ー奇談ー學校へ行こう5

ー壱階空き教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業……工事が始まろうとしていた。

悠「さて、今日も元気に穴掘るぞー」

摩耶「おー!」

義鷹「おー……っは、いいんだけどよ。闇雲に掘っていいのか?」

悠「当然よくない。っでだ、おれの予想では……」

チョークが先に着いた棒を持って地面にこすりつける。長方形型に線を引きつつ外へと続けていき適度な所で区切って×の印を描く。

摩耶「これは?」

悠「配管と水道管が通ってると思われるライン。まずはここを掘り返していって管を見つける。むちゃくちゃ深いってことはないだろうけど丁寧にやらないと間違って裂いたりしたら色々と悲惨な目に遭う」

摩耶「水道ならまだしも排水は……ヤバいね」

義鷹「そうなったら俺は逃げる」

摩耶「僕は…………」

つぶらな瞳で見つめられた。

悠「……盾になれと?」

摩耶「やだ、悠君かっこいい」

悠「……さて、掘るか」

摩耶「だね。」



~穴掘り開始~



義鷹「あっ、そうだ。お前、メフィストに会ったか?」

悠「メフィのおっさん?……いや、ここしばらくは会ってないな。なんで?」

義鷹「いや、ここでなんかする前に話しがあるとか何とかいってたの思い出してな」

悠「ふーん……」

義鷹「まぁ、大方なんかの実験でも手伝わされるんじゃないか」

悠「それは遠慮したいな」

ガキンっ!

摩耶「あれっ?」

悠「今何か変な音しなかったか?」

摩耶「なんか硬いのに当たったみたい。もしかして……配管?」

悠「こんな浅いところにはないだろ。石かなんかじゃないのか」

ザッ、かきん!ザッ、かきん!ザッ、かきん!

摩耶「ここら一帯になんかあるよ」

義鷹「なんだ……鉄板でもあるのか?」

悠「……泥どかしてみよう」

ザザッ……ザザザッ……!
表面の土を退けてみると黒い板が出てきた。更に土を取り除く。

摩耶「これって……」

悠「棺っぽいな」

義鷹「っぽいじゃなくて棺桶だろ」

悠「おい、死体遺棄か。」

義鷹「死体が入ってるとは限らねぇだろ」

摩耶「開けてみる?」

悠「いや、開けて入ってたら困るだろ。」

摩耶「でも、掘り出しちゃったよね。」

悠「……よし、こうしよう。もっと周り
掘る」

摩耶「よいしょ、よいしょ」

義鷹「それで?」

悠「義鷹、開けないように持ち上げてくれ」

義鷹「……」

悠「中身入ってるぽい重さか?」

義鷹「ああ、けどかなり重たい。ただ人ひとりが入ってる重さじゃねーな。」

悠「……そうか、それじゃあとりあえず隅っこの方に置いといて作業進めよう」

摩耶「見なかった事にするんだね」

悠「そういうことだ」

義鷹「ふんっ」

荒々しく棺を投げた。

悠「投げるなよ?!」

義鷹「壊れちゃいねーよ」
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