ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ダルイ」

摩耶「更年期障害?」

悠「へい、おれより年上っ!」

千世子「え?」

悠「摩耶はおれより年上だぞ」

千世子「……忘れてたのだ」

摩耶「よくあることだしいいよ。」

【星の戦士】
別表記:なし
登場作品:ダーレス&スコラー「潜伏するもの」

千世子「コホン、気を取り直してじゅぎょーしますなのだ。旧支配者の実在を疑わない者たちの中にも、星の戦士については否定的な人間が数多く存在することをあらかじめ断っておくのだ。それについて論ずるのは本じゅぎょーの目的ではないので、彼らがいかなる存在であるかについて解説するにとどめるのだ。」

悠「のまぁでも、この空間で年齢の話ししてもなぁ」

亘理『数千年単位で遡れる奴もいるしね』

義鷹「あ?」


千世子「星の戦士たちは、古い言葉でグリュ=ヴォと呼ばれるオリオン座の輝くα星ベテルギウスに住まうという、旧神たちの手足となって働く天空の騎士なのだ。その姿はいくらか人間に似ているが、両脇から腕のように動く付属機関が三対生えていて、強靭な旧支配者たちにすらダメージを与えうる死の光線を放つ筒状の兵器を持っているのだ。」

神姫「破壊光線ってのが最新鋭な感じよね」

悠「ヘビィボウガンかもよ」

摩耶「光線ていってるのに?」

悠「……ゲッタアァァァビイィィィィィム!!」

要「うるさっ……」

千世子「手足をもたない筒のような姿をした乗騎にまたがって、ベテルギウスと地球のあいだに横たわる450光年の宇宙空間を瞬く間に駆け抜けるのだ。目映い輝きを放つ炎につつまれた彼らが出現する時、例え深夜であってもあたりは昼間のように照らし出され、旧支配者とその崇拝者たちに恐るべき破壊をもたらすのだ。」

キキ「シャイイイィィィンスパアァァァク!!」

悠「ストナアァァァァァァサァンシャイィィィィィィィン!!」

神姫「うるさいっ!!」

摩耶「スーパー系スイッチが入ったみたいだね」

要「なにスイッチだよ」

千世子「古代ギリシア人が、触手めいた多頭を持つヒュドラを退治した半神半人の英雄オリオンの似姿をベテルギウスのあたりに求めたのは、果たして偶然なのだろうか。ある伝説によれば、彼らの本来の住処は宇宙のどこかにある「光の国」で、旧神に造反した旧支配者たちを駆逐するべく宇宙規模の警戒網を展開しているのだと言われているのだ。」

悠「スパロボしたくなってきた。」

亘理『叫んだだけで?!』

悠「叫んだからこそだ」

摩耶「スーパー系スイッチだね」

要「いや、ホントに何スイッチだよ」

千世子「地球上のいくつかの伝説に語られる「光の巨人」そうした神の一柱として、ティガという名が知られている……とは、星の戦士たちの事かも知れないのだ。」

悠「ティガレックスも星の戦士なのかな」

摩耶「戦士ではないね」

神姫「蜥蜴ね」

悠「恐竜程度にはランク上げてやってくれ。」


神姫「蜥蜴でしょ」

悠「蜥蜴です」

雨「落ちるのはぇよ!」

千世子「なお、古代ムー大陸においてクトゥルーやジュブ=ニグラス、イオドといった神々と共に崇拝されていたヴォルヴァドスという神は、旧支配者たちの脅威にさらされる人間たちの呼びかけに応えて出現し、全身を覆う炎で敵対者を焼きつくして、封印されていた場所に追放することで知られているのだ。」

亘理『……ねぇねぇ、星の戦士ってクトゥルゥなの?』

悠「今さらだな……旧支配者を滅殺していくのが星の戦士だよ。いわばく邪神ハンター」

摩耶「フォークが武器ではないけどね」

千世子「銀色の霞ごしに垣間みえるヴォルヴァドスの顔は奇妙で不思議なくぼみや曲線や平面で構成され、英知をたたえた黒い眼には揺らめく炎を宿しているというのだ。その姿こそヒューマノイド・タイプではないが「炎を焚きつけるもの」「砂を騒がせるもの」と呼ばれる燃え盛る炎をまとったその姿は、星の戦士たちの姿をいやがおうにも思い出させるものなのだ。以上、星の戦士のじゅぎょーだったのだ。」
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