ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「弩躬が入院した」

神姫「へぇ。だらしないわね」

悠「理由も聞かずにソレか……」

神姫「興味ないし」

悠「厳しすぎるだろ」

神姫「そもそも、お見舞い行くほど深い付き合いでも無いんだしそんな話題を振られても困るのよ。」

悠「そっからかよ?!」

千世子「どうかしたのだ?」

悠「いや、なんでもない。」

【ノーデンス】
別表記:なし
登場作品:HPラヴクラフト「霧の高みの不思議な家」

千世子「現実世界と夢の国の中間にある空虚な場所、古代の人々が中つ国、根の国などと呼んでいた大いなる深淵に君臨するノーデンスは、ナイアーラトテップの魔手から人間を救いだした事があるため、旧神たちの一因か、さもなくば主神ではないかと考えられている神なのだ。」

亘理『ノーデンスってあのノーデンス?』

悠「敵二倍、味方半減のノーデンスだ」

摩耶「よくよく考えたらとてつもないチート空間だよね」

悠「攻撃500アップ程度の話しじゃ済まないしな二倍て」

千世子「アメリカのマサチューセッツ州にあるキングスポートという港町には、大いなる深淵に通じる不思議な館があるのだ。ここで深淵の大帝の姿を垣間見た人間によれば、彼の姿は白髪の威厳ある老人なのだ。ノーデンスは海豚に引かせた巨大な貝殻の戦車に乗り、三又鉾をもつネプトゥーヌス、ホラ貝を奏でるトリトーン、気まぐれなネーレイスらを従えて天空へと繰り出すのだ。」

悠「ちなみにおれフィールドはエンカウント率最大だぞ」

要「なんだその無意味な空間」

悠「経験値稼ぎには最適」

亘理『分かりやすく言うと?』

摩耶「絡まれやすい体質」

千世子「ノーデンスは夢の国に住まう夜鬼たちの支配者でもあり、地球本来の神々の秘密を探る人間に警戒されているほか、旧支配者の手下たちの妨害にあたらせているようなのだ。」

悠「はっきりいうなよぉ」

摩耶「じゃあ……フラグゲッター&クラッシャー」

神姫「立てたそばからへし折っていくのね」

悠「そんなもん立てた覚えがねぇし、立ってたら大事に育むよ」

キキ「自覚がないのが一番性質が悪いって知ってる?」

悠「なにいきなり冷静に言ってくれてんの?未だに把握できないよ君のキャラ」

千世子「ノーデンスは本来、古代ブリテン人から崇拝された治癒の神であるのだ。グロウスターシャー州のリドニーにはノーデンスを祀る神殿があったのだが、この近くには、グラーキやアイホートのテリトリーがあるので、あるいはノーデンスは彼らににらみを利かせるために、この地に拠点を構えたのかもしれないのだ。」

神姫「でも、二倍とか半減しても……本体を叩く回数が増えるだけでそこまで問題もないわよね。」

悠「神姫さんはアレですか10回殴るのが20回に増えたら「倍も殴らないといけない」じゃなく「倍も殴れる」と歓喜する側の人ですよね」

神姫「……なんで最後断定系な言い方に変わってたの?ん?」

がしっ、メキキ…
悠「あれ、肩が痛い。掴まれてる、めっちゃメキメキ鳴ってる」

摩耶「多分肩パッドとかだよ」

悠「着けてないよ!骨しかないですよ!」

キキ『こんなことあろうかと思って肩に肩甲骨を仕込んでいたのでござるね!』

悠「それは頭蓋骨で……あ、ヤバい、すっげぇ親指がめり込んでる……外れそう」

神姫「……」
バキッ!

千世子「ノーデンスはまた、アイルランドに君臨したダーナ親族の王、ヌァザの別名でもあるのだ。ヌァザは、フォモールという魔神達と対立した神なのだが、彼らの中には魚めいた姿の怪物も居たというから、フォモールは旧支配者に何か関わりがあるのかも知れないのだ。以上、ノーデンスのじゅぎょーだったのだ。」

悠「あー……やめろよ。外れ癖がつくだろ」
ぐっ……ごきん!

摩耶「ハメルのも手慣れたもんだね」
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