゃあ、三国志やるのだ」

悠「っか、知ってんのか?」

千世子「全然分からないから勉強しつつじゅぎょーするのだ」

摩耶「すっごい前向きだね」
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