ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

摩耶「悠君、悠君」

悠「あー?」

摩耶「はいこれ」

バササッ
悠「なにこれ、スーパーの特売チラシ?」

摩耶「ううん、学校案内のチラシ。」

悠「学校案内……?ああ、ゆうなのやつか」

要「今完全に忘れてただろ」

悠「思い出したから完全じゃないもんっ!」

要「もん!じゃねーよ!」

キキ「かわいいっ!」

要「可愛かねぇよ!」

悠「やっぱりぃー?でへへ」

要「やっぱりでもねぇよ!照れんなよ!前髪お化けが!!」

【深きもの】
別表記:なし
登場作品:HP･ラヴクラフト「インマウスを覆う影」

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。クトゥルーに使える「深きもの」は、クトゥルーとその眷属が外宇宙から地球へと飛来した時に、共にやって来たといわれる半人半魚の種族なのだ。」

亘理『半魚人ってみたことないなぁ』

雨「魚人系は食べられちゃうからね」

亘理『……え、誰に?』

雨「義鷹と冥とその飼い猫とかに、」

亘理『驚愕の事実……。』

雨「たまに地獄直通の井戸から釣り上げてるの見たこと無い?」

亘理『無い無い、初めて聞いた』

千世子「その外見は、モンスター映画でよく知られている半魚人よりも更に不気味な、魚と蛙の中間の姿をしているのだ。平べったい顔から、魚のように飛び出した目はほとんどまばたかない。首の左右には鰓があり、鱗のある灰色みを帯びた緑色の肌と水かきのついた手足が特徴なのだ。全体に緑がかった体は腹の部分のみ青白いのだ。」

摩耶「ただ、適当に集めたのだから数があるだけでまったく中身は確かめてないからね」

悠「かまわんよ。」

神姫「本人が調べる気ないものね」

悠「そんなこたぁないよ。今日だってそういう話ししてたもん!」

要「だから腹立つからもんいうな」

千世子「「深きもの」は基本的に海棲の種族で、地上で暮らすときにも半ば水没した海岸の廃墟を好むのだ。地上での動きは鈍重で、跳ねるように移動する事しかできないが、海中ではイルカやサメと同等の高速度で泳ぎ、深海の底まで潜ることが出来るのだ。」

悠「しかし、こんだけあるんだな」

バラララッ…

神姫「それにしても本気なの?」

悠「半々かな。」

摩耶「学校は有りだと思うよ楽しいし。」

悠「摩耶は優等生だしな」

摩耶「そんなこともないよ。」

千世子「地上にあがった「深きもの」は、くぐもったような吠え声でどうにか人間の言葉を発することもできるが、仲間同士ではテレパシーのような能力でやれとりをするのだ。」

悠「いっそお嬢様学校的な場所を探してもいいかもな。SP着きでいい場所ならデコを護衛に着けさせて」

要「どこまで過保護だ」

悠「過保護もあるがむしろ相手を守るためだ」

キキ「というと?」

悠「ゆえはやっと加減を覚えて来たけど実際の身体能力は化け物級だ。ヘタしたらケガ人が出るだろ。それを防ぐために白巳というスタンドを背負ってる訳だし」

摩耶「あぁ、白巳ちゃん背負ってるのはギプス代わりなんだね。」

悠「スタンド、スタンド」

千世子「この能力のおかげで、海中「深きもの」は魚類や頭足類、イルカ、サメ、クジラなどと行動をともにしたり、血族の者に対して浜辺から呼びかけたりできるのだ。「深きもの」の多くは、クトゥルーの眠るルルイエを見守るため海底にすんでいるが、一部はクトゥルー復活の時に備えるべく、地上に這いだして暗躍しているのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」