ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

メフィスト「ンフフフ~♪フフフフ~ン、た・か・な・し・さんっ!」

悠「うっ……え、あ、はい?」

メフィスト「アナタ、本好きデしたよね、本。THE・book」

悠「え、えーと……すーー……きですけど?」

メフィスト「フフフーン。ではでは、スッバラシィ~ものをおみせしましょーぅ!」

義鷹「やめとけよ。ヘタに妙なもん見たら呪われるぞ。出来ないことのが少ない奴なんだから、本気で…」

メフィスト「シャラーップ!!」

義鷹「うるせぇ……。」

悠「それで、何を手に入れたんスか?」

メフィスト「みたい?見たいデスよーねぇっ!!」

悠「……」

義鷹「断るならコレがラスチャンだぞ」

悠「えーと……んっ?んんんっ?!」

ゴボッ…ゴボボボッ……

メフィスト「実はデスねぇー、とても貴重な……」

悠「あ、あの…メフィさん?後ろ…」

メフィスト「後ろ……WATT?!」

義鷹「チッ……やっぱまた妙なもん持ってきやがったか……」

ゴボボボボッ!!
血まみれ生首『オ゛オ゛オ゛ォォォッ……』

悠「ちょっ……まだ真夏の怪談には早くないか?生首が五、六個でてきたぞ」

義鷹「おい、いったい何を連れてきやがった」

メフィスト「アイムソーリー!ヒゲソーリー!こんなはずではなかったんデース!」

ゴロゴロッ……
血まみれ生首『オ゛オ゛オ゛ッ!』

悠「こっち転がってきて……メフィスト危ない!」

血まみれ生首『ガアァァァッ!!』

メフィスト「ほいっ!」
ポンッ!

血まみれ生首『ガキン!……?』

悠「消えた……!」

義鷹「逃げたんだよ」

悠「性質悪っ?!」

義鷹「おい、隠れてないでどうにかしろっ」

ポンッ!
メフィスト「隠れてませんヨ。ちょーっと杖をとってきただけデス」

悠「その髑髏ステッキって必要なのか?」

メフィスト「これはマジックステッキ。魔法を使うにはこれが必要なのデース」

悠「へー……あれ?今さっき、消えたり現れたりするときにソレ持ってなかったよな」

メフィスト「……」

悠「……」

義鷹「……」

メフィスト「さて、デは……いきますよ~」

悠「なぁ、義鷹。おれあの人のこと信用できなくなってきた」

義鷹「悪魔を信用すること自体間違いだろ」

メフィスト「ちょっとー、細かいことはいいじゃないデスかっ!」

血まみれ生首『ガアァァァ!!』

悠「ちょ、よそ見すんな前!!いっぺんに飛びかかってきてる!!」

メフィスト「ほいっと」

ぽひゅ…
ぽひゅ…
ぽひゅ…
ぽひゅ…
ぽひゅ…

悠「……え?」

メフィスト「ふー、いやー驚きましてネー」

義鷹「いったい何なんださっきのは」

メフィスト「コレデース」

義鷹「巻物?」

メフィスト「江戸時代の死刑絵巻き。これは曝し首を描いたものデース。たぶん、校舎の妖気に触れて実体と化したのデスネー」

義鷹「ちゃんと安全を確認してから持ってこいよ。」

メフィスト「ハンッ。曰憑きで無いものなんて要らないじゃないデスか。」

義鷹「コイツはホントに……」

悠「……っか、一瞬?詠唱とか魔法陣とかそういうのなし?」

メフィスト「手間をかけた方が良かったデスか?なんなら、さっきよりも凶悪にして再度召喚を……」

悠「せんでいい、せんでいい……っか、机とか元に戻しとかないと……」

義鷹「もう戻ってるぞ」

悠「へ?……あれ?」

義鷹「いっただろメフィストはできないことのが少ないって。」

悠「しかも本人は消えてるし……」
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