ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「どうしよう、どうしよう……」

摩耶「どうしたんだい、坊や」

悠「あのね、あのね、脳内でゲッタン☆がループ再生され続けてるの!」

摩耶「なーんだ、だったら……脳を破壊しちまえ豚野郎」

悠「そっと髪を撫でて恋人よ!!!」

神姫「ゲッタンっていうかギッタンギッタンね」

悠「あらやだ、お父さん、神姫がツッコンだわよ!今夜はお赤飯だわ」

神姫「……」
ゴッ!

摩耶「あ、無言の前蹴り」

千世子「はーい、じゅぎょーしまーすなのだ。って、あんちん、なにうずくまってるのだ?」

悠「あんちんのあんちんが……うぅぅっ……ひゅーひゅー……」

【シャンタク鳥】
別表記:なし
登場作品:HPラヴクラフト「未知なるカダスを夢に込めて」

千世子「シャンタク鳥とは、夢の国のレン高原に近い山に住む巨大な鳥なのだ。「大鴉」の異名を持つが、象よりも大きいその巨体は羽毛ではなく鱗で覆われており、頭は馬のようなのだ。鳴き声は曇りガラスをひっかいた音に似ているのだ。」

悠「あぁ……嫌な汗が止まらない。股間がずきんずきんする」

摩耶「潰れてなかったらまだ使えるよ」

悠「大丈夫、ちょっとグリュってなっただけのはず……」

亘理『悶絶ってこういう事いうんだわね』

悠「絶対に女には分からん痛みだよ……」

亘理『うん、分かりたくない』

千世子「かつて夢の国を旅したランドルフ・カーターという人物は商人がシャンタク鳥を率いているところを目撃しているのだ。この商人は、おぞましく響く言葉でシャンタク鳥に命令し、シャンタク鳥の香り立つ大きな卵を交易品として扱っていたのだ。」

亘理『シャンタッ君の卵、やっぱり美味しいんだ』

神姫「ダチョウの卵はゼラチン質でまずいらしいけどね」

悠「あぁ、大分落ち着いて来た……」

摩耶「ひっひっふーだよ。」

雨「ラマーズしてどうする」

千世子「このように夢の国ではシャンタク鳥は乗用に、家畜にと様々に活用されているようだが、だからといって心を許せる生き物ではけっしてないのだ。なぜならば、商人達とシャンタク鳥は、共にナイアーラトテップに仕えているからなのだ。」

悠「シャンタク鳥の卵は手に入らないが……蜘蛛の卵なら手に入るんじゃないか?」

雨「こっち見んなコラ」

悠「……処女?」

雨「カチカチカチカチ」

悠「やめて、近い、怖い。」

摩耶「っていうか、虫の卵は食べたくないでしょ」

千世子「乗騎としてシャンタク鳥は、さほど快適ではないのだ。シャンタク鳥に乗ったことのある人間によれば、鱗に覆われた身体はとても滑りやすく、必死にしがみつかなければ振り落とされるため、乗り心地はかなり悪いということなのだ。」

摩耶「鞍とか着けとけばいいのに」

悠「もしくはサドルだな」

亘理『どうやってつけるの?』

悠「ブッ刺す」

亘理『可哀想でしょ!!』

神姫「今の面白かった」

悠「おほめにあずかり光栄です」

千世子「なお、シャンタク鳥は夢の国の空のみならず、宇宙空間に飛び出していくことが出来るのだ。ナイアーラトテップに命令されて、人間を乗せたままアザトースの混沌の王座へと飛んでいくこともあるから要注意なのだ。シャンタク鳥の天敵は、夢の国に住んでいる夜鬼なのだ。シャンタク鳥はこの黒い肌の悪夢めいたクリーチャーを酷く恐れていて、夜鬼の生息するングラネク山には決して近づかないようにしているのだ。この2種族の間にどのような因縁があるのかはわかってないが、仕えている主同士の対立がそのまま持ちこされているということなのかもしれないのだ。以上、シャンタク鳥のじゅぎょーだったのだ。」
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