ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「久々にいい雨だな」

雨「は?」

悠「天候の方」

雨「あぁ、そっちね」

摩耶「それでも緩やかな雨脚だよね。」

悠「ふにふにアンヨかな」

さわさわ…
雨「触るなッ!」

悠「だって雨脚って……」

雨「どう考えてもそれこそ天気の話しだろ!!」

千世子「あんちん、セクハラは犯罪なのだ」

悠「ピヨコ、セクハラは嫌がったらセクハラで雨は喜んでるからセクハラにならないんだよ。」

千世子「そうなのだ?!」

雨「喜んでるかっ!!」

千世子「はい、もうあんちんは無視してじゅぎょーしますなのだ。「深きもの」は特定の寿命を持たない種族で、事故や戦いによる不慮の死を迎えなければ、、果てしなく生き続けるのだ。加えて、生きている間ずっと成長が続くので、年を経れば経るほど巨大な個体となるのだ。」

悠「無視されちゃった」

摩耶「それでも十分相手してくれるよね」

悠「まだまだ、真の無視という領域には辿りついてないがな」

神姫「完無視されたいのね」

悠「いや、無視されるのは辛いね。やっぱり」

千世子「なお、何らかの理由で飢えた「深きもの」は小さく縮むことで、飲食をしないでも生命を維持することが出来るらしいのだ。一定以上縮んでしまった「深きもの」は、休眠状態に入るようなのだ。」

亘理『そんな事より人の足触るってどーなんでしょーねー』

悠「それはそれ、これはこれ」

亘理『あ゛?』

悠「めっちゃ低い声で啖呵切られた……どう思う?」

神姫「……」

要「本物の完無視だな」

千世子「「深きもの」のなかでも最古にして最大の存在が、「父なるダゴン」「母なるハイドラ」として旧支配者に名を連ねている夫婦で、特に地球上のさまざまな場所で活動してきたダゴンは、古代ペリシア人やシュメール人などの人間たちからも崇拝されていたのだ。」

悠「神姫は無視のスペシャリストだからな」

摩耶「悠君はボケのスペシャリストだよね」

悠「うぇへへーいっ。」

亘理『よろこんでいいの?』

悠「芸人には褒め言葉です」

要「芸人じゃないだろ」

悠「うん。違うよ」

要「なんだコイツ……。」

千世子「なお、学問の世界における通説に従えば、ペリシア人が崇拝したダゴンの名の由来はヘブライ語で魚を意味する「dag」と、偶像を意味する「aon」を組み合わせたものとも、ウガリット語で穀物を意味する「dgn」の名を持つ穀物神であったともいわれているが、実際には遥かな太古の時代に遡る名前なのかもしれないのだ。」

悠「しかし、しとしとといい雨だな」

亘理『そんなに雨好きなの?』

悠「雨はいいだろブラ透けとか」

スコンッ!!

摩耶「おー……平気?」

悠「っ……ぁっ。」

要「声が出ないほど痛いのか?!」

悠「なっ……に……今の……脛が、脛が」

神姫「ロングバール」

悠「亘理……神姫に渡しちゃダメだろっ……」

千世子「現在、このつがいはインマウス沖の海底都市イハ=ンスレイに住み、封印されたクトゥルーの娘クティラを守護する役目を担っていると言われているのだ。なお、公式の記録には残されていないが、1984年ごろ、ダゴンがアメリカ第七艦隊のミニッツ級空母カール・ヴィンソンを襲撃したらしいのだ。出現したダゴンの体長は200メートル近くの巨体で、飛行甲板が破壊されたのをはじめ、多大な被害が出たというのだ。続きは次回なのだ」
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