ー奇談ー學校へ行こう6

ー大露天風呂ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で……汗を流していた。

亘理『ぶくぶくぶくぶく……』

美兎「あー、やつぱりでっかい風呂っていいわねぇー。」

冥「いい湯加減なのナぁ~」

美兎「冥も結局、気にいってんのね」

冥「出来てしまったものは活用しなくちゃ損ナ」

美兎「その根性は立派だわ」

亘理『ぷはっ!!』

美兎「アンタさ……風呂で潜水すんなよ」

亘理『私さ、数十年。大きいお風呂とか、泳ぐという行動を取れて無かったから感動してる』

美兎「あ、あぁ、そう」

冥「眼がマジなのナ」

亘理『ブクブク……』

美兎「どうせだったら外まで広げて超露天風呂にしてくれたら良かったのに」

冥「そしたら亘理ちゃんが入れないからって辞めたらしいのナ。あと重機でもないと無理っていってたのナ」

美兎「ふぅん、それでジャングルにしたと」

冥「温水で育つ南国植物、悠ちゃん曰く大きいのを育ててみたいからだそうなのナ」

美兎「アイツも変な趣味あるわね」

冥「バナナ食べ放題ナ♪」

悠「この辺りに温水パイプ引いたらいいか?」

マサライ【アア、アとは苗木さえモッテきたら私が根を張らせてやる】

悠「だとしたら……バナナ以外もできそうだなパパイヤ、マンゴー…………あとサボテン」

マサライ【サボテン……食えるのカ?】

悠「サンカクサボテンのドラゴンフルーツなら」

美兎「……あいつ、私らが入ってんのにお構いなしね」

冥「ほんとなのナ。でも、普通に気づいてないっぽいのナ」

美兎「距離あるっちゃあるけど……」

冥「きっと湯気パワーなのナ」

亘理『ぶくぶくぶくぶく……』

悠「ドラゴンフルーツやるならビニールハウスが欲しいな。ガラス温室でもいいけど」

マサライ【夏に焼け死にソウだな】

悠「確かに……。温水+猛暑の気温+サウナ状態=死の構図が目のまえに見える」

マサライ【水辺ヲ用意したらドウダ?】

悠「水辺か……そういえば水風呂作って無かったな。こっちに給水場所と水風呂作れば作業終わってすぐ飛びこめるな」

マサライ【風呂はソバにアるだろう】

悠「いや、そうなんだけどな……ん?」

美兎「あっ、こっち見た」

冥「気がついたみたいなのナ」

美兎「おーい。」

悠「おーう。いっとくけど覗きじゃないぞ。ホントにちょっと植物園計画をだな……」

美兎「聞こえてたから分かってるわよ。でも、今ガン見し過ぎてね?」

悠「この際だから」

亘理『ぷはっ!あー楽し……』

悠「……丸見えGJ」

亘理『死ねー///!!』

悠「ごっ?!」

美兎「アンタ岩ひっこ抜くって力上がったわね」

マサライ【おい、イキテルカ?】

悠「岩は……マジでいたい」

亘理『ご。こめんね!今のはだって、その……悠ちゃんが悪いっ!』

冥「青春なのナー」

美兎「違うと思うわよ……てゆーか、アンタも湯につかるかタオルで隠しなよ」

亘理『ぶくぶくぶくぶく///』

雨「何騒いでんの……あれ、お湯が赤いけど入浴剤?」

冥「血液なのナ」

悠「……」

雨「……覗きか」
3/100ページ
スキ