ー奇談ー學校へ行こう6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「あっ、みんな遅いのだ」

悠「ちょっとお披露目会してたからな」

千世子「なんの?」

悠「風呂」

千世子「なんで千世子は呼ばれてないのだ?!」

悠「いや、居なかったから……」

千世子「うー!!」

摩耶「あとで見にいこうね」

【ミ=ゴ】
別表記:ミ=ゴウ、マイ=ゴウ
登場作品:HPラヴクラフ「闇に囁くもの」

千世子「人でなしのあんちんは無視してじゅぎょーしますなのだ。」

悠「ヒトデではない」

千世子「ヴァーモント州の山岳地帯アンデス高地など、南北アメリカの山岳地帯には、禁断の書物の中では、ユゴスと呼ばれる冥王星から飛来したエイリアン、ミ=ゴがその活動拠点を築いているのだ。ミ=ゴが到来した時機は古く、ジュラ紀にまで遡るのだ。」

悠「アンキロサウルス」

神姫「ティタノサウルス」

摩耶「ティプロドクス」

雨「さ、サーベルタイガー?」

悠「それはジュラ紀じゃなくて新世代の生き物だ」

雨「わかるかっー!」

千世子「この時代に地球を支配してきた「古きもの」と争い、北半球を勢力下におさめたミ=ゴの目的は地上でしか発掘できない希少な鉱物であり、自分達の領域に立ち入るものに害を及ぼすことはあるが、基本的に人間に対して無関心なのだ。」

悠「無関心なフリして…」

摩耶「ぶちころがす」

悠「ひゅー、ヤンデレ!」

神姫「それは「病んでる」よ」

千世子「ミ=ゴの外見は、5フィートほどの赤く巨大な甲殻類のような姿をしているが、生物種としては菌類に近いため、「ユゴスからの徴」と呼ばれることもあるのだ。虫のように節くれだった多くの足があり、背中にはコウモリのような羽を一対備えているのだ。頭部には渦巻型の楕円体がついていて、色彩を変化させることで言葉を使用せずに意思疎通を行うことが出来るようなのだ。」

悠「信号機みたいだな」

摩耶「菌類ってことは宇宙キノコ?」

神姫「冬虫夏草的なのじゃない?」

悠「虫とキノコの組み合わせってよくよく考えたら醜悪だよな。グロ注意モンスター確定」

雨「虫は美しいでしょフォルムが」

千世子「ミ=ゴの活動拠点はネパールにも存在しているが、この地では大型類人猿のような姿を取り、ヒマラヤの雪男として知られているのだ。アメリカで活動しているものとは種類が違うのだとも、防寒目的で着ぐるみに身を包んでいるのだとも考えられているが、本当のところは分からない。」

悠「寄生虫みたいな奴だな」

摩耶「バイオで居たじゃん。本体がデカイのじゃなくて中身の寄生虫」

悠「あぁ、居たな」

神姫「悠もサナダムシとかいるでしょ」

悠「いや、おれに入れてどうするんだよ。そういうのはやけにスタイルのいい女……つまりは神――」

神姫「ぐー、ちょき、ぱー……どれで殴られたい?」

悠「すげぇ……その選択で結果は殴るの結果に繋がるんだ」

千世子「徹底した秘密主義のもとに採掘を行ってきたミ=ゴだが、1億年近くの年月の間に人間の目に触れることが少なからずあったようなのだ。こうした目撃談は、ヴァーモンド州の辺りに住まう先住民族ぺナック族のあいだで語り継がれている「大熊座から飛来した羽ある生物」にまつわる伝承をはじめ、悪魔や妖精にまつわる民間伝承のルーツとなったのだ。なお、1920年代末にヴァーモンド州でおきた河川の氾濫時にはミ=ゴの死体が下流に流れつき、ちょっとした騒動になったというのだ。」

神姫「それでどれがいい?」

悠「チョキは生死にかかわるからパーで」

神姫「そっ」

ゴッ!
悠「ぶぎゅっ!」

摩耶「顔面に空手で叩かれるとめちゃくちゃ痛いよね」

雨「知らないけどのたうってるのは分かるわ」

悠「薬指と人差し指が目にあたったーー!!」

千世子「あんちん、うるさいのだ。高度な知性をもったミ=ゴは、彼らに協力する人間に対して、彼らの技術に恩恵を与えることがあるのだ。ミ=ゴの科学力の所産の中でもっともよく知られているのが、脳だけの状態で人間を生かし続ける円筒型の装置なのだ。ユゴスで採掘された金属製の円筒には液体で満たされていて、感覚装置に接続された脳をこの中におさめて運搬することが出来るのだ。この状態であれば、人間は宇宙を旅することが可能なのだ。以上、ミ=ゴのじゅぎょーだったのだ。」
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