ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

摩耶「リベレー調子どう?」

悠「DEEPとかINFERNALランクが半端ない。敵に触れられたら即死みたいなダメージを雑魚から受ける」

摩耶「ふーん……それ、規定レベルで挑んでなくない?」

悠「うん。30くらいのを5とかで挑んで死にまくってる。マグナムとかライフルで攻撃しても全然ダメージ与えられねーでやんの」

千世子「素直にレベル上げしないとダメなのだ」

悠「RPG以外のレベあげってイマイチ気が乗らないんだよなぁ」

【ダオロス】
別表記:なし
登場作品:ラムジーキャンベル「THErenderoftheveils」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。「ヴェールをはぎとるもの」とも呼ばれるダオロスは、ユゴスやトンドなどの星の住民から崇拝される神なのだ。地球でも、アトランティスの預言者や占星術師がダオロスへの祈りを捧げたことが知られているが、その名前は忘れ去られて久しいのだ。」

神姫「バイオってレベル上げなんてあるの?武器の改造とかじゃなく」

悠「最近のはなんでもレベル上げあるんだよ」

神姫「なんだかねぇ……」

悠「いいたいことは分かる」

千世子「今では、ダオロスの顕現である天上から降り注ぐ輝かしい光の束、彼らが「聖なる光」とよぶ存在を崇拝する小規模な教団が現存するのみとなっているのだ。」

摩耶「まぁでも……武器の強さ云々のぞいて敵にダメージ補正が入るとバイオとかはどうかな……やっぱりヘッドショットでワンキル出来てバイオでしょ」

悠「そんなこといってもマジニなんて頭吹っ飛ばしたら虫生えてくるし」

神姫「っていうか、ゾンビじゃないしね」

千世子「棒状の物体に取り巻かれたダオロスの本体は、色と形をめまぐるしく変化させる無定形の塊りなのだ。人間の感覚器官でダオロスを認識することは難しく、無理にその姿を目で追ったものは悉く狂人になるのだ。他の星に属する崇拝者たちについても事情は変わらないが、彼らは、半球体と輝く金属が灰色の棒が幾何学的に連結されている、ダオロスの姿を何とか三次元的に視覚化した神像を礼拝に使用するのだ。」

悠「多分、そのうちダオロスみたいなのも出てくるぞ」

神姫「完全に無機質じゃない」

悠「金属を取り込んだ生物兵器」

摩耶「もう生物である必要ないよね」

悠「たしかに……兵器でいいわな」

千世子「あるとき、幸運にもこの神像を入手したオカルティストが、ダオロス召喚の儀式を試みたことがあるのだ。儀式に必要なのは、ダオロスが吸い取る光の源になる二本の蝋燭と、人外生物の頭蓋骨。彼はこの儀式に供するために、夢のクリスタライザーという魔道具を用いて、夢の国に生息する夜鬼の頭蓋骨を入手したのだ。」

摩耶「ただ、そうなってくるとバイオハザードよりメタルギアソリットだね。」

悠「もっと括りをでかくしてスーパーロボット大戦」

神姫「バイオハザードは何処に消えた。」

亘理『スーパー邪神大戦!』

神姫「だから、バイオは何処にいったのよ」

千世子「黄色い卵のような形をしている夢のクリスタライザーは、笛のような音を出して、意識を外宇宙や惑星や異次元世界に移動させ、道具や生物を一時的に現実世界へ持ってくるという魔道具なのだ。そして何よりも重要なのが、ダオロスを閉じ込める結界として機能する、五茫星型に組まれた立体的構造物なのだ。三次元空間にあらわれたダオロスは、その瞬間から膨張を開始するのだ。結界を準備しておかないと、召喚者は際限なく膨らむダオロスの身体にのまれ、異次元へと送り込まれてしまうというのだ。」

悠「夢の中へ、夢の中へ、行ってみたいと思いませんか」

神姫「悪夢」

摩耶「獄夢」

悠「いきたくねぇなぁ…淫夢とかがいい」

神姫「悠は二度と起きなくていいかもね」

悠「あらやだ怖い」

千世子「こうして準備を整えたオカルティストがダオロス召喚の呪文を唱え、少量の自分の血液を捧げると、なにかを擦り合わせるようなかさかさという音とともにダオロスが召喚されるのだ。人間には耐えがたくおぞましい宇宙の真の姿をダオロスは見えるようにするため、このオカルティストは狂死してしまったが、正しい手順を踏むことで、過去や未来を見たり、異次元に旅立つなどの能力を召喚者に与えてくれるのだ。以上、ダオロスのじゅぎょーだったのだ。」
72/100ページ
スキ