ー奇談ー學校へ行こう5

ー壱階休憩所ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

冥「お茶どうぞナ」

悠「ありがとうございますな」

冥「どういたしましてナ」

悠「冥ちゃんが淹れるお茶は美味しいですな~」

冥「嬉しいニャ。それでぶち抜いた床と天井の修理は終わりましたかナ?」

悠「うっ……一気にお茶が渋くなった……な」

義鷹「そんなときでも語尾を真似る余裕があんだな」

悠「意地わるいいなさんな」

義鷹「冥、俺にも茶」

冥「はーいナ」

悠「しかし、おれだけで修理ってのが納得いかん……」

義鷹「お前がぶち抜いたんだろ」

悠「正確に言うとおれごと神姫がぶち抜いたの」

義鷹「だったらあの女にも手伝わせりゃいいだろ」

悠「そんなことできるわけないだろっ!!」

義鷹「いってて情けなくないかお前」

悠「触らぬ神に祟りなし」

義鷹「叩き落とされた後だがな」

悠「こんな僕にだって怖いものはあるってことですっー!!」

義鷹「っーか怖いもんの方が多いだろ」

悠「まぁね」

冥「でも、義鷹や亘理ちゃんには怖がってニャいよね」

悠「義鷹は別として亘理は怖がる必要ないだろ。誰かを祟り殺したり絞殺した実績があるわけでなないし」

義鷹「じゃあ、メフィストや冥はどうだよ。悪魔と化け猫だぞ」

悠「メフィのおっさんは怖いっか…怪しいだな」

義鷹「ぎゃひひ、確かに的を得てる意見だな」

悠「管理人ちゃんはほら……おれ、ネコ好きだし」

義鷹「適当な理由だな」

悠「重要な理由だべ。例えば口に出すのもおぞましいナメクジがいるだろ。あれがそのまま大きくなったりとかの化け物だったら決して仲良くは出来ない。おれにナメクジを愛するのは無理なんだ。例え超絶美人でもナメクジは無理」

義鷹「何の話かまるで意味分からんな」

悠「わかってよ!!」

義鷹「分かるか!!」

悠「あー……お腹すいた」

義鷹「欲望に忠実か……コイツ」

冥「何か食べるナ?」

悠「あったかい物が良いな」

義鷹「五月の末にか?」

悠「うん、なんか暖かいの食べたいな」

冥「あったかい……白湯ナ?」

悠「……あの味をください」

義鷹「塩水の煮たもの」

悠「上品なお吸い物は塩だけで作れるというが……今そんなものを所望した覚えは無い」

冥「ところで……天井と床はなったんですかナ?」

悠「えと、応急処置はしたんであとは家鳴りと校舎自体の再生力でお願いしたいです、はい」

義鷹「まぁ、別に応急処置しなくても治るちゃ治るしな」

冥「それでも処置しといたほうが治りの速さに影響するのナ!!」

悠「申し訳ございませんでした……」

冥「反省してるならいいのナ」

義鷹「してるようには見えないけどな」

悠「っか、おれが反省する部分てないはずだよな?」

義鷹「図々しいんだよ」
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