ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「はぁ……」

摩耶「あれからお楽しみでしたか?」

悠「ああ、リアル「ぐぱぁ」見せてもらったよ。内臓超綺麗だった」

摩耶「なんだろう。凄く……血なまぐさい」

悠「うん。それ正解」

千世子「はーい、じゅぎょーしまーすなのだ。」

【グール(食屍鬼)】
別表記:屍食鬼/喰人鬼
登場作品:HPラヴクラフト「ピックマンのモデル」

悠「グールって……」

摩耶「なんかドンピシャだね」

千世子「人間の死体を喰らうグールは「千夜一物語」をはじめアラビアの民話にしばしば現れる伝説上のクリーチャーなのだ。グールという名前はアラビア語で悪霊を意味する「アール・グール」に由来し、イスラム教におけるサタンに相当する邪悪な精霊、イブリースが生み出したと言われているのだ。」

神姫「っで、あの死人って人間食べるの?」

悠「いや、お菓子が好きらしい。……っか、死人って」

神姫「死人じゃないの?」

悠「不死っていってやれよ……」

千世子「ハイエナなどの動物に姿を変えて無人の砂漠に潜み、旅人や幼児を襲ったり、墓を暴いて死体を食べるという伝説上のグールと、クトゥルー神話におけるグールを同一視して良いかどうかについては、様々な意見があるのだ。ただし、「ネクロノミコン」を著したアブドゥル・アルハザードがアラビアの砂漠を放浪していた若いころに、グールと行動を共にしていたことが知られているので、恐らくは同じ種族なのだろうと考えられるのだ。」

摩耶「結局どうしたの?あの後」

悠「おれの知り合いに後のことは押し付けて(任せて)きた」

神姫「本音と建前が逆になってるわよ」

悠「おっとっと……しかし、あの先生見てて思ったが美人でも脆いのはキツイな」

亘理『元気で健康が良いよね。』

悠「まぁ、そうだな」

亘理『元気だよね!健康的で!』

摩耶「亘理ちゃん必死」

千世子「独立種族としてのグールは、人間サイズのクリーチャーなのだ。先端が尖った耳、血走った目を持つグールが、よだれを垂らしながら前かがみになって移動する姿は、植えた野犬を髣髴とさせるのだ。全身を覆う固い皮膚はゴムのような弾力を持っていて、つま先は鉤爪のように曲げられ、足の先端が蹄状になっているという話しもあるのだ。」

悠「しかし……どんどんスプラッタ耐性がついていく」

神姫「いつも自分の体スプラってるじゃない」

悠「してないよ!龍剄の扱いが下手だから反動が酷いだけだよ!」

神姫「胸張って言うことじゃないわよ」

悠「神姫はいい張りの胸だよな」

神姫「……」

ピッ…ドゴンッ!
悠「ごぉっ?!」

摩耶「おー、なんてまっすぐなセクハラとまっすぐな龍剄」

千世子「グールは雑食性で、腐ったものであっても気にせず平らげるのだ。彼らの好物は動物の死骸だが、墓地に埋められてほどよく腐敗した人間の肉は彼らにとってごちそうなのだ。」

悠「ぐぁ……久々に喰らうとキツイな」

神姫「……」

雨「アホだな」

悠「うるせぇ精神崩壊するまでくすぐるぞ」

雨「目的がわからん!」

摩耶「そういう同人誌あるね」

千世子「こうした日々の糧を得るために、彼らは人間社会と適当な距離をおきつつも、さほど離れていない場所。墓地や教会の地下納骨所や、山の中にある洞窟に、少人数のコミュニティを作って暮らしているのだ。文明社会の薄暗い面に寄り添うように、人間達とつかず離れず暮らしてきたグールは世界各地に散らばっているのだ。」

神姫「私も手ごろな下僕なら一匹欲しいわね」

悠「グールでも?」

神姫「扱いさえ間違わなきゃ残飯で働きそうでエコじゃない」

悠「言ってることは鬼だけどな」

神姫「私は龍であり、神であり姫よ」

悠「久々に聞いたなソレ」

千世子「火葬の国である日本も例外ではなく、千葉県南部の夜刀浦市にグールコミュニティが確認されているのだ。あるいは日本における火葬の風習は、グール対策という面を持っていたかもしれないのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ」
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