ー奇談ー學校へ行こう5

ー校庭ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業……工事が始まろうとしていた。

悠「砂鉄よーし、アルミニウムよーし、マグネシウムよーし、ゴーグルよーし」

摩耶「準備よし」

義鷹「やるのか」

千世子「あんちん、なにするのだ?」

悠「テルミット実験だ」

千世子「テルミットなのだ?」

悠「ああ、絶対に学校じゃ教えてもやらせてもくれない科学の実験を見せてやろう。」

千世子「つまり……危ないことするのだ?」

悠「大正解だ」

摩耶「威張っていうことじゃないけどね」

悠「まずは本実験のまえの借り実験の装置がこちら、ででーん」

義鷹「てめぇの口でいうなよ」

千世子「コンクリートブロックふたつとお鍋?お料理するのだ?」

悠「鍋の中身を覗いてごらん」

千世子「なんか粉がいっぱい入ってるのだ」

摩耶「砂鉄と1円……もといアルミホイルを丸めたものを金ヤスリで削ったものを混ぜたものにマグネシウムリボンをセットしてあるんだよ」

悠「直接火をつけると危ないからマグネシウムもしくは花火の火薬を発火剤に使う。さて、火着けるからそっちのラインより後ろに下がって」

千世子「……爆発しない?」

摩耶「大丈夫、爆発はしないししても盾があるから」

悠「なんで、おれを見てりゅのかにゃ?」

摩耶「いいから、いいから。」

悠「……着火!」

ボッ……ゴォォォォォォッ!!ボドッ!!

千世子「燃えあがって……あっ、なにか落ちたのだ」

摩耶「多分、そこが抜けたんだね」

悠「よし、もう近づいていいぞ。ただし、絶対に触るなよ。火傷どころじゃ済まないし、ぴよこは白衣の裾気をつけろよ。引火するぞ」

摩耶「わぁ……本当に鍋の底が抜けてる」

千世子「溶けてるのだ?」

悠「3000度越えの熱量だからな……ほら、見てみろ地面に溶け落ちたのなんて、まだ赤熱してる」

千世子「凄いのだ……。」

摩耶「大成功ですね。湯川先生」

悠「実に面白い」

千世子「似てないのだ」

悠「おれに福山雅治みたいな超イケメンが務まるわけ無いだろ。おれでも惚れそうになるのに」

摩耶「それは置いといて本実験に入ろうか」

悠「そうだな。でも、その前に水かけて鎮火」

ドボボボ……ジュュュゥゥ~……

摩耶「それでもしばらくは触れないだろうね」

悠「義鷹なら平気だろ」

義鷹「熱いのは熱いんだぞ。お前溶けた鉄触るか?」

悠「さてさて、ではさっきの三倍の量をセットしたテルミット装置でございます。ここに焔魔岩を投入しまして」

千世子「三倍!赤い彗星なのだ!」

悠「それでは……ファイア!!」

ゴッォォォォォオオオオオォォォォォオッオッォォ!!

摩耶「わぁ、火柱」

悠「コイツはヤベェな。昼間にやってよかった。」

千世子「土台まで溶けちゃってるのだ……」

義鷹「ぎゃはははっ、無茶苦茶だな」

悠「やっちまってからいうのも何だけど……あの岩大丈夫か?」

摩耶「まぁ、平気でしょう」
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