ー奇談ー學校へ行こう5

ー壱階空き教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「やっぱりこの教室が邪魔だな」

摩耶「壊すのは簡単そうだけど……また、元に戻るんじゃない?」

悠「そういわれると……どうなんだ?」

義鷹「ぶっ壊しきれば直らねぇな。それでも壊して造り直したらそれは同化する」

摩耶「つまり?」

義鷹「妖怪校舎をぶち壊してそこを風呂にしたら妖怪校舎風呂になるってことだ」

悠「大して変わらないんだろ」

義鷹「なにも問題ないな。」

悠「よし、じゃあ……ここをぶち壊」

冥「ぶち?」

悠「ぶち……猫はかわいいなぁ」

摩耶「かわいいよね。」

義鷹「それでここぶち壊してどうするんだ?」

悠「コラ!」

冥「どうするのナァ~?」

悠「やだ、管理人ちゃん、すっごく爪出してる」

摩耶「おー、リアル鍵爪」

義鷹「いっちまえよ」

悠「えーと、この教室をぶち壊しまして穴掘って配管繋いで風呂にするの。ほら、真横が管理人ちゃんの部屋だからもともとある配管に繋ぎやすいしボイラーも近い」

義鷹「らしいぞ」

冥「却下ニャ♪」

悠「そんな笑顔で……」

冥「壊さずに新しく増築するならいいのナ」

悠「最初はそうするつもりだったんだけど……色々と諸事情が」

冥「なに?」

悠「あー、亘理が結局入れなくね?」

冥「あっ……」

義鷹「確かにな、アイツは「校舎内」でしか行動できない。そうなると増築しても「そこ」には入れねぇだろうな」

摩耶「なるほど、だから今あるところを壊して作り替えるんだね」

悠「しょーゆーこと」

冥「うぬぬ…」

悠「ダメかな?ここはひとつ亘理のために……」

冥「うーん……」

摩耶「冥ちゃんも広いお風呂に入れるようになるよ」

冥「むちゃくちゃにしないニャ?」

悠「とうぜん」

冥「爆発とか絶対にぜーったいにダメナ」

悠「おれもそんなのには巻きこまれたくないから。安全第一にする。」

冥「じゃあ…………ちょっと待ってナ……ううん~」

摩耶「迷ってるね」

悠「迷ってるな」

義鷹「壊すとしてどう壊す?」

悠「この教室内の物をまず全部放り出して床全部剥ぐ。壁も一面タイル張りにするから剥ぐ必要あるな。同然天井も……ただ、二階をぶち抜かないようにな」

義鷹「じゃあ一回向こうの壁も」

悠「とうぜん壊す」

義鷹「わかった。じゃあぶっ壊すか」

冥「待つのナ!なにさっそく実行しようとしてるのナ!」

義鷹「一回壊したら覚悟できんだろ」

摩耶「なるほど」

冥「なるほどじゃないのナ!」

悠「慌ててる管理人ちゃんもかわいいなぁ。尻尾撫でていい?ていうかしごいていい?」

ザリュ!

冥「フッー!!」

悠「……どうなってる?」

摩耶「ブルース・リーみたいな傷できてる」

義鷹「ぎゃははっ!」
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